ワンオペ育児で、家事のために子どもにテレビをずっと見せています。気にはなるのですが…
夫は仕事で忙しく、ほとんど私ひとりで子育てをしています。
子どもはもうすぐ1歳5ヵ月ですが、歩き始めて目が離せないので、ケージに入れてテレビばかり見せてしまいます。見せているのは、子ども番組の録画です。テレビが終わるとケージから出たがるので、家事が終わるまではずっと見せている状態です。私も「こんなにテレビを見せていいのかな?」と悩んでいるのですが、テレビを見せていないと何もできません。家事が落ち着くと、おもちゃなどで遊ぶこともあるのですが間がもたず、子どもとの遊び方に悩みます。(1歳5ヵ月の男の子のママ)
現実問題を考えると、テレビを見せるのは仕方ない面も
子どものテレビの視聴時間は、専門家の間でもいろいろ意見がありますが「長時間の見せっぱなしはいけない」という声は多く聞かれます。
見せた方がいいと言う専門家は、まずいないでしょう。視覚的な映像は無条件に惹きつけられます。小さい子にしてみると飲み込まれるように入り込んでしまい、我を忘れた状態とでも言えるでしょう。
だから、静かにしていてくれます。現実問題を考えるとテレビを見せることは仕方ない面もあると思います。家庭で子どもの安全に目を配りながら、家事をしたりするのは難しいです。お母さんだって、いくつも目があるわけではありません。
1歳5ヵ月だとケージに入れておくのは限界! まず、子どもの好きにさせて、見守った上で安全対策を
まず、子どもが小さいうちは家事を省くことも工夫しましょう。夫にも説明して、協力してもらいましょう。要はテレビに頼ってもいいけれど、それ以外の時間も大切にすればいいのです。
絵本を見たり、積み木をしたり、子どもが親と一緒の時間を楽しめるとコミュニケーション能力もつきます。
1歳5ヵ月になると、行動範囲も広がっていろんなことに興味を示します。ケージにずっと入れておくのは、無理です。お母さんは「おもちゃなどで遊んでも間がもたない」と言いますが、子どもの好きにさせてみてください。
1歳だと紙を破ったり、梱包材のプチプチ(緩衝材)をつぶしたり、穴に指を突っ込んだりします。指先が動くようになったのがうれしいのです。やがて、テッシュペーパにはまったり、物を投げたりもするでしょう。
身体的機能が発達する道筋にあわせての遊びに夢中になるのです。それはおもちゃとは限りません。周囲にある物を自ら遊びに取り込んでいきます。まず、子どもを眺めてください。子どもが求めているのもが見えてくると、ペットボトルにお米を入れて振ると音が楽しめるなんておもちゃを、あなたが考えつくかもしれません。コンセントに指や物を突っ込むなんて事も起こりかねませんから、安全対策はしてくださいね。
教えてくれたのは

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて36年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。
イラスト/海谷泰水