2位はしつけで1位は?親が感じる「子育ての悩み」ワースト5と解決策

子育ては何にも代えがたい喜びを与えてくれますが、一方で特有の悩みもあります。しかも周りの家庭はなんだか上手にやっているように見えて、自分だけが悩んでいるかのようにも思えてしまいます。

そこで今回は、子育て中の保護者がどのような悩みに直面しているのか、まとめてみました。「悩んでいるのは自分だけじゃない」と分かれば励ましにもなるはず。併せて悩みに対する解決策のヒントも紹介しています。ぜひともチェックしてみてくださいね。

 

アンケート調査で判明!「子育ての悩み」最多は子どもの勉強

子育てにはさまざまな悩みがつきもの。では実際に子育て真っ最中の保護者は、どのような悩みに直面しているのでしょうか。子どもの性別、年齢によって悩みの種類は変わってくるはずですが、まずは総論として子育ての悩みを探っていきましょう。

文部科学省からの委託でインテージリサーチが平成29年3月に行った調査に、平成28年度「家庭教育の総合的推進に関する調査研究~家庭教育支援の充実のための実態等把握調査研究~」があります。全国に住む20~54歳の父母3,000人に対して行った調査で、子育ての喜びや悩みについての実態が明らかにされています。同調査によると、子育てに悩みや不安を感じている人の割合は、

  • 男性:34.0%
  • 女性:47.6%

となっています。この数値を見ると、「え、こんなに少ないの?」「半分以上の人が悩みや不安がないの?」と感じてしまうかもしれません。しかし、男性には50.0%、女性には46.8%の割合で、「悩みや不安はあまりない」という人が存在しています。「あまり」と回答した人も含めると、

  • 男性:84.0%
  • 女性:94.4%

が何らかの悩みを抱えている計算になりますよね。なんとなく実感に近い数値になってきました。

保護者が感じる子育ての悩みの種類は?

では、具体的に保護者はどのような問題に悩み、不安を感じているのでしょうか。上述の調査では、子育てについての悩みや不安内容も回答者に聞いています(複数回答可)。上位に入った悩みをランキングにすると、

子育てについての悩みや不安ランキング

  • 第1位・・・子どもの勉強や進学(59.9%)
  • 第2位・・・子どものしつけやマナー(47.4%)
  • 第3位・・・子どもの健康や発達(40.7%)
  • 第4位・・・子どもの教育費(39.1%)
  • 第5位・・・子どもの性格や癖(34.7%)

といった回答になっていました。6位以下は、子どもの友人関係(14.9%)、子どもとのコミュニケーション不足(11.5%)、親として子どもの反抗的な態度への対応が分からない(11.2%)、親として子どもの気持ちが分からない(8.8%)、子どもの生活の乱れや非行(7.6%)、子育てへの家族の協力が得られない(6.7%)、子どものいじめ(5.1%)が続きます。

 

幼児は?小学一年生は?「子育ての悩み」年齢別ランキング

上述の結果は、子どもの年齢関係なく、20~54歳の父母3,000人を対象としたアンケートの回答になります。乳幼児を育てる保護者と、高校生の子どもを育てる保護者では、悩みは全く異なってくるはず。例えば乳児を育てる保護者が、子どもの進学に本気で悩んでいるとは考えにくいです。そこで次は、子どもの年齢別に保護者がどのような悩みを感じているのか調べてみました。

赤ちゃんの子育て悩み相談ランキング

最初は末子が赤ちゃんの時期に親が感じる悩みを見ましょう。参考になる情報は、ミキハウスが2018年に行った子育ての悩みに関するアンケート調査。有効回答数は4,968人で、回答者は子持ちのママ(一部パパ)、あるいは妊娠中の女性となっています。回答者の子どもの86.4%が1歳未満ですから、赤ちゃんを育てるママの実態が分かる調査ですね。同調査には「子どもの育て方に関する悩みについて」という質問があります(複数回答可)。悩みとして挙げられた回答の上位は、

  • 第1位・・・子どもの生活リズム(61.5%)
  • 第2位・・・子どもの食事(50.7%)
  • 第3位・・・しかり方(42.2%)
  • 第4位・・・抱っこしないといけないケースが多い(41.1%)
  • 第5位・・・夜泣き(31.9%)

とあります。子どもの寝入りが遅い、食事を食べてくれない、赤ちゃんをどのようにしかればいいのか分からない、抱っこばかりで疲れる、夜泣きに悩まされるといった悩みが多い様子。ちなみに第6位以降は、教育/習い事(28.2%)、おむつかぶれ(22.1%)、子どもの性格(22.1%)、子どもの遊ぶ場所(20.9%)と続きます。

小学生・中学生の子育て悩み相談ランキング

次は小中学生の子どもを育てる親の悩みをチェックしてみましょう。内閣府が主導し、一般社団法人新情報センターが実施した調査「平成25年度 小学生・中学生の意識に関する調査」の第2章では、小中学生を育てる保護者2,487人を対象とする調査が行われています。その中では、

  • 心身の病気
  • 非行や問題行動
  • 友人関係
  • 勉強や成績
  • 進学や受験
  • 基本的な生活習慣やマナー・礼儀が身についていないこと
  • 子どもの気持ちが分からないこと

といった項目に対して、小中学生の保護者がそれぞれどの程度不安を感じているかが明らかにされています。不安と悩みは厳密にイコールではないかもしれませんが、不安に思うと回答した保護者が多かった項目を順番に並べると、

  • 第1位・・・進学や受験(56.0%)
  • 第2位・・・勉強や成績(49.3%)
  • 第3位・・・基本的な生活習慣やマナー・礼儀が身についていないこと(34.5%)
  • 第4位・・・友人関係(29.6%)
  • 第5位・・・子どもの気持ちが分からないこと(22.2%)

といった結果になっています。子どもが乳幼児のころと比べて、一気に進学や受験、勉強や成績など学業の問題がトップに躍り出ていると分かります。続いて子どもの心身の病気(20.9%)、非行や問題行動(13.9%)といった問題が続いていました。

高校生の子育て悩み相談ランキング

最後は高校生を持つ保護者の悩みを調べてみましょう。東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が行った調査「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」では、小学校1年生から高校3年生の保護者16,776人を対象に大規模な調査が行われており、小学生、中学生、高校生の保護者の悩みや気がかりが明らかにされています。同調査によれば、小学生から高校生まで全学年の保護者に通じて、

  • 子どもの整理整とん、片付け

が悩みや気がかりのトップに来ています。今までの調査で言及されていない悩みでしたが、「分かる~」とひざを打っている保護者も多いかも。高校生を持つ親に限って、保護者が持つ子どもの悩みの内容を見ると、

  • 第1位・・・整理整とん・片付け(52.4%)
  • 第2位・・・携帯電話やスマートホンの使い方(52.0%)
  • 第3位・・・進路・学校選び(51.5%)
  • 第4位・・・学校の成績(35.7%)
  • 第5位・・・受験勉強(32.8%)

となっています。子どもに直接関係する悩みではないため、あえてランキングから外しましたが、自分の家庭の経済状況に対する悩みの割合(37.4%で本来なら上述のランキングで第4位)が、高校生の親の中で大きくなっている様子も同調査から見てとれます。

携帯電話・スマートホンの使い方については、小学生低学年、小学生高学年の保護者には極めて少ない悩みですから、年齢特有の問題だと分かります。

 

男の子と女の子に特有の、子育ての悩みとは

今までは子どもの年齢別に保護者の悩みを見てきました。では子どもの性別で、保護者の悩みは異なってくるのでしょうか。

子育ての悩み「男の子」編

残念ながら、子どもの性別による保護者の悩みの違いを明らかにした調査は、見当たりませんでした。しかし、ベネッセが教育情報サイトに男の子の子育て、女の子の子育てに特有の問題を取り上げています。例えば男の子が成長し、幼児、児童などになると、

  • 自我も力も強くなり、抱っこしてなだめようにも通じない
  • 遊び方が大胆過ぎる
  • こだわりが強い

などの特徴が見られ、親が手を焼く場面が増えると一般的に考えられるそう。

子育ての悩み「女の子」編

一方の女の子に関しては、

  • お風呂など父親との距離感
  • ブラジャーを着けさせるタイミングなど、性の問題
  • 「女の子」らしくない振る舞い

などが保護者としては成長につれて問題になってくるとされています。「子育ての悩み」として、子どもの性別、年齢に関係なく、

  • 第1位・・・子どもの勉強や進学(59.9%)
  • 第2位・・・子どものしつけやマナー(47.4%)
  • 第3位・・・子どもの健康や発達(40.7%)
  • 第4位・・・子どもの教育費(39.1%)
  • 第5位・・・子どもの性格や癖(34.7%)

といった問題に親は直面していると先ほど記事内で紹介しました。男の子、女の子に特有の悩みは、第2位の子どものしつけやマナー、第3位の子どもの健康や発達に分類されそうですね。性が関係した問題は、中学生、高校生を持つ保護者の中でも、大きな割合を占めていくと予想されます。

子どものライフステージ別のお悩み

子どもを持つ保護者には、一般的に子どもの勉強や進学(59.9%)、子どものしつけやマナー(47.4%)、子どもの健康や発達(40.7%)、子どもの教育費(39.1%)、子どもの性格や癖(34.7%)などが悩みとしてあると紹介しました。子どものライフステージ別に見てきた悩みをまとめると、

(赤ちゃん)

  • 第1位・・・子どもの生活リズム(61.5%)
  • 第2位・・・子どもの食事(50.7%)
  • 第3位・・・しかり方(42.2%)
  • 第4位・・・抱っこしないといけないケースが多い(41.1%)
  • 第5位・・・夜泣き(31.9%)

(小中学生)

  • 第1位・・・進学や受験(56.0%)
  • 第2位・・・勉強や成績(49.3%)
  • 第3位・・・基本的な生活習慣やマナー・礼儀が身についていないこと(34.5%)
  • 第4位・・・友人関係(29.6%)
  • 第5位・・・子どもの気持ちが分からないこと(22.2%)

(高校生)

  • 第1位・・・整理整とん・片付け(52.4%)
  • 第2位・・・携帯電話やスマートホンの使い方(52.0%)
  • 第3位・・・進路・学校選び(51.5%)
  • 第4位・・・学校の成績(35.7%)
  • 第5位・・・受験勉強(32.8%)

などが、代表的な悩みだと紹介しました。それでは、こうした問題に直面したとき、親としてはどのような対処をすればいいのでしょうか。親本人が自分の親(子どもから見れば祖父、祖母)に相談するという手もありますが、やはり知恵を持つ専門家の助言も大いに参考にしたいです。

身の回りに気軽に面と向かって相談できる専門家が居なくても、世の中にはすでに育児に関する良書がたくさんあり、考えるヒントを与えてくれます。そこでHugKumの編集部に在籍する村上奈穂さんに、運営元の小学館が過去に出版した書籍の中から、子育てに関する良書をお悩み別にセレクトしてもらいました。

小学館HugKum編集部がプッシュする子育て良書

〇「うちの子の勉強が心配!」小中高生の学習の悩みに効く本は?

最初は学習の悩みに効く本から。子どもが小中学生になってからはずっと、子どもの学力に関する悩みが続きます。さまざまな場所で言われている通り、子どもの読書習慣と学力には相関関係があると考えられていますから、早いうちから本を読む子どもに育てたいです。

『できる子は本をこう読んでいる 小学生のための読解力をつける魔法の本棚』

中島克治著(小学館)

その分野の良書としてプッシュしてもらった本が、上述の書籍になります。麻布学園国語科教諭が書いた本で、

<読書は学力を高める近道>(上述の書籍より引用)

といった章には、読書の効能や本を読む子に育てる方法などが書かれています。大前提はまず、親本人が読書を楽しむ大切さも指摘されています。自分は読書をしないのに、子どもにばかり「少しは本を読みなさい」などと言っている場合には、真っ先にチェックしたい書籍かもしれませんね。

〇「整理整とんや片付けが全然できない!」子どものしつけやマナーの悩みに効く本は?

次は、整理整とんなどしつけやマナーの悩みに何らかのヒントを与えてくれる良書になります。子ども部屋が自分の思ったように片付いていないと、

「また、散らかして!」

などと怒ってしまいますが、

『怒らないですむ子育て そのイライラは手放せます』

水島広子著(小学館)

では、子どもに過剰な期待をかけ、その期待通りになっていない現状に怒る親の心理が分かりやすく書かれています。子どもにしつけやマナーを身につけさせる場面で、イライラしてつい怒鳴ってしまうという人は、繰り返し読みたい良書になりそうですね。

〇「就寝が遅いし夜泣きもひどい!」乳幼児の健康や発達の悩みに効く本

子育ては悩みの連続です。特にわが子が乳幼児のころは、親自身も子育ての経験が浅く、知識も少ないため、ちょっとしたイレギュラーな出来事に右往左往してしまいますますし、自分の育児に「本当にこれでいいのかな」と不安を感じる瞬間も多いはずです。その場合は、

『0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児』

サリー・ウォード著、汐見稔幸監修、槙朝子訳(小学館)

が、乳幼児の育児教科書になってくれます。2001年に初版が発行されて以来、2018年4月21日の段階で第33刷が発行されているロングセラーの良書です。保育所、幼稚園など保育・教育の現場に置いてある光景を、筆者は目にした経験もあります。年齢や月齢ごとの子どもの特徴を知り、成長に合わせる形で上手にわが子にかかわってあげたいですね。

〇「うちの子は何を考えているか分からない……」子どもの性格や癖、気持ちの問題に効く本

子どもの気持ちとお母さんの気持ちがすれ違う、子どもが何を考えているのか分からないなど、わが子に育てにくさを感じてしまうなどの瞬間は、長い子育ての中できっとあるはずです。わが子の幸せを願うからこそ、強く求めて、強くしかってしまい、後になって自己嫌悪に陥ってしまう……、よくある悩みですよね。そのような迷いの日々に効く本として、

『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます 子育てに悩んでいるあなたへ』

柴田愛子著(小学館)

『佐藤初女さんの心をかける子育て 子どもと心を通わせるための7つの質問』

佐藤初女著(小学館)

といった良書があります。特に後者の書籍は、2011年に出版されてから、2018年8月8日に第7刷が発行される人気の書籍です。佐藤初女さんはお亡くなりになった今でも、若いママたちからおばあちゃん世代にまで絶大な人気があります。

 

子育ての悩みを無料で電話相談できる場所があるって本当?

子育ての悩みは結局、家族の協力の中で、親自身も学び、少しずつ解決していくしかないのかもしれませんが、もちろん外部の専門家に相談する手もあります。関連記事「24時間365日OK「育児と子育ての悩みを無料相談」できる電話窓口があるって本当?」でも紹介した通り、全国には自治体の無料電話相談窓口があり、場所によっては24時間、たいていの場合は平日の9時から17時などの間に、子育ての悩みに関する相談を受け付けてくれます。

子育ての悩みを電話で聞いてくれる大阪の相談場所は

例えば大阪の場合は、上述の関連記事で示した通り、政令指定都市である大阪市だけを見ても、各区内に地域子育て支援センターとつどいの広場があって、前者が市内で計34カ所、後者が計78カ所も用意されています。

子育ての悩みを電話で聞いてくれる東京の相談場所は

もちろん、東京にも相談場所は豊富に存在しています。例えば東京なら千代田区に(平成28年9月1日の時点)地域子育て支援拠点(子育て広場事業)の施設が6カ所、中央区に7カ所、港区に15カ所といった感じで、各地域に相談窓口が設けられています。

大阪や東京などの大都市でなくても、全国の自治体には津々浦々、地域支援センターが存在し、それぞれのルールで子育てに関する助言を与えてくれます。知り合いには相談しにくい問題も、かえって第三者の立場である地域支援センターであれば、言いやすいという状況もあるかもしれません。

「子育ての悩みは、子どもが何歳になっても尽きない」と、先日ご年配の方に話を聞く機会がありました。悩みが家庭内で抱えきれない状態になるくらいなら、早めに上述のような電話相談窓口も利用したいですね。

文/坂本正敬 写真/繁延あづさ

 

【参考】

家庭教育の総合的推進に関する調査研究~家庭教育支援の充実のための実態等把握調査研究~ – 株式会社インテージリサーチ

ミキハウス「子育ての悩み調査」から見えたママ・パパの子育ての現実 : 出産準備サイト – ミキハウス

平成25年度 小学生・中学生の意識に関する調査 – 内閣府

子どもの生活と学びに関する親子調査2015 -東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究

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