炊飯器を使うと材料を混ぜて入れ、スイッチを押すだけで、美味しいケーキを焼くことができます。とくにケーキモード付きの炊飯器を使うと、簡単です。今回は炊飯器で作る基本のレシピをはじめ、ケーキモードのない炊飯器でケーキを作るときの注意点、炊飯器で作る簡単&人気のケーキレシピなどを紹介します。
目次
炊飯器でケーキ! 混ぜたらスイッチポンのレシピ大公開
ケーキを焼くときは、型を準備したり、オーブンを予熱したりと手間がかかりますが、炊飯器を使うと材料を混ぜて入れるだけで、簡単にケーキを焼くことができます。今回は、炊飯器を使って作れるさまざまなケーキレシピをご紹介します。
ケーキモード付きの炊飯器とは
ケーキモード付きの炊飯器とは、ケーキを焼くメニューを備えている炊飯器のことです。材料を入れてスイッチを押すだけで、オーブンを持っていない方やお菓子作りは苦手という方でも簡単にケーキを作ることができます。
普通の炊飯器との違い
炊飯器は、ご飯を炊くためのものですが、ケーキモード付きの炊飯器はご飯を炊く機能のほかに、パンやケーキを焼く機能が付いています。最近では、パンを発酵させたり、煮込み料理などができる炊飯器もあります。おいしいご飯を炊くことはもちろん、最近の炊飯器は便利な調理機能を備えているものが増えています。
仕組み
炊飯器の加熱方式には、主に「IH」と「マイコン」の2つの方式があります。
「IH」は、電磁力を利用して内釜自体を発熱させ、高火力でご飯を炊き上げる方式。一方の「マイコン」は本体の底のヒーターが熱を発し、底から内釜に熱が伝わって、ご飯を炊きあげる方式です。
炊飯器でケーキを作る際には、より隅々まで熱が伝わる「IH」方式がおすすめ。ただし「IH」でも、「圧力IH」はケーキモードが付いていない製品だと、使い方によっては危険な場合があります。お使いの炊飯器がケーキ作りに対応しているかどうか、はじめに確認してください。
温度管理が楽
オーブンでケーキを焼く場合には、予熱をしたり、焼き加減を見ながら温度や時間を調節したりしますが、ケーキモード付きの炊飯器なら、ケーキを焼くモードを選んでスイッチを入れるだけ。温度調節などを気にすることなく、炊飯器にお任せでケーキを焼くことができます。
ケーキモードのない炊飯器でケーキを作るときの注意点
ケーキモードの機能が付いていない炊飯器でもケーキを焼くことができますが、機種によってはケーキ作りと相性の悪いものもありますので、注意が必要です。なかには、お米以外のものの調理に適さない機種もありますので、メーカーのホームページや説明書などで確認してください。
ここではケーキモードのない炊飯器でケーキを作る際の注意点を解説します。
生焼け
炊飯器のフタを開けてみたら、まだ水っぽくて焼けていない。あるいは、焼けているようだったけど、竹串を刺してみたら中が生焼けだったなど、炊飯器ケーキの失敗例としては「生焼け」があります。
これはケーキの生地の水分が多すぎたり、そもそも炊飯器とケーキ作りの相性が悪かったなどの原因が考えられます。ある程度焼けている場合は、ケーキをひっくり返してもう一度炊飯ボタンを押して加熱し、様子を見てみましょう。ひっくり返すのは底の方が焼けすぎて焦げてしまうことを防ぐためです。
それでもまだ生焼けという場合は、取り出してレンジにかけるか、フライパンで加熱してみてください。
早炊きは使わない
早炊きはご飯を早く炊きたいときに使う機能です。機種によって異なりますが、通常なら50~60分くらいかかる炊飯時間が20~30分くらいに短縮できます。
ただし、ケーキ作りでは早炊きを使うと、通常よりも加熱時間が短くなるため、しっかりと中まで加熱されない可能性があります。
シフォンケーキやカステラなどのふわふわした軽い生地のケーキの場合は、早炊きの方が美味しくできるケースもありますが、普通のケーキやフルーツなどを使ったケーキの場合は普通炊きを選ぶようにしてください。
分量をきちんとはかる
お菓子作りで重要なことは、分量をきちんとはかることです。
目分量で材料を入れてしまうと、なんだか仕上がりがイマイチ…ということになりかねません。炊飯器ケーキも同じ。特に少しの水分量の違いで、生焼けになってしまったり、焦げてしまうことがあるので、最初はきちんと分量をはかって作るようにしてください。
「最初は」と書いたのは、炊飯器ケーキの特徴として、使用する炊飯器によって出来上がりぐあいが微妙に違ってくるためです。
まずはホットケーキミックスなどを使ったシンプルで手軽なケーキを分量通りに作ってみて、ご家庭にある炊飯器の焼き具合を把握するようにしましょう。生焼けだった場合は、分量を減らしてみたり、加熱時間を増やすなど、調整してみてください。
炊飯器で作る基本のケーキレシピ
スイッチひとつで手軽に作れる炊飯器ケーキはお子さんのおやつにぴったり。炊飯器で作るシンプルな基本のケーキレシピをご紹介します。
小麦粉(薄力粉)の「スポンジケーキ」
シンプルな小麦粉(薄力粉)の「スポンジケーキ」は、そのままでも、クリームやフルーツを添えても、美味しく食べることができます。
バースデーケーキなど、特別な日のお祝いケーキにアレンジすることもできます。
◆材料(3合炊きの炊飯器の場合)
・卵 2個
・薄力粉 60g
・砂糖 60g
・バター 20g
・バター(内釜に塗る用) 適量
・お湯(湯せん用) 適量
◆作り方
1.下準備をする。薄力粉はふるいにかけておく。バターは溶かしておく。卵は室温に戻しておく。40度のお湯(湯せん用)を用意しておく。
2.ボウルに卵と砂糖を入れて軽く混ぜ合わせたら、湯せんにかけてさらに混ぜ合わせる。砂糖が見えなくなり完全に混ざったら湯せんからはずす。
3.2をハンドミキサーで色が白っぽくなり、持ち上げると少し留まってからゆっくりと落ちる程度になるまで泡立てる。
4.3に1の薄力粉を加えて、粉っぽさがなくなるまでゴムベラなどでさっくりと混ぜ合わせる。
5.4に1のバターを加えてさらに混ぜる。
6.内釜にバターを塗り、⑤を流し入れて空気抜きをする。
7.炊飯器にケーキモードがあれば選んで炊飯する。ケーキモードがない場合は普通に炊飯する(生焼けの場合は、焼き具合を確かめながら再度加熱する)。
8.焼きあがったら内釜から取り出して冷ます。
炊飯器で作る簡単&人気のケーキレシピ
炊飯器で簡単に作れる、人気のケーキレシピを紹介します。
ホットケーキミックスの「チョコバナナケーキ」
ホットケーキミックスを使えば、細かい計量いらずで簡単!失敗なしでしっとりしたケーキを作ることができます。
◆材料
・ホットケーキミックス 200g
・バナナ 3本
・グラニュー糖 大さじ3
・牛乳 150ml
・卵 1個
・サラダ油 (塗る用) 小さじ2
◆作り方
1.バナナは1本はひと口サイズに、2本はつぶす。
2.グラニュー糖とたまごをよく混ぜる。
3.ホットケーキミックスに、牛乳とつぶしたバナナを入れてさっくり混ぜる。
4.粉っぽさがなくなったら、ひと口サイズに切ったバナナを入れて軽く混ぜる。
5.炊飯器の内釜に油を塗る。
6.生地を入れ、炊飯スイッチを押す。
7.竹串を刺し、生地がつかなかったら完成(生焼けの場合は、焼き具合を確かめながら再度加熱する)。
りんごの「卵なしケーキ」
卵を使わない、しっとりとした食感のケーキです。優しい甘さで朝食にピッタリ。
◆材料
・りんご 大1個
・砂糖 大さじ1
・ホットケーキミックス 200g
・牛乳(豆乳でも可) 120g
・サラダ油 30g
◆作り方
1.りんごは皮をむき、薄切りにする。
2.深めの耐熱皿にりんごと砂糖を入れ、ふんわりラップをかけ600wのレンジなら5分加熱する。
3.炊飯器の内釜にホットケーキミックス、サラダ油、牛乳を入れ、ゴムベラで混ぜ合わせる。
4.2の加熱したりんごを汁ごと加えてさっくりと混ぜ合わせる。
5.内釜の底を数回叩いて空気を抜き、炊飯する。
6.竹串を刺して、生地が付いてこなければ完成(生焼けの場合は、焼き具合を確かめながら再度加熱する)。
7.網やお皿に取り出し、粗熱を取って完成。
紅茶の「シフォンケーキ」
油を使わないのに、ふわふわで紅茶の香りがうれしいシフォンケーキです。シンプルな材料なので、お菓子作り初心者にもおすすめです。
◆材料
・薄力粉 100g
・砂糖 100g
・卵 5個
・紅茶ティーパック 2個
・生クリーム 200g
・砂糖 大さじ1
◆作り方
1.内釜にサラダ油を薄く塗る。
2.卵白をボールに入れる、砂糖を3回くらいに分けて少しずつ加えながら泡立てる。
3.卵黄も加えて2分くらい泡立てる。
4.小麦粉を2回に分けて加える。
5.4に紅茶パックの中身も加えて混ぜる。
6.内釜の底を数回叩いて空気を抜き、炊飯。
7.竹串を刺し、生地が付いてこなければ完成(生焼けの場合は、焼き具合を確かめながら再度加熱する)。
8.網やお皿に取り出し、粗熱を取って完成。
さつまいもで作る「チーズケーキ」
さつまいもの自然な甘さとクリーミーなチーズが美味しいケーキです。
◆材料
・サツマイモ 大1つまたは小2つ
・クリームチーズ 100g
・無塩バター 50g
・牛乳 50ml
・砂糖 大さじ2
・薄力粉 大さじ2
◆作り方
1.クリームチーズとバターは常温に戻しておく。
2.薄力粉はふるっておく。
3.サツマイモは皮をむき、つぶしやすい大きさ(2〜3cm角ぐらいに切る。
4.3と水(分量外)を少しを耐熱皿に入れ、ラップをふんわりかけレンジで10分ほど蒸す。
5.蒸し上がった4を熱いうちに粗くつぶす。
6.ボールにクリームチーズとバターを入れ、クリーム状になるように混ぜ合わせる。
7.6に砂糖を加えさらに混ぜる。
8.7に5と牛乳と薄力粉を加え、ゴムべらでさっくりと混ぜ合わす。
9.5.炊飯器の内釜にバター(分量外)を塗る。
10.内釜の底を数回叩いて空気を抜き、炊飯。
11.竹串を刺し、生地が付いてこなければ完成(生焼けの場合は、焼き具合を確かめながら再度加熱する)。
12.粗熱を取って完成。
炊飯器を押すだけで簡単!
炊飯器を使えば、材料を混ぜたあと、炊飯器に入れて焼くだけで、手軽に美味しいケーキを作ることができます。
今回紹介したレシピのほかにも、ご家庭にあるいろいろな材料を使って、さまざまなバリエーションのケーキを作ることができます。お好きな材料を使って、お子さんと一緒に楽しく炊飯器ケーキを作ってみてください。
文・構成/HugKum編集部