コロナの夏、幼児とのおでかけどうしてる? しっかり備えて楽しいおでかけに【子育てアドバイザー監修】

コロナ禍による外出自粛が続き、今年の夏休みも、家族旅行などはガマンすることになりそうです。でも、「遠出ができない=おでかけができない」ということではありません。身近な場所に目を向けて、「子どものためのおでかけ」を楽しんでみませんか?

幼児が楽しんでいるのはおでかけのワクワクした雰囲気

「おでかけ」というと、つい「テーマパークや観光地に行くこと」と考えてしまいがち。でもこれは、大人の思い込みかもしれません。もちろん、行ったことがないところへ行ったり、初めての体験をしたりするのは新鮮で楽しいもの。でも実は、2~4歳の子どもは、大人ほど「サプライズ」や「イベント感」を求めていません。まわりの大人が上手に演出することができれば、わざわざ特別なところへ出かけなくても「おでかけ」気分を味わうことができるのです。

行き先は、近所の公園でも十分です。
朝早く行って虫取りをしよう!
スケッチブックをもっていって、花壇に咲いているお花の絵を描こう!
おとうさん、おかあさんとボール遊びをしよう!
…と遊び方をかえるだけで、いつもの公園が新鮮な場所にかわるのです。自宅の庭だって、レジャーシートを広げてお弁当を食べれば、立派な「おでかけ先」になるはずです。

大切なのは、ワクワクするような雰囲気づくり。おすすめなのが、おでかけの準備を子どもと一緒にすることです。もちものを選んだり、行った先ですることを考えたり……。「つかまえた虫を入れる虫かごをもっていこう」「公園の広場でボール遊びをしよう」などと思い描くことで子どもの期待はぐっと高まります。また、計画づくりに参加することは、先の見通しを立てて行動する練習にもなるのです。

楽しく遊ぶことは、成長や発達に欠かせません。できれば子どもの興味や好奇心を満たすことも意識しながら、「近場のおでかけ」をひと工夫してみましょう。

ワクワク感アップのために子どもと一緒にできる準備

■自宅から目的地までのルートを、地図でチェックする。
■目的地で何をするかを相談する。
■目的に合わせて、もっていくものを選ぶ。

など。地図が好きならルートの確認、料理が好きならお弁当のおかずを決めるなど、子どもが興味をもっていることについて相談してみて!

おでかけをもっと楽しくする3つのキーワード

子どもとのおでかけには、アクシデントがつきもの。万が一に備えてしっかり準備をしておけば、安心しておでかけを楽しむことができます

キーワード1 計画はゆとりをもって

おでかけのスケジュールを立てる際の基本は、予定を詰め込み過ぎないことです。子連れのおでかけは、予定通りに進まないのが普通。一日の予定は、ややもの足りないかな?というぐらい、ゆとりのあるものにしておきましょう。

とくに公共交通機関を利用する場合は、移動にかかる時間を多めに見積もっておくことが大切です。予定の電車やバスに乗りそこねた場合に備えて、第2、第3の時刻やルートも調べておくようにします。

2~4歳の子の場合、トイレのタイミングも予想しにくいもの。移動の途中や目的地のトイレの場所を、事前にチェックしておくと安心です。とくにおむつを使っている場合は、おむつ替えができるスペースの有無や場所をしっかり確認しておきましょう。

ポイント

■予定を詰め込み過ぎない
■電車などの時刻やルートは、複数の候補を用意しておく
■トイレやおむつ替えができるスペースを確認

キーワード2 健康管理は慎重に

当日は、子どもの体調の見きわめをしっかりと。体調がよくない場合は無理をさせず、おでかけは延期しましょう。

呼吸の妨げになるため、2歳未満の子にマスクは不要です。マスクによる感染防止効果が期待できるのは、2m以内に家族以外の人がいる場合。2歳以上であっても、周囲に人がいない屋外や、家族だけで過ごす場ではマスクをつける必要はないでしょう。暑い季節は、マスクが熱中症の原因になることもあるので注意が必要です。

熱中症予防の基本は、こまめな水分補給。のどの渇きを訴えなくても、30分に一度を目安にお水や麦茶を飲ませましょう。糖質や塩分を含む経口補水液が必要なのは、脱水の疑いがある場合。予防のための水分補給は、お水などで十分です。

ポイント

■家族以外の人とは2m以上の距離を保つ
■マスクをつけている場合は、子どもの様子を慎重に見守る
■30分に一度は、お水や麦茶などで水分補給を

キーワード3 迷子対策は仕込みが肝心

幼児に多いのが、迷子のトラブルです。一緒にいる大人がどんなに気をつけていても、一瞬、注意がそれた間に姿が見えなくなってしまうようなこともあります。親が目を離さないようにするのはもちろんですが、万が一の場合に備えて準備しておくことも必要です。

迷子になるのを防ぐため、外出する際の洋服や帽子は派手な色のものを。人混みだけでなく、自然の風景の中でも目立つ赤や黄色などがおすすめです。

出発前には、子どもの全身写真を1枚。迷子になって捜索を依頼する際、服装などの特徴を伝えるのに役立ちます。小さい子どもは、パニックになると自分の名前なども言えなくなることが珍しくありません。洋服のタグなどに名前を書いておくとよいでしょう。

ポイント

■迷子を防ぐため、洋服や帽子は派手な色のものを
■出発前に、服装などがわかる全身の写真を撮っておく
■洋服のタグなど、外からは見えないところに名前を書いておく

幼児のための もちものチェックリスト

外出先で必要になりそうなものは、きちんと準備していくと安心!

■飲みもの    ■おやつ
■着替え一式   ■脱ぎ着しやすい羽織りもの
■大判のスカーフ(寒さ対策や、人目を遮りたいときの目隠しにも)
■タオル     ■おしりふき(手ふき・汗ふきとしても使用)
■おむつ(普段はパンツの子も、念のためもっていくとよい)
■おむつ替えの際に下に敷くシート(防水性のあるものがおすすめ)
■携帯用トイレ(マイカー移動の場合)
■母子手帳    ■抱っこひも
■日焼けどめ   ■虫よけ、虫さされの薬
■アルコール除菌剤■おもちゃや絵本など
■ポリ袋     など

おでかけの疑問Q&A

Q, マイカー移動で注意したいことは?

A, こまめに休憩をとり、体調チェックと水分補給を。車に乗り降りする際は、飛び出しやドアに手をはさむ事故などに注意しましょう。

Q, 電車の中で騒ぎ出したら?

A, 知らん顔はNG。周りへのアピールも兼ねて「静かにしようね」などと、言葉に出して注意します。おさまらない場合は、いったん下車を。

Q, 荷物のつめ方のコツは?

A,「おむつ、おしりふき、ポリ袋」「着替え一式とタオル」などは、ひとつにまとめておくと、必要なときにさっと取り出せて便利です。

Q, 子どもの新型コロナウイルス対策は?

A, 子どもの感染の多くは、他の子どもからではなく、家族からの感染。まずは身近な大人が、手洗いなどを徹底して感染を防ぐことが大切です。

おでかけの前日は早寝させたほうがいい?

普段寝ている時刻の1 ~ 2 時間前は、もっとも眠くなりにくいといわれています。おでかけの出発時刻が早い場合も、早く寝られなければいつもの時刻に寝かせて、早起きを。途中で眠くなったら、電車や車での移動中に寝かせましょう。

 

記事監修

子育てアドバイザー
田中淑恵さん

助産師、保健師、看護師、鍼灸師、キャラ診断インストラクターの資格をもち、世田谷区訪問指導員として「赤ちゃん訪問」事業に携わる。

『めばえ』2021年8月号別冊 イラスト/もり谷ゆみ 構成/野口久美子

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

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