SDGsという言葉を最近よく聞きますが、実際に暮らしの中で取り入れている人は少ないかもしれません。
「何からやればいいのか分からない」「ちょっと難しそう…」興味はあるものの実行に移せない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、食卓の生ゴミを減らしながら、美味しくて体にいい献立てがつくれる“べジブロス”の活用法についてご紹介します。
目次
べジブロスって何?
ベジブロスとは、ベジ=野菜・ブロス=出汁。つまり、野菜出汁の略です。いままで生ごみとして捨てていた野菜の皮や種などを活用するという画期的な出汁とり法。このべジブロスを30年余り推奨し続けているのが、人気料理家のタカコ ナカムラさんです。タカコ先生に基本のべジブロスのとり方と、健康レシピを教えていただきました。
お話をうかがったのは
タカコ ナカムラさん
安全な食と暮らしと農業、環境を考えるホールフードを提唱。2006年「タカコ ナカムラ ホールフードスクール」開校。08年福岡校を開校。「べジブロス」「50℃洗い」「塩麹」「スーパーフード」など食のトレンドを発信する注目の料理家。安全な食材、オーガニック食材を使って健康な料理レシピ開発や発酵食に 関する食品開発に定評がある。著書多数。
べジブロスの優れたメリット
まずは、タカコ先生にべジブロスの良さについてうかがいました。
べジブロスのメリットは、大きく分けて5つ!
・ファイトケミカルが多い
・生より煮出すのが効果的
・単独の野菜より複数がベスト
・美容と健康効果が高い
・食品ロスを減らせる
べジブロスは、ファイトケミカルの含有量が高いことで知られています。ファイトケミカルとは、植物に含まれる天然の化学物質のこと。健康効果が抜群に高いことが多くの医師からも絶賛されています。
例えば、免疫力増強・新陳代謝アップ・アルツハイマー予防・がん予防など。美容効果でいえば、体重減少・アンチエイジングや美肌効果などが期待できるとか。しかも! 今まで捨てていた野菜の皮や種にファイトケミカルが多いことが研究結果からも分かっています。
今まで捨てていた野菜の皮や種にそれだけの抗酸化力があると分かったら、見る目が変わってきますよね。
トマトの赤い色素リコピンや、人参のカロテンなどがフィトケミカルの仲間です。他にも、ぶどうやナスなどの紫の色素アントシアニンや、カレーに欠かせない香辛料ターメリックにはクルクミンと呼ばれるフィトケミカルが豊富に含まれています。
このように「食材の秘めたる抗酸化力を余さず煮だして出汁にしてしまおう!」というのが、タカコ先生のべジブロスの考え方です。つまり、色の違う野菜の皮や種をたくさん煮出すことでファイトケミカルが倍増。食材を無駄なく使うことで食品ロスも減らせます。べジブロスで、気がつけば体にも環境にも優しいサイクルができてくるというわけです。
さぁ、べジブロスをとってみよう!
べジブロスは、どうやって作ればよいのでしょうか?
「べジブロスは改良を重ね続けていますが、大定番の基本のべジブロスを教えますね。野菜の優しい甘さを味わえる万能出汁なので、ぜひ作ってみてください」
べジブロス
材料(作りやすい分量)
野菜の皮や根っこ…両手いっぱい分(よく洗い、水けを切っておく)
水…1300ml
酒…小さじ1
作り方
1.鍋に水と野菜の皮や根っこを入れる。
2.①に酒を加えて弱火にかける。
3.野菜が踊らないようにコトコトと30分ほど煮込む。
4.ザルで濾す。
5.黄金色の出汁ができあがり!
※べジブロスをとる量が多い場合は、はじめは強火にかけて沸いてきたら弱火で30分ほど煮込む。ずっと強火で煮込むと野菜が煮崩れ、澄んだスープにならないので注意してください。
べジブロスがとれたら、まずは一口飲んでみてください。野菜のほんのりとした甘みが感じられるはずです。
特におすすめなのは、玉ねぎの皮。玉ねぎの皮には抗酸化力の高いケルセチンが豊富に含まれているんです。玉ねぎの皮だなんて、今まで捨てていた方が多いのでは?お茶パックに入れて煮出すだけでも、黄金色のコンソメスープのような色合いになるので、料理がきっと楽しくなります。他にも、好みのお茶に玉ねぎの皮を入れて煮出すといいです。とても有効にケルセチンを摂取できるので、無駄なく活用してくださいね。
べジブロスを料理に活用する
次にべジブロスを使った料理を作ってみましょう。野菜でとった出汁にさらに細かく切った野菜をたくさん加えたミネストローネは絶品です。
ミネストローネスープ
材料:2人分
玉ねぎ…1/2個
ズッキーニ…1/2本
じゃがいも…小1個
トマト…中1個
にんにく(みじん切り)…1片
べジブロス…500cc
オリーブオイル…適量
塩、こしょう…各少々
イタリアンパセリ…適宜
作り方
1.野菜は、すべてさいの目に切る。
2.鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて火にかけ、香りが出たら玉ねぎを加える。塩少々を加え、玉ねぎが透明になるまでよく炒め、その他の野菜とべジブロスを加えてフタをする。沸騰したら、弱火にして野菜がやわらかくなるまで20分ほど煮る。
3.野菜に火が通ったら、塩、こしょうで味を調える。器に注ぎ、好みでイタリアンパセリを添える。
50℃洗いで「安全・安心」な野菜を使おう
べジブロスは、無農薬や有機の野菜を使うのがベストですが、難しい場合に試して欲しいのが、「50℃洗い」です。
「50℃洗いとは、その名の通り50℃で食材を洗う下処理法。水で洗うより、汚れや雑菌が落ちやすくなります。お湯は50℃前後(±2℃程度)の温度帯で洗うのが理想的。3~5分ほどお湯につけながら泥や汚れを落とします。小さな虫やアクは、目では見えないので、こすりながら洗うようにしましょう」
SDGsのキーワードは「飢餓」
SDGsは、「17のゴール(目標)と「169のターゲット(具体目標)で構成されています。その中で2番目の目標に掲げられているのが「飢餓」。SDGsでは、「飢餓を終わらせ、食料安全保障・及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を推進する」ことを目指しています。それだけ、世界的にみて飢餓の問題が深刻だということです。
日本は、食品ロスが年間約621万トンにも。日本人一人当たり毎日お茶碗1杯分を捨てているという事実をご存じでしょうか? 食品ロスを削減する取り組みは、べジブロスにもリンクしています。タカコ先生にべジブロスへの思いについて聞いてみました。
べジブロスで持続可能な社会を作ろう
「べジブロスをはじめられたきっかけは、まじめに農業をされている生産者の方々が作った野菜を余さずいただきたいと思ったからでした。それが、医師による数値検査で免疫力を高めるファイトケミカルが豊富なことが分かったのです。野菜を美味しく無駄なく食べ切れば食品ロスも自然と減らせます。
SDGsの17の目標も、全て根っこは繋がっている問題であると思っています。べジブロスを通して、持続可能な社会を作るきっかけになることが長年の願いです。何より、無添加のべジブロスは理屈抜きで美味しいから続けています」
食と環境への取り組みをされているタカコ先生の言葉には、学ぶことがたくさんあるのではないでしょうか? 美味しいべジブロスで食品ロスを減らしながら、持続可能な社会への取り組みに貢献できたら素敵ですよね。
べジブロスに興味がある方は、タカコナカムラ先生の著書を読んでみるのもおすすめです。今回は、2冊セットで5名様にプレゼントします!
タカコ ナカムラ先生の「べジブロス」本をプレゼント
2冊セットで5名様にプレゼント!
皮も根っこもまるごといただく奇跡の野菜だし
べジブロス~ファイトケミカルで免疫力アップ!
1200円(税別)
野菜・魚・鶏肉の栄養とうま味を“まるごと”いただく奇跡のだし
べジブロス~美と免疫力アップでサビないカラダ~
1500円(税別)
↓↓↓↓↓ご応募はこちらから↓↓↓↓↓
※抽選の結果、当選された方には「皮も根っこもまるごといただく奇跡の野菜だし
べジブロス」「野菜・魚・鶏肉の栄養とうま味を“まるごと”いただく奇跡のだしべジブロス」 がプレゼントされます。
※この賞品に応募される場合、事前に発送先となる個人情報の入力と、アンケートへの回答が必要となります(応募時に賞品送付先ご登録フォームとアンケートフォームのご案内があります)。
■応募締切日:2021年 8月14日(土)
■抽選方法:ご応募いただいた月の翌月以降、HugKum編集部にて抽選を行います。
■発送方法:日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便などの配送業者より発送させていただきます。配送希望日時はご指定いただけません。
■個人情報および特定個人情報の適正な取り扱いに関する基本方針:こちらをご覧ください。
<注意事項>
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。落選の方へのご連絡はいたしておりません、ご了承ください。
※応募はお1人様1回とさせていただきます。
※お届け先住所をご登録いただけなかった場合や、ご登録内容に誤り等があった場合には、抽選対象から除外させていただきます。
※抽選に当選された場合、賞品はご応募いただいた日の翌月以降の発送となります。
※賞品の発送は日本国内に限らせていただきます。
構成・取材/たべごとライター川越光笑 撮影/佳川奈央
企画協力/パンローリング株式会社 SDGs参考資料/外務省国際協力局