クイズ形式でご紹介する「まちのナニコレ?」たち。一見不思議なようでも、実はそれぞれが大切な役割を持っていることがわかります。
▼「まちのナニコレ?」クイズ第一弾はこちら
本記事では、ふしぎな建造物から読めない看板まで、さらに多岐にわたった「ナニコレ?」が登場! 再びクイズ形式で出題していきますので、ぜひお子さんといっしょに読み進めてくださいね。
では、さっそく1問目へ!
目次
街のナニコレ① 用途がナゾすぎるアート建築物
虫の羽みたいな大きなオブジェ? これ、なんだかわかりますか?
地下鉄の換気塔
まるで建物の装飾のように見えますが、これ、実は「地下鉄の換気塔」なんです。
換気塔とは、地下の空気を外の新鮮な空気と交換するためのもの。写真の飯田橋駅の換気塔は、有名な建築家の設計によって個性的なデザインになっているのです。
また、このように塔として立っているもの(換気塔)の他、地面にあるもの(換気口)もあります。
地面タイプなら、都営地下鉄新宿線の換気口が分かりやすい例。
電車が通るときの風圧で自然に換気する仕組みで、「通気口」とも呼ばれます。
塔のタイプにも、横浜市営地下鉄の換気塔のような、いかにも「塔」な見た目のタイプもあります。高さは約10mほどあり、左の塔から中に空気を取り入れ、右の塔から空気を出す仕組みです。
街のナニコレ② こんなバリエーションもありとは
これは像でしょ? と思うかもしれませんが、ただの像ではないんです。よ〜く観察してみましょう。
郵便ポスト(郵便差出箱)
なんと、これは「郵便ポスト」なんです。
神奈川県横須賀市に所在しているこのポストは、郵便制度を作った前島密翁の像と一体化しています。なんでも、前島密翁の墓がある浄楽寺の前に立っているそうですよ。
多くの方たちが慣れ親しんだポストといえば、上のタイプではないでしょうか。これは郵便差出箱13号と呼ばれ、まちなかで最もよく見かけるタイプ。13号は差入口が大きく、厚みのある郵便物もいれやすいのが特徴です。
でも、前島密翁のポストのように、郵便ポストのバリエーションが昨今増加しているのです。
なかでも、このようなご当地ならではのモチーフが施されたタイプのポストが人気を集めています。上の写真は、岡山県岡山に所在のご当地ポスト。古くから桃太郎の話が伝わる岡山では、駅のポストにも桃太郎が乗っているんですね。
ちょっと遠出をしたときは、レアなポストを探してみるのも楽しそうです!
街のナニコレ③ ああ、床屋さんのあの…
床屋さんの前に設置されたコレ。きっと誰もが見たことのあるものですが、何というか知っていますか?
サインポール
この筒は、世界各国で使われる理容室の看板で、「サインポール」と言います。
正式名称までご存知でしたか?
赤、白、青の三色のしま模様がくるくると回るタイプ・回らないタイプ、置き型タイプや壁に設置するタイプなどなど…一見どれも同じに見えますが、意外にもバリエーションが豊富なんですよ。
街のナニコレ④ 何屋さんか読めないんですけど…
読めそうで読めない難しい字! これ、何屋さんの看板かわかりますか?
そば屋ののれん
これは、おそば屋さんののれんです。
真ん中の文字は「きそば」と読みますが、ふつうのひらがなではないですよね。
この文字は、現在のひらがなとはちがう形をした昔の仮名で、「変体仮名」と呼ばれています。
その歴史は西暦800年頃にまで遡り、現在の表記に統一されたのは明治時代のことなのだとか。
他にも、うなぎ屋さんやせんべい屋さんなど、「昔ながら」なお店の看板ではたびたび見掛けたことがあるかもしれませんね。
街のナニコレ⑤ お地蔵さんじゃなくて?
街中でこのような石碑・石塔に遭遇したことはありませんか? お地蔵さんのようにも見えますが、いったい何なのでしょうか。
庚申塔
これは、中国より伝わった庚申信仰にもとづいて建てられた石塔で、「庚申塔」と呼ばれます。塚(墓)の上に建てられることから「庚申塚」と呼ばれることも。単に「庚申」「庚申搭」と刻んだものをはじめ、さまざまな見た目のものがあるようです。
写真の庚申塔には、病気を取り除く力があるとされる青面金剛や、朝を知らせるニワトリ、そして青面金剛の使いである三猿が彫られています。
街のナニコレ⑥ ほかにも意匠いろいろ!
街で見かける石垣やコンクリートブロック。家などの敷地と外を仕切るために石やコンクリートブロックを積み上げてつくる工作物ですが、他にも多岐にわたったタイプがあります。
華やかなものなら、たとえば…?
すかしブロック
たとえば、写真のような「すかしブロック」が例に挙げられます。「すかしブロック」とは、コンクリートブロックのうち、風通しの穴があいているもの。
穴の模様によって、「菱形」「青海波」「割り菱」などの通称や愛称がつけられているものもあります。街で「すかしブロック」を見かけたら、ぜひ模様を観察してみましょう。
かゆいところに手が届く! 気になっていたアレの秘密がわかる図鑑
今回も、見慣れているのによく知らなかったアレの秘密が解明されましたね。小学館の図鑑シリーズ〈キッズペディア〉『まちのナニコレ?図鑑』では、以上の6つを含む、さまざまな「まちのナニコレ?」の名称と役割をフルカラーの写真とともにご紹介!
『キッズペディア まちのナニコレ?図鑑』|小学館|2090円(税込)
「アレ何なんだろう?」「それ、気になってた!」といった小さな疑問を一挙に解決してくれます。
子ども・大人どちらにとっても、かゆいところに手が届く一冊です。ぜひ、お手に取ってみてくださいね。
構成/羽吹理美