小学一年生のお子さんにとっては、小学生になって初めての夏休み。 今回は夏休み特有の「ひとりきりで留守番」「子どもの友達が頻繁に来る」といったお悩みについて、先生にうかがいました。
Q:留守番を嫌がります。
一日3~4時間程度のパート勤務です。子どもが学校から帰る時間には帰宅できますが、夏休みになり、子どもが家にいる時間が長くなってしまいました。お昼は娘と一緒に食べるようにして、午前か午後のどちらかの勤務にしてもらいましたが、娘が「ひとりで家にいるのが嫌だ」と言うようになりました。「何時に帰るからね」と言いふくめて出かけますが、少しでも遅くなると「遅い」と怒ります。どうしたら留守番を嫌がらなくなりますか。 (S・Yさん)
A:留守番の約束と楽しみを作りましょう。
子どもが留守番を嫌がるのは、心細かったり、怖かったり、おうちの人が誰もいない不安が強いのだと思います。子どもの気持ちをしっかり聞き取り、どうしたら留守番ができるか親子で話し合うことが大切です。
まずは留守番の理由を子どもに伝えましょう。「あなたがお家で待っている間、仕事をしたい」「だから〇時から△時まで待っていてほしい」などと具体的に伝えることで、留守番に対する漠然とした不安が和らぐでしょう。
次に、留守番の楽しみを作りましょう。例えば、普段は見せないアニメ映画のDVDを借りてきたり、子どもの大好物を用意してもいいですね。「お母さんがいないときの楽しみ」を作るのがポイントです。
そして、留守番の約束は必ず決めておきましょう。「玄関のチャイムがなっても絶対に出ない」「電話には出ない」といった不安な要素を取り除く約束がひとつ。それから、火災や地震などの災害時にどうするか、困ったときは誰に助けを求めるか、といったことも決めておきましょう。留守番の約束は親御さんの携帯電話の番号とともに書き出して、見やすい場所に貼っておくといいですね。
留守番は、最初短い時間から始めましょう。15分、30分、1時間と少しずつ延ばしていきます。そして帰ったらうんとほめましょう。「お留守番してくれてありがとう。助かったわ」とお子さんをギュッと抱きしめてあげてくださいね。
Q:わが家が託児所みたいに!? 頻度を減らすには?
小学校の下校時に毎日遊ぶ約束をしてきて帰宅します。最初は新しい友だちができたことをうれしく思い、自宅で遊ぶことを許していました。けれど、毎日友だちが来るようになってしまいました。私が仕事をしていないこともあり、放課後の託児所のようです。私自身は子どもが大好きですし、息子の友だちもみんないい子たちです。せっかく遊びに来たのに追い返すのもかわいそうです。家で遊ぶ頻度を減らす良い方法はないでしょうか。(MMさん)
A:ほかの場所で遊べる提案をしましょう。
わが子に仲のいい友だちがいるのは、親として喜ばしいことです。けれど、毎日家に連れてくるとなると、用事のあるときは困りますよね。MMさんもそこが一番の悩みどころではないでしょうか。
たしかに、来てしまった子を追い返すのは心苦しいですよね。けれど、そこはズバリ言ってもいいと思いますよ。「今日は用事があるから、うちで遊べないの。ごめんね」と。子どもは「そうなんだ」と納得してくれますよ。
前もって予定がわかっているときは、お子さんに伝えましょう。「この日とこの日は遊べないからね」と伝えればいいのです。遊びに来る頻度を減らしたいのであれば、遊べる曜日を決めておくと子どもたちもわかりやすいですよね。
いつも家の中で遊ぶのが気になるようでしたら、屋外で遊ぶようにうながす手も。「明日は天気がいいから、公園でサッカーするのはどう?」などと、遊びを具体的に提案するのです。子どもは楽しそうだと思えば、喜んで提案に乗りますよ。
日ごろから「託児所のようになっている」のであれば、夏休みの今はどうでしょう。ますます遊びに来る頻度も増えてしまっているかもしれませんね。「うちで遊ぶのはかまわないけど、次は○○くんのおうちで遊ぶのはダメかな? お母さんに聞いてみてね」などと相談してはどうでしょう。付き合いのあるママ友なら、直接相談してもいいですね。遊びに来る友だちの親御さんは、MMさんに感謝していると思います。そこはお互いさまですから、快諾してくれると思いますよ。
\私がお答えしました/
藤田 敦子 先生
ほめて認める独自の「ぺたほめ®子育て術」を提唱し、テレビ出演・出版・講演などで大活躍の子育てアドバイザー。「ぺたほめ®子育て術」によって成長した二人の息子は、最難関大学・京都府立医科大学医学部医学科に現役合格。著書に『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(講談社)。藤田敦子オフィシャルブログ https://ameblo.jp/petahome/
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年9月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 撮影/黒石あみ(小学館写真部) 構成/天辰陽子