2~3歳児が気をつけたい! 春~夏の病気&肌トラブルを小児科医が注意喚起!

日差しが強くなり、半袖で過ごせる日も出てきました。暑い季節が近づくと、2~3歳児に増えてくるのが夏かぜや食中毒、蒸し暑さが引き起こす熱中症。紫外線や汗による肌トラブルにも、そろそろ注意が必要です。ジメジメ&ムシムシが本番を迎えるこれからに備えて、注意したい病気や不調のことを正しく知っておきましょう。

暑さや湿気を好むウイルスや細菌による病気が増える

暑い季節に増えてくる病気の代表が、夏かぜです。「夏かぜ」は病名ではなく、ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱といったウイルス性感染症の総称です。これらの病気の原因となるウイルスは、温度と湿度が高い環境を好みます。夏かぜと同じ頃から、食中毒にも注意が必要。細菌がついた食べものや飲みものによって起こるほか、感染した人の排泄物や吐いたものを介して人から人へうつることもあります。

こうした病気を防ぐためには、手洗いが大切です。子どもがていねいに手を洗うのが苦手なら、「二度洗い」をすすめてみましょう。長時間の手洗いより、流水+石けんで10秒ほどの手洗いを二度くり返したほうが除菌効果が高いといわれています。

夏は、肌トラブルも増えてきます。日焼けのほか虫刺されやあせも、コロナ禍においてはマスクかぶれも……。かきこわしから起こる、とびひにも注意が必要です。また、水いぼも夏になると気になる病気のひとつ。水いぼがあると園での水遊びやプールなどに参加できないことから、治療を考える保護者も少なくないようです。夏の肌トラブルに関しては、手洗いや入浴などで肌を清潔に保つことが予防・改善の基本です。

真夏はもちろん、今から気をつけたいのが熱中症です。とくに体が暑さに慣れていない梅雨明けの頃までは、体温調節がスムーズにできないことも。2~3歳児は体温調節機能が未熟なため、通気性のよい素材・デザインの衣服を選ぶなどの工夫も必要です。子どもは遊びに夢中になると、のどの渇きに気づきにくくなるので、こまめな水分補給も習慣づけましょう。

「気温が高いと汗をかいて体温を下げる」など、体を一定の状態に保つための機能は、自律神経によってコントロールされています。自律神経のバランスを整えることは、抵抗力を高めて病気になりにくい体をつくることにもつながります。そのために欠かせないのが十分な睡眠と、1日3回の食事を中心とする規則正しい生活リズム。毎日の積み重ねで、暑さ&夏の病気に負けない体をつくりましょう。

夏に負けない体をつくる4カ条

①しっかり寝る!

十分な睡眠は、子どもの健康&成長に欠かせません。

②規則正しい生活

生活リズムを整えると、体のリズムも整います。

③こまめな水分補給

汗をかく季節は、水分補給で熱中症を予防して!

④肌を清潔に保つ

こまめな手洗いやシャワー、入浴で肌を清潔に。

夏かぜ

代表的な夏かぜは以下の3 つ。症状の違いをよく観察しましょう。

ヘルパンギーナ

■症状

38~39度の高熱が出て、のどの奥に数個~十数個の赤く小さな水疱ができます。水疱がつぶれると痛むため、食事や水分をとりにくくなることがあります。熱は2~3日で下がり、のどの痛みも1週間ほどで治まります。

■治療とホームケア

のどの痛みで水分もとりたがらないことがありますが、水分補給はこまめに。食事は刺激が少なく、飲み込みやすいものを用意しますが、食べたがらないときは無理をさせなくてもよいでしょう。病院での治療は発熱に対する解熱剤など、対症療法に限られます。

■予防のためにできること

原因となるウイルスが複数あるので、くり返しかかることも。手を介して鼻や口からウイルスが体内に入ることも多いので、手洗いとうがいが予防につながります。

手足口病

■症状

手のひらや足の裏、口の中などに、米粒ぐらいの中心部が白い水疱ができます。発熱しても高熱ではなく、数日で下がります。手足の水疱には痛みやかゆみがないのが一般的ですが、口の中の水疱はつぶれると痛みます。

■治療とホームケア

水分補給をこまめにし、口の中が痛む間の食事はプリンや冷たいスープなど、無理なく食べられるものを。症状が軽いことが多いため、病院でもとくに治療はせず、経過観察をするのが一般的です。症状がなくなってからも数週間は、便にウイルスが含まれています。トイレでのケアやおむつ替えをする保護者は、とくに注意が必要です。

■予防のためにできること

日ごろから手洗いとうがいをしっかり行い、タオルの共用も避けます。

プール熱(咽頭結膜熱)

■症状

39~40度の高熱が出て、のどの腫れや目の充血、目やになどの症状が表れます。症状は1週間ほどで治まりますが、おもな症状が治まってから2日過ぎるまで登園はできません。

■治療とホームケア

病院での治療は、解熱剤や点眼薬などによる対症療法です。高熱による脱水を防ぐため、水分補給はこまめに。のどが痛むので、食事は無理なく食べられるものにしましょう。目やになどはティッシュで拭き、すぐに捨てます。

■予防のためにできること

病名のようにプールの水からうつることもありますが、主な感染経路は唾液などに含まれるウイルスが、せきや手を介して体内に入ること。原因となるウイルスは感染力が強いので、手洗いとうがいを徹底し、タオルの共用も避けましょう。

熱中症

熱中症は命にかかわるからだの不調。しっかりポイントをおさえて。

■症状

体温が上がってぐったりする、顔色が悪い、吐き気・おう吐など。体調を言葉で伝えられる場合、めまいや頭痛、だるさなどを訴えることもあります。暑さや湿気で体温調節がうまくいかず、体に熱がこもるために起こります。

■治療とホームケア

涼しいところで衣服をゆるめ、頭を低くして寝かせます。首、脇の下、足の付け根などをぬれタオルで冷やして体温を下げ、同時に水分補給を。理想は経口補水液ですが、ない場合はスポーツドリンクや水、麦茶などで構いません。意識がはっきりしないときやけいれんを起こしたときは救急車を呼びます。

■予防のためにできること

暑いときには長時間の外遊びは避けます。室内でもエアコンで温度・湿度を調節し、こまめに水分補給をします。

食中毒(感染性胃腸炎)

特に夏場に注意したい食中毒。食材や食器の扱いには注意が必要です。

■症状

感染した細菌の種類によって症状
は異なりますが、吐き気やおう吐、腹痛、
下痢、発熱などが多く見られます。

■治療とホームケア

細菌が原因の場合、抗生剤の飲み薬が処方されることがほとんどです。薬は症状が治まっても自己判断でやめず、医師の指示通りに服用しましょう。子どもは大人にくらべて体に含まれる水分の割合が多いため、必要とする水分量も多めです。下痢やおう吐による脱水を防ぐため、こまめな水分補給も忘れずに。

■予防のためにできること

食材や調理器具の扱いに注意し(下記参照)、手洗いもしっかりと。感染した人の排泄物や吐いたものにも細菌が含まれるので、床などが汚れた場合は、消毒用のアルコールで仕上げ拭きをするとよいでしょう。

食中毒を防ぐ基本

①肉や魚介類、卵は「中心部の温度が75度で1分間以上」を目安に加熱。

②肉や魚介類を切った後は、包丁とまな板を洗剤で洗ってから次の作業へ。

③調理の前や食前にはていねいに手洗いを。

④作った料理は、時間をおかずにすぐ食べる。

肌トラブル

暑い季節の大敵、肌トラブル。症状ごとに、入念な予防と治療を。

日焼け

■症状

太陽光に含まれる紫外線は、肌の色が濃くなる「サンタン」や肌が赤くなる「サンバーン」を引き起こします。子どもは肌が敏感なので、強い紫外線を浴びすぎるとひどいサンバーンを起こし、ヒリヒリ痛んだり水ぶくれができたりすることがあります。

■治療とホームケア

赤みや痛みがあるときは、ぬれタオルなどでその部分を冷やします。痛みが治まらない場合は皮膚科を受診しましょう。

■予防のためにできること

外遊びは、紫外線が特に強くなる10~14時を避けて。つばの広い帽子をかぶり、日陰のある場所で遊びましょう。屋外で長時間過ごすときは、日焼け止めを使うのもよい方法。めばえっ子には、「ベビー用」「子ども用」の表示があるものを選ぶと安心です。

あせも

■症状

汗をかきやすい背中や首、わきの下、おでこなどに小さな発疹ができます。かゆみのある赤いブツブツと、かゆみのない白く小さな水疱の2種類があります。汗をたくさんかくことで汗腺がつまり、汗が皮膚の内側にたまるために起こります。

■治療とホームケア

広い範囲にできたりかゆみが強かったりする場合は、皮膚科を受診しましょう。病院では、症状に応じて塗り薬が処方されます。アトピー性皮膚炎がある子はあせもが悪化しやすいので、とくに注意が必要です。

■予防のためにできること

汗をかいたらこまめに着替え、毎日の入浴やシャワーで肌を清潔に保つことを心がけます。室温調節にも気を配り、日ごろから汗をかきすぎないように注意します。

とびひ(伝染性膿痂疹)

■症状

傷口や肌をかきこわした部分に、強いかゆみのある水疱ができます。水疱が破れ、中の水分が肌につくことで周囲に広がったり、人にうつったりします。原則として、病院で治療を受け、患部を覆っていれば登園は可能です。

■治療とホームケア

とびひは市販薬では治せないので、症状に気づいたらすぐに皮膚科を受診します。病院では症状に応じて、塗り薬と飲み薬が処方されます。症状が改善しても自己判断で薬をやめたりせず、医師の指示に従って正しく治療しましょう。入浴の際は石けんをよく泡立てて患部も洗い、十分にすすぎます。

■予防のためにできること

虫さされやあせもなどは早めにケアして、かきこわしを防ぎます。爪は短く切り、手洗いもきちんと行いましょう。

虫さされ

■症状

夏に多いのは、蚊に刺されること。刺された部分が腫れてかゆくなるのは、蚊の唾液によるアレルギー反応の一種です。

■治療とホームケア

かきこわすととびひ(上参照)を引き起こすことがあるので、市販のかゆみ止めでかゆみを抑えましょう。薬がないときは、冷やすとかゆみがやわらぐことがあります。

■予防のためにできること

もっとも確実な予防法は、肌の露出を避けること。蚊が多くいそうなところで長時間過ごすときは、長袖・長ズボンが理想です。衣服で肌を覆うのが無理な場合は、虫よけ剤を上手に使いましょう。使用する際は製品の年齢制限や使用回数を守り、スプレータイプのものは、いったん大人の手にとってから肌につけるのがおすすめです。

マスクかぶれ

■症状

マスクをしていると肌が蒸れるため、汗の刺激によるかゆみやあせもの原因になります。また、マスクを外すとこもっていた水分が一気に蒸発し、その際、肌の水分も奪われてしまいます。そのため、頬~口まわりがカサついたり、マスクのひもとの摩擦で耳の後ろにかゆみが起こったりすることもあります。

■治療とホームケア

汗をかいたらこまめに拭く、帰宅したらていねいに顔を洗うなど、肌を清潔に保つことが大切です。症状が気になる場合は、皮膚科を受診しましょう。

■予防のためにできること

子どもの肌はデリケートなので、顔を洗ったり拭いたりするときは、強くこすらないようにします。耳の後ろには保湿剤を塗っておくと、肌を保護することができます。

水いぼ(伝染性軟属腫)

■症状

直径1~5ミリ程度で、中央がややへこんだいぼができます。いぼがつぶれて中のウイルスが肌につくことで、周囲に広がったり他人にうつったりします。

■治療とホームケア

成長して免疫がつくことで、自然に治ります。ただし、治るまでに半年~3年ほどかかったり、水いぼがあると園での水遊びができなかったりすることから、病院で治療することもあります。一般的な治療法は、専用のピンセットでひとつずつつまみとること。麻酔テープなどで痛みをやわらげることはできますが、数が多いと子どもに負担がかかります。治療をするなら、数が少ないうちに始めましょう。

■予防のためにできること

日ごろから清潔&保湿を心がけ、肌を健康な状態に保ちます。

 

記事監修

金井正樹|小児科医

東京都八王子市・金井内科医院院長。「国立小児病院」、米国の小児病院などで小児外科の臨床・研究を行い、2008 年より現職。診療科目は内科、小児科、小児外科、外科。保育園の園医、小・中学校の校医も務める。

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

『めばえ』2021年6月号別冊

イラスト/青山京子 構成/野口久美子

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