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2歳児がごはんを食べない、イライラして作りたくない!
食べムラがある、ちょっとしか食べない、食事にまったく手をつけない…。そんな2歳児の食事の悩みにイライラすることがありますよね。
Q.お子さんが2歳頃、食事に関して悩んだことはありますか?
HugKumでは、2~5歳のお子さんがいるママやパパ120人に、2歳頃の食事のお悩みついてアンケート調査してみました。

「ある」と答えた人は54.2%で、「ない」と答えた45.8%より多い結果となりました。
ごはんを食べない2歳児を放置しても大丈夫?
2歳児がごはんを食べないと心配になってしまいますが、必ずしもすぐに深刻な問題になるわけではありません。基本的に、体重増加が良好で元気があり水分をしっかり取れている場合は、多少の偏食や食欲不振は一時的なものと考えられます。便が正常に出ているか、おしっこの量や回数が普段どおりなら、栄養バランスが多少崩れても大丈夫なことが多いでしょう。特に2歳頃は自己主張が強くなる時期で、食事も「自分で食べたい」「好きなものだけ食べたい」といった自立の表れが原因の場合もあります。
ただし長期間にわたって食事を拒否する場合や、体重が減少している、元気がない、便秘や下痢が続くなどの症状が見られる場合は、小児科で相談することをおすすめします。また無理に食べさせようとすると食事そのものが嫌いになってしまうこともあるため、リラックスした雰囲気で食事を楽しむことが大切です。
2歳児がごはんを食べないときの様子
2歳児がごはんを食べないとき、どのような行動をとるのか見ていきましょう。
ごはんを食べずに遊ぶ・食事中に席を立つ
ごはんの時間を伝えても、遊びに夢中でテーブルに座ろうとしない、おかずを手で握りつぶしたり、スプーンやフォークで食器をたたいたり、まだ食べ終わっていないのに席を立ってしまう…。食事に集中できずに、こうした行動を取ることが多くなります。
ママパパの体験談
最初は自分で食べるけど、途中で飽きるかあんまり好きなおかずじゃないせいか、食べるスピードが遅くなり、箸で遊びだしたりして進まなくなりました。 (40代・大阪府・子ども3人)
立ち歩くので、困っていた。膝の上でなら食べたので、常に膝の上でした。 (30代・東京都・子ども3人)
好き嫌いが激しい
好きなものだけ食べて、「もういらない」「ごちそうさま!」と言ってテーブルを離れるようなこともあります。好き嫌いが激しいことも、2歳児によくある食事の悩みといえます。
ママパパの体験談
作ったものをほとんど食べてくれず、数種類の決まったもの(うどん、カレー、パンなど)しか食べない。 (30代・東京都・子ども2人)
好きなものは食べるが、見た目が嫌だと思ったものは食べない(食わず嫌い) 。(30代・神奈川県・子ども1人)
食べずに「いらない」と言われる。好きなものばかり食べる。 (30代・大阪府・子ども2人)
食べムラがある
「食べムラ」とは、食べる量が一定ではなく、ムラがあること。昨日はしっかり食べたのに、今日は食べないということはありませんか。1~3歳くらいの時期は、食べムラが多い時期です。
ママパパの体験談
食べない時期が続くと栄養面や体力面が心配になる。 (30代・沖縄県・子ども1人)
イヤイヤ期で、今まで食べてくれていたものを食べなくなったり、ムラがあったりして困った。 (30代・京都府・子ども2人)
自分で食べない

自分で食べず、ママやパパに食べさせてもらったり、食事の後半になると自分で食べることをやめたりすることがあります。自分で食べるようになってくれないと、幼稚園がはじまったら困ってしまいます。ちょっと甘えているのかもしれません。
ママパパの体験談
食べさせないと食べなかった。 (40代・三重県・子ども1人)
自分で食べる気がなかった。 (30代・北海道・子ども2人)
白ごはん、肉・魚・野菜を食べない
白ごはんを食べない、肉・魚・野菜も一度は口に入れても出してしまう…。この時期には、偏食が多くなることもあります。
ママパパの体験談
ふりかけやのりを出さないと白米を食べなくなった。 今まで食べていた野菜が急に食べられなくなった。 (30代・石川県・子ども2人)
好みもだいぶはっきりしたので、野菜が嫌いになった。 野菜をほぼ食べてくれない。 (30代・東京都・子ども3人)
お菓子ばかり欲しがる
食事ではなく、お菓子ばかり欲しがるようになることもあります。子どもはお菓子が大好き。お菓子をあげないと怒ったり、「ごはんはいらない、お菓子が食べたい!」とわがままを言ったりすることもあります。
ママパパの体験談
お菓子ばっかり食べる。1日に子どもが食べる量を超えている。 (20代・鹿児島県・子ども1人)
口から出す
味が好きではない食べ物、嫌いな食べ物を口から出したり、ふざけて、べーっと口から出してしまったりすることもあります。
2歳児がごはんを食べない原因や理由

2歳児がごはんを食べない原因や理由にはどんなことがあるのか、見ていきましょう。
もともと食が細い
少ないエネルギーで活動できる子もいます。そういう子は、もともと食が細いといえます。食が細い子でも、成長するにしたがって、しっかり食べるようになるので、あまり心配する必要はありません。
食べるのに時間がかかる
食べるのに時間がかかるのは、お腹が空いていなかったり、食べる気がなかったりすることが原因です。また、嫌いな食べ物がある、体調がすぐれないなどの理由から、食べることに時間がかかっている場合もあります。
かむのが苦手
あごの力が弱い子は、食べ物をかむことが苦手です。かむことで疲れてしまうので、ごはんをあまり食べなかったり、途中でやめてしまったりすることがあります。
食わず嫌い
はじめて食べるものや、見た目から嫌いと思い込んで食べない「食わず嫌い」。2歳児は、匂いや感覚、食感に敏感なため、食わず嫌いになることもあります。
気が散る
テレビがついていて気になったり、おもちゃに気がとられていたりするなど、食事に集中できていないことも原因のひとつです。
ごはんを食べない2歳児への対処法
「ごはんを食べてほしい…」そんなママ・パパに、対処法を紹介します。

食事の内容や環境を見直す
2歳児がごはんを食べないときは、まず食事の内容や環境を見直してみましょう。食材の大きさや硬さが合っていないと、食べにくさが原因で食欲が減っていることがあります。たとえば大きな野菜や硬い肉は小さく切るか、柔らかく煮込んで食べやすくするのがポイントです。また手づかみで食べられるようにスティック状にしたり、一口サイズにしたりすることで興味を引ける場合もあります。
さらに食事中にテレビやおもちゃがあると集中力が散漫になりやすいため、食卓周りをシンプルに整えることも大切です。子どもが自分で食べやすいように、適切な高さの椅子(足底が床や足台につくもの)や食器を用意するのも効果的です。家族と一緒に食卓を囲むことで、楽しい雰囲気が子どもの食欲を引き出す助けになります。食べることが楽しいと感じられる環境を作ることで、自然と食事への関心が高まるでしょう。
おやつを減らす、時間を早める
ごはんを食べないのは、お腹がいっぱいで食べられないからかもしれません。ごはんの直前にジュースやおやつを摂っていたり、おやつの量が多かったりするのではないでしょうか。
お腹が空いていればごはんを食べたくなるものです。おやつを減らしたり、おやつを食べたりせずに、食事の時間を少し早めてみてください。
母乳やミルクを減らす
母乳やミルクを与えているのであれば、量を減らして、ごはんの量を少しずつ増やしてみてください。
いつもと様子が違うなら病気の可能性も
全身状態をみて、元気がない、いつもと違う感じがするようなら病気の可能性も考えられます。体の具合が悪くて食欲がないのかもしれません。体調が悪いようなら、病院を受診してください。
他にもたくさん! お悩み別対処法
遊び食べや野菜嫌い、自分で食べようとしない、食事に興味がないなど、子どもがごはんを食べてくれないという悩みは子育てにはつきものといえます。無理に食べさせようとすると、食事自体が嫌いになってしまいます。以下の記事では、「食事は楽しい!」と子どもが感じる工夫などを紹介しています。
2歳児がごはんを食べないときにしてはいけないこと

子どもがごはんを食べないと、つい怒ってしまうことはありませんか。しかしこれは、よいことではありません。怒ることをはじめ、2歳児がごはんを食べないときにしてはいけないことを解説します。
怒る
怒ることは逆効果です。怒って無理やり食べさせてしまうと、子どもは「食事は楽しくない」「ごはんを食べないと怒られる、怖い」と感じてしまいます。
無理やり食べさせるのではなく、どうすれば楽しく食事ができるかを考えていきましょう。
作らない
食べないから作らない、ごはんをあげない、という行為はNGです。こうした行為は、子どもに恐怖心を植え付けてしまいます。きちんと毎食、用意してあげてください。
大きくなれない、と言う
「ごはんを食べないと大きくなれない」という言葉は、つい言ってしまいがち。ですが、これは禁句です。言われた子どもは、「いっぱい食べないといけないんだ」「いっぱい食べられないと体が小さいままなんだ」と傷ついてしまいます。
また、この言葉を言っても、解決にはなりません。子どもが「食べることは楽しい」「食事はおいしい」と思えるような食事の時間を作るようにしましょう。
無理やり食べさせる
口に食べ物を押し込むような、無理やり食べさせることもやめてください。無理に食べさせると「食べないといけない」という強迫観念が生まれてしまいます。また、無理に食べ物を押し込むと、窒息や、吐き出してしまう可能性も考えられます。無理をさせないようにしてください。
記事監修

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために修士課程に進学・修了。親御さん方へのアドバイスを充実させたいと思い、保育士・公認心理師の資格を取得して役立てている。現在は、世界に住む妊婦さんや産後の方向けに、オンラインサービス中心のエミリオット助産院を運営。
2歳児向けのおすすめレシピ
料理にひと工夫すると、パクパク食べてくれることもあります。ここでは、ごはんをなかなか食べてくれない2歳児におすすめのおかずやお弁当レシピを紹介します。
フォー風うどん

サラダチキンを使った簡単メニュー。2歳ごろは、ごはんを嫌がる子も多いので、ごはんの代わりにうどんで炭水化物を取るようにしたものです。
◆材料
(2~3人分)
・冷凍うどん(細) 2袋
・もやし 1/2袋
・ゆで汁(または鶏がらスープ) 700ml
・ナンプラー(またはしょうゆ)、サラダチキン、みつば 各適量
・レモン(くし形切り・お好みで) 少量
◆作り方
【1】鍋に湯を沸かし、表示時間どおりにうどんをゆでる。続いてもやしもさっとゆでる。別の鍋にサラダチキンのゆで汁を温めてナンプラーで味をととのえる。
【2】サラダチキンは薄切りにする。みつばは3cmの長さに切る。
【3】器に【1】のうどんを入れ、【2】、もやし、レモンを盛り付ける。
教えてくれたのは…

田内しょうこさん
出版社勤務を経て、料理の道へ。働くママのための「シンプルでおいしい子どもご飯」を追求し、雑誌やWEBへのレシピ提案、出張料理教室、セミナー、取材やライティングなど幅広く活躍。
ハンバーグパトカー

いつものハンバーグも、見た目をひと工夫すれば食が進みます。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
【A】
・合びき肉 200g
・玉ねぎ(みじん切り) 1/4個分
・卵 1個
・パン粉 大さじ2~3
・塩 少々
・サラダ油 少々
・ウインナー 2~3本
・ミニトマト 3個
・スライスチーズ・ハム・のり 各適量
◆作り方
【1】ボウルに【A】を入れてこねる。適量に分け、ゆるやかな三角形に整える。
【2】フライパンにサラダ油を入れて熱し、【1】を両面焼く。
【3】【2】にスライスチーズをのせ、下部にのりを貼り、ソテーしたウインナーの輪切り(十文字に切り込みを入れる)でタイヤを作る。
【4】上部にハムで窓をつけ、ミニトマトを半分に切って赤色灯にする。
教えてくれたのは…

ほりえさちこさん
料理コーディネーター。キャラクター料理や子ども向け料理など、見た目が楽しく、かわいく、かつ、おいしくてヘルシーなレシピが人気。
ポケットサンド弁当

具を卵でまとめ、パンをポケット状にすることで、食べやすくなります。パンの耳は幼児にはかみ切りづらいのでカットして。
◆材料
●スクランブルエッグサンド●
(子ども1人分)
・食パン(6枚切り) 1枚
・溶き卵 1/2個分
【A】
・塩 少々
・牛乳 小さじ1/2
・ハム 1/2枚
・きゅうり 1/4本
・サラダ油 適量
・塩 ひとつまみ
●ミートボール●
(子ども1人分)
【A】
・合いびき肉 50g
・玉ねぎ(すりおろし) 大さじ1/2
・溶き卵 大さじ1/2
・塩・こしょう 各少々
・パン粉 大さじ1
・さやいんげん 1~2本
・サラダ油 適量
【B】
・しょうゆ 小さじ1/2
・砂糖・みりん 各小さじ1/2
・水 小さじ1
【C】
・片栗粉 小さじ1/2
・水 小さじ1
◆作り方
【1】スクランブルエッグサンドを作る。食パンは半分に切り、切り口に包丁で切り込みを入れてポケット状にする。
【2】溶き卵に【A】を混ぜる。フライパンに油を熱し、炒めてスクランブルエッグにする。
【3】ハムときゅうりは5㎜角に切る。きゅうりは塩もみして汁けを絞る。
【4】【2】に【3】を混ぜる。【1】のポケットに詰めて耳をカットし、半分に切る。
【5】ミートボールを作る。ボウルに【A】を入れて混ぜ合わせ、よくこねて小さめの一口大に丸める。
【6】フライパンに油を多めに熱し、【1】とさやいんげんを揚げ焼きにする。先にさやいんげんを取り出す。
【7】フライパンを拭いて【B】を煮立て、【2】のミートボールを戻し、混ぜ合わせた【C】を加え混ぜてタレをからめる。
教えてくれたのは…

ほりえさちこさん
料理コーディネーター。キャラクター料理や子ども向け料理など、見た目が楽しく、かわいく、かつ、おいしくてヘルシーなレシピが人気。
食事は楽しい雰囲気づくりが大切
2歳頃は、ごはんをなかなか食べてくれないことがあります。ですが、成長するにつれて必ず食べるようになるので、あまり心配しないように。ムラがあっても、小食でも、まずは食事の際に楽しい雰囲気を作ることが大切です。
食事をする環境やメニューなどもひと工夫して、食事は楽しい、おいしいと感じてもらえるようにしましょう。
文・構成/HugKum編集部