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洗面所は、ものが集中する場所です
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
8歳、5歳、3歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは「洗面所の収納」です。
手洗い、お風呂の準備、洗濯、歯磨き、化粧…。朝起きてから夜寝るまで、私たちの日々の暮らしに欠かせない要素が詰まっている洗面所。…ということは、ものが管理しにくい!おまけに水まわりなので汚れやすい!特にこれからの梅雨時期は湿気がこもりがちで、これまでよりも更に衛生面に気をつけたいところ。この機会に洗面所の収納を見直して、スッキリ&スムーズな毎日を送りませんか?
毎日の洗濯は「動線」が命!
毎日行う家事の中でも、洗濯は特に負荷が大きい作業です洗面所に洗濯機が置かれているご家庭が多いと思いますが、洗濯のはじまりから終わりまで、「何を・どこで使うか」を考えてアイテムの置き場所を決めると洗濯がラクになります。そして、使う道具は、洗濯の「前」と「後」で分けると考えやすいです。
洗濯前に使う道具:洗濯カゴ、洗濯ネット、洗剤など。
洗濯後に使う道具:ハンガー、ピンチ付きハンガーなど。
基本的に、ものは「使う場所」のなるべく近くに置く。更に「ワンアクション」で作業できれば尚良し!しかし、それぞれのご家庭の間取りや習慣によって洗濯スタイルはさまざま。毎日自然に行なっている行動を見直して、実際に家の中を動きながらシミュレーションすることをオススメします。今までスルーしていた置き場所の問題点が出てくるかもしれません。
例えば、ご家庭によって洗濯物を干す場所は異なります。洗濯乾燥機にかける、ベランダに干す、室内干しをする、浴室乾燥機にかけるなどそれぞれ。「梅雨時期になると干し方が変わる」という場合は、道具の置き場所もいつもと変えた方がいいかもしれません。洗濯機を置いている洗面所を経由した後、家の中で洗濯物がどう移動するかをしっかり把握して、ムダのない動線にしましょう。
ちなみに、わが家の洗面所は元々狭い上に扉が内開き。残念ながら、洗面所の中に床置きスペースがほとんどありません。洗濯グッズを収納してしまうと出し入れしくく、逆に動線が悪くなってしまうので、洗面所の真向かいの部屋にグッズを置いています。
尚、ハンガーやピンチハンガーはとても絡まりやすいアイテムです。無理にボックスに入れて収納しようとせずに、なるべく使う時の姿、つまり「バーにかける」と絡みにくくノーストレスで使い始めることができます。ちょっとしたことですが毎日の洗濯の時短につながりますので参考にしてくださいね!
洗剤の詰め替え容器は「機能」で選ぶ!
最近は100円ショップや雑貨屋などで、様々な種類の詰め替え容器が販売されています。シンプルな容器に詰め替えて、統一感とスッキリ感を演出する…という様子を目にしたことがありませんか?
実は、最近の洗剤メーカーの容器は技術革新が素晴らしく、特に液体洗剤に関しては純正品の容器は使い勝手がバツグンです。洗剤によって粘度(ねばり)はそれぞれ異なりますが、中身とぴったり合うように作られている容器を選べばまず間違いありません。
計量のしやすさ、注ぎやすさ、液ダレしにくいことで余計な掃除も減ります。そして、純正品のボトルには使用量が書いてあるので使う時に迷いません。洗濯は負荷が大きい作業ですが、自分以外の家族ができるようにしておけば負担が減ってラクになりますね。
ちなみにわが家はというと、液体洗剤は純正品のボトルのまま使用しています。ただし、平行して使っているボール状の洗剤は計量を必要とせず、液ダレもしないタイプ。1個取って洗濯機に放り込むだけなので、片手でパタパタ開閉できる半透明のフタ付き容器に入れています。ワンアクションで取ることができることと、半透明なので残量がわかりやすいことが使いやすさのポイントです。洗剤の詰め替え容器は「機能」を考えて選ぶとノーストレス。それぞれの洗剤に合わせて、本当に使いやすか?を考えてみましょう。
タオルは「使うシーン」を想定した畳み方に!
洗面所にあるものといえば、タオル。洗顔、手洗い、入浴後…。毎日の暮らしに欠かせなアイテムですね。タオルの種類も枚数もご家庭によって様々ですが、もし漠然と置いている場合はこの機会に改めて見直してみましょう。
まずは「本当に必要な枚数」と「実際に洗面所に置いている枚数」を数えてみましょう。洗濯頻度によって必要な枚数は変わってきますが、両者の枚数に差がある場合、数を絞るなど調整が必要です。あまりにくたびれたものや、実は吸水性が悪いなど、使いにくいものは思い切って手放したり、掃除用の雑巾にしてもいいかもしれません。
また、タオルの畳み方も使うシーンを想定するとより合理的です。例えば、わが家は子ども3人と夫婦のどちらかが一緒に入浴します。子ども3人のタオルは一枚ずつ畳む必要はなく、何枚かをまとめて畳んで収納しています。
また、手拭きタオルはタオルバーに横から差し込むので、はじめから長細く畳むことで、タオル交換がとてもスムーズになります。具体的に用途が決まっている場合、このように使うシーンを想定すると、畳むひと手間が減って時短に繋がるのでオススメです。
消耗品ストックは「見える収納」がキモ!
洗面所には本当にたくさんの種類の消耗品が集結します。特に、普段目につかない扉の中に収納されている場合は「無いと思って買ってきたら、たくさんあった!」とか「まだあると思ったら、ひとつもなかった!」など、あるあるですよね。
洗面所で使う消耗品を回転させて在庫管理ミスをなくすには、消耗品ストックを「見えるようにする」ことがポイント。家族の誰が見てもわかるようにしておきます。子どもが歯ブラシを自力で交換できたり、その際に「〇〇の残りが少ないよ!」と教えてくれたら負担が減りますよね。
「見えるようにする」ということは、収納全体を簡単に把握できるようにすること。そのためには、①なるべくボックスを重ねない。②ボックスは中身が見える高さや素材を選ぶ。③細々したものが迷子にならないように適度に仕切る。これがポイントです。
ちなみに。わが家の消耗品ストックの一番手前には、お風呂の排水口用ネットと洗面台のゴミキャッチ用スポンジを袋から出して収納しています。理由は、消耗品ストックを出し入れするよりも、これらを掃除して交換する頻度が高いからです。ただし、手前にこれらを置いても奥のストックが見通せるように配置を工夫しています。
また、洗面所の吊り棚の一番高い場所は手が届きにくいので、深すぎず、持ち手がついた半透明の収納ボックスを使っています。このようにアクセスしやすくしておけば、踏み台を持ってきたり背伸びをすることなく手に取れるので在庫管理しやすくなります。同じ洗面所の中でも、場所によって必要な大きさ、深さなどの条件が異なるので、それぞれの環境に合わせて適切なものを選んでみてくださいね!
身支度グッズ収納は「ワンアクション」を意識して!
洗顔、スキンケア、メイク、ヘアセット、歯磨きなど、様々な身支度が行われる洗面所。特に家族で住んでいる場合は朝の洗面所はとても慌ただしいですね。みんながスムーズに身支度できるようにするには、無駄のない収納が必要不可欠です。
まずは、朝起きてから夜寝るまで「誰が・何を使って・どのような」身支度をしているのかを考えてみましょう。例えば、私は視力が悪いので、朝イチでメガネを外し、コンタクトレンズをつけます。これらの動作がスムーズにアクセスできることがとても大事です。
その日のコーディネートに合わせて洗面所のアクセサリーを選んだり、気分転換でアロマを使う方もいらっしゃるかもしれません。男性の場合は髭剃りをされる方も多いですね。
実際に行う身支度の項目を洗い出したら、使うアイテムの収納場所を決めていきます。個人で使うものはエリアを決めてまとめておくと混ざらずにすみます。共用で使うものは全員が手が届く場所に配置します。ここでも気をつけたいのが「ワンアクション」です。
私が学んだ例として、髪が長い娘のヘアゴムのエピソードをご紹介します。わが家は以前、ヘアゴムを洗面所から離れた別室(子ども部屋)の、しかも引き出しのケースの中に収納していました。お風呂のたびにそこまで戻しに行くことは、娘にとっては難しかったのですが、私としても洗面台の上にほどいたヘアゴムが放置される状況にモヤモヤ。そこで、ヘアゴムを放置しがちな場所のすぐ横、洗濯機の側面に「輪ゴムホルダー」を取り付けたところ、大成功。娘が無理なく戻すことができるようになったのです。
収納は、引き出しに入れるとか、棚の中に入れるだけではありません。収納とは、「ものの住所」を決めること。よく使うものはフックにひっかけたり、そのままポンと置くだけでも立派な収納です。それぞれの行動に合わせた収納場所を考えて、ものが集中する洗面所でも負担なく自然に片づけられる方法を探ってみましょう。
いかがでしたか?今回は「洗面所の収納」をご紹介しました。日々の暮らしに欠かせない、たくさんの要素が詰まった洗面所。その場所を使う人全員が、無理なくストレスのない空間にできるといいですね。参考にしていただけると嬉しいです。