電子レンジにアルミホイルはNG!
電子レンジにはアルミホイルを使ってはいけないと言われますが、なぜNGなのでしょうか? それは電子レンジが食品を温めるメカニズムに理由があります。
電子レンジの仕組みを理解すれば、アルミホイルを使う危険性が分かるはずです。
発火や故障の原因になる
電子レンジは電磁波の一種である「マイクロ波」を放出しています。
食品の中にある水分子とマイクロ派が共鳴し、振動による摩擦熱で食品を温めています。しかし、金属にマイクロ波が当たると電流が発生し、大変危険です。
アルミホイルはアルミニウムで作られた「金属箔」のため、表面にはたくさんの電子があります。マイクロ波が当たると電子が激しく動き、アルミホイルのシワや尖った部分から放電して火花が発生してしまうのです。
また、金属は電波を反射させる性質があり、アルミホイルがあることで電波の発生量が増え、庫内の温度が上がり故障します。
間違えて加熱してしまったときの対処法
万が一、アルミホイルを加熱してしまった場合は、扉を開けずに電源のコンセントを抜きましょう。扉を開けると酸素が庫内に入り込み、火の勢いが強まる恐れがあります。
火が消えたのを確認してから扉を開けて、ニオイが気になる場合には掃除をしましょう。なかなか火が消えないときには消火器を使うか、119番通報が必要です。
アルミホイルが使える三つの機能
電子レンジによっては、温め機能以外にもさまざまな機能が搭載されたタイプがあります。温め機能ではアルミホイルを使えませんが、マイクロ波を放出しないほかの機能では使用できる場合もあります。
アルミホイルが使える三つの機能を紹介します。
オーブン機能
電子レンジの「オーブン機能」は、ヒーターや電熱線の放射熱で食品を温めながら焼きます。マイクロ波は発生しないので、使用が可能です。
またアルミホイルの原料である、アルミニウムの融点温度は約660℃です。アルミホイルは商品によって300~660℃と耐熱温度に開きがあります。
電子レンジのオーブン機能は最高350℃程度のため、自宅のオーブン機能の温度よりも使用するアルミホイルの耐熱温度が高ければ問題ありません。
トースター機能
電子レンジに搭載された、パンを焼く「トースター機能」でもアルミホイルの使用が可能です。
オーブン機能と同様に、ヒーターや電熱線の熱を直接当てて調理しているため、火花が発生することはありません。
特に、パンを焼く際には、パンくずが落ちたりチーズなどのトッピングが溶け落ちたりして、受け皿が汚れやすくなります。
アルミホイルを下に敷いてから温めれば、電子レンジの庫内が汚れにくくなるので、掃除の手間が省けて便利です。
解凍機能
電子レンジには冷凍した肉や魚などの食材を解凍する「解凍機能」もあります。温め機能よりもマイクロ波の放射量が少なく、時間をかけてゆっくりと加熱していく仕組みです。
食品全体をアルミホイルで覆うのは危険ですが、一部分を覆う場合なら使用できます。例えば、肉や魚などの薄くなっている部分にアルミホイルを巻けば、過加熱を防いで均等に加熱できるのです。
ただし、庫内の壁や扉のガラス面などにアルミホイルが触れると、火花が散ったりガラスが割れたりする危険性があるので、注意しましょう。
アルミホイル以外に注意したいもの
電子レンジに使用できないものは、アルミホイルだけではありません。ほかにも注意すべきものがいくつかあります。気づかないうちに庫内に入れてしまいがちなアイテムを紹介します。
金属製のボウルや角皿、焼網
金属製のボウルや角皿、焼網などは、電子レンジに使用すると危険です。金属は電磁波を反射するため、火花が飛び散ったり、最悪の場合、火災の原因になったりすることがあります。電子レンジには、基本的に金属製のものを使用しないようにしましょう。
また、電子レンジに付属している角皿や焼網も注意が必要です。これらの付属品は基本的にオーブン機能で使用するために設計されており、電子レンジ機能では使用しないように推奨されています。電子レンジとオーブンの使用方法を確認して、正しく使い分けましょう。
お弁当に入っているおかずカップ
お弁当を温める際に注意したいのが「アルミ製のおかずカップ」です。お弁当箱が電子レンジOKだとしても、銀色のおかずカップはアルミホイルと同じくアルミニウムを原料としています。
紙製のものに比べて水気に強く、ニオイがほかのおかずに移りにくいのが特徴ですが、そのまま電子レンジに入れると、火花が発生したり発火したりする恐れがあります。
もしアルミ製のおかずカップが入っていたら、いったん取り出してからお弁当を温めるようにしましょう。
レトルト食品の袋や缶詰
冷凍食品やレトルト食品の「袋」にも注意が必要です。電子レンジ調理可能なタイプも販売されていますが、多くの場合は非対応です。
電子レンジ調理可能なタイプには「電子レンジ対応」のマークが表示されています。もし表示がない場合は、商品パッケージの裏面に記載された調理方法をきちんと守って調理しましょう。
電子レンジに対応していない袋は、アルミニウムを原料としたアルミパッケージです。そのまま庫内へ入れて温めてしまうと火災の原因となるのでやめましょう。
また缶詰を電子レンジで加熱するのも避けましょう。缶は金属製であり、電子レンジの中で火花を発生させ、最悪の場合には爆発の危険性があります。加熱の際は、中身を別の容器に移してから加熱するようにしてください。
インスタントカップ麺の容器
インスタントカップ麺の多くは、フタを開けて熱湯を注いで調理します。フタの裏側には保温性が高いアルミを使用しているため、電子レンジでの調理はできません。
中には電子レンジ対応の容器もありますが、その場合は「電子レンジ調理可能」の表示があるはずです。
また、容器に記載された調理方法に電子レンジが記載されていない場合には、基本的に容器ごと温めることはできません。
もし熱湯が用意できず、電子レンジ調理が必要な場合には、電子レンジ対応の容器に移してから温めましょう。
電子レンジは正しい方法で安全に使おう
毎日の調理時間を短縮できる電子レンジですが、食品を温める際にはアルミホイルなどの金属には十分注意する必要があります。電磁波を使って加熱しているため、使い方を間違えると故障したり火花が散ったりと危険です。最悪の場合には火災の恐れもあります。
市販の食品を加熱する際には、必ず記載された手順に従って調理をしましょう。正しい方法で安全に使ってください。
構成・文/HugKum編集部