「泰然自若」「老若男女」読めない大人が急増中!【四字熟語 読み方テスト】

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漢字の意味がわかれば、熟語の意味も推察できるのが日本語の便利なところ。でもそのせいで、よく見かけるけれど正しく音読できない言葉も多かったりします。今回はまちがいやすい「若」の字を含む四字熟語をチェックしましょう。

さっそく読み方チェックです。

「泰然自若」の読み方は?

以下の四字熟語、正しく読めますか?

「泰然自若」の意味は?

読み方と同時に、意味も確認しておきましょう。

落ち着いて物事に動じない様子。

出典:『小学館 四字熟語を知る辞典』

「泰然」は単独でも上記の意味で用いられ、「泰然として」「泰然たる~」などと使われるので違和感はありませんが、意味のうえで引っかかるのは「自若」の部分ではないでしょうか。

「自若」って?  自分が若いってこと?  どうして上のような意味になるの?  と疑問に思う人も多いようです。

「自」は「もともと」の意味を表します。「自明」(=最初から明らか)の「自」と同じです。また、「若」は「然」と同じで「~の様子」を表します。したがって、「自若」はもとのままの様子、ということになります。

出典:『小学館 四字熟語を知る辞典』

「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」という語も、分解すれば「傍(かたわ)らに、人が無いかの若(ごと)し」で、「若」は様子を表す意味で使われていますね。

それでは「若」を含む別の四字熟語についてもチェックしておきましょう。

「老若男女」の読み方は?

こちらは正しく読めるでしょうか。

意味は、読んで字のとおり。ここでの「若」は、広く知られている「若い」という意味で使われています。

老人、若者、男性、女性、すべての人。

出典:『小学館 四字熟語を知る辞典』

読み方がちがう理由は…?

「泰然自若」では「じゃく」と呼んだ「若」の字が、こちらでは「にゃく」となっています。

これはちがう意味で使われているからでも、「じゃく」が訛ったわけでもありません。むしろ「じゃく」よりも「にゃく」という読み方のほうが古くからあったと考えられています。

「じゃく」は同じ音読みでも漢音と呼ばれるもので、7~8世紀に遣隋使・遣唐使・留学生などによって中国から伝えられたもの。いっぽう「にゃく」は呉音と呼ばれるもので、それ以前に古くから日本に伝わっていた読み方とされます。

そう考えると「男」も「だん」(漢音)よりは「なん」(呉音)が、「女」では「じょ」(漢音)よりも「にょ」(呉音)のほうが古くから伝わっていたことになります。

ちなみに「若」はこの古い読み方(呉音)としては「にゃく」と読むほか、「にゃ」とも読む場合もあります。「般若」などの場合がそうですね。

「若」の読み方と意味が奥深い

「若」の字の、読みと意味についてまとめると以下のようになります。読みも意味も、意外と多岐にわたっている字なのですね。

【音読み】
ジャク・ニャク・ニャ

【訓読み】
わかい・もしくは・もし・ごとし

【意味】
1 わかい。「若年・若輩」
2 …のようだ。ごとし。「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」
3 形容の語を作る助字。「自若・瞠若(どうじゃく)」
4 いくらか。「若干(じゃっかん)」
5 若狭(わかさ)国。「若州(じゃくしゅう)」

出典『大辞泉』(小学館)

いかがでしたか。熟語が読みにくかったり、意味がとりづらい使われ方をしている漢字を見つけたら、語源や由来を調べてみると漢字への理解がいっそう深まりますよ。

 

構成/HugKum編集部
協力/小学館  辞書編集部
イラスト/小幡彩貴

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編/飯間浩明 定価/1900円+税

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