集団生活・社会生活のスタート地点に立ったばかりの小学1年生。人間関係はまだまだ不器用な年ごろ。そこにお金の問題がからんでくるとさらに複雑に…。こんな場合、親としてどう声をかけるべきなのか、専門家の先生にうかがいました。
Q:友だち全員分のお菓子を買ってあげていました…。
何かあったときのためにと持たせていた500円で、数人の友だちにお菓子を買ってあげていたことが判明。息子に聞いたら、「うん、みんなの分も買ってあげたよ」と誇らしげでした。びっくりして、「そんなことしちゃダメだよ」と、強く叱りつけてしまいました。落ち込む息子の様子に、うまく伝えられなかった自分が情けなかったです。こんなとき、どのように伝えたらよかったのでしょうか。 (E・H さん)
A:お金の話をするよいきっかけだととらえましょう。
お金にまつわる相談は、とくに低学年のお子さんに多いようですね。子どもが友だちの分まで買っていたことを知らずに、後で友だちの親御さんがお金を持って謝りに来て知ったというケースもあります。
子どもが大変なことをしてしまった、どうしようと思って子どもを叱ってしまったことは取り消せないので、まずは素直に謝りましょう。
「あのとき怒ってしまってごめんね。友だちの分も買ったのは、友だちを思うあなたの優しい気持ちからだったのにね。お金の大切さをちゃんと教えていなかったママ/パパが悪かったの」と伝えればいいのです。
この子の場合は、優しい気持ちからやったことなので、そこはしっかりほめてあげてくださいね。
今回のことは、子どもとお金の話をするよいきっかけになったととらえましょう。そして、お金の使い方のルールやなぜお金があるのか、そして、お父さん、お母さんが働いて稼いだお金で生活しているのだから、大切に使わないといけないことを教えましょう。
また、買い物にも積極的に連れ出して、子どもに品物を選ばせたり、お金を支払う様子を見せたりすることで、より実践的に学ぶことができますよ。
ちなみに、親の財布から黙ってお金を持ち出して使ったという場合は別です。これは絶対にいけないことですよね。100%悪いことをしたときは、しっかりと叱ることが大切です。
\私がお答えしました/
藤田 敦子 先生
ほめて認める独自の「ぺたほめ®子育て術」を提唱し、テレビ出演・出版・講演などで大活躍の子育てアドバイザー。「ぺたほめ®子育て術」によって成長した二人の息子は、最難関大学・京都府立医科大学医学部医学科に現役合格。著書に『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(講談社)。藤田敦子オフィシャルブログ https://ameblo.jp/petahome/
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年10月号別冊『HugKum』 構成/天辰陽子