はじまりは小学校からのプリント
プリントをじっくり読んでみました。
第一印象は「SDGsって、なんだか難しそう」
貧困や飢餓など、気になるワードはいろいろありますが……。
そんなとき、夫からアドバイスをもらいました。
そうか!
身近なことでできることから、取り組めばいいのかな?
SDGsの12番「つくる責任、つかう責任」になるかな?
ぺしゃんこになった歯磨き粉。でも、まだまだ入っていそう……。
そうだ!
新しい物をすぐ出す事だって出来るけれど……。
子どもたちは初めての取り組みに大興奮。
母親の私も、手間がかかるからとついつい「最後まで使い切る」という気持ちを忘れていたなぁと反省しました。
SDGsって難しそうでまだまだ分からないことだらけ。歯磨き粉を使い切る!そんな小さな事が本当にSDGsの取り組みになるのかな? もっと大きな事に取り組まないといけないんじゃ……と心配になります。
私たちが出来ることって何だろう?
教えてください!
SDGsに詳しい専門家に直撃インタビュー
この歯磨き粉を最後まで使い切るに対する疑問を、持続可能な社会の実現に向けて社会に対して真の価値を生んでいきたいと考えている、株式会社シンカ代表取締役社長 CEO 町井 則雄さんにHugKumは取材してきました。
Q. 歯磨き粉を使い切る!そんな小さな事が本当にSDGsの取り組みになりますか ?
※以下「 」内、町井 則雄さん談話
「もちろん、なります!
小さな一歩ですが、最後まで使うことで買い替えるまでの時間は長くなり、その分、家庭から出るゴミが少なくなります。それをみんなでやれば確実にゴミは減ります。
特にプラスチックゴミはいかに出さないようにするか、という視点も大切です。その意味でも、歯磨き粉は身近なテーマで良い着眼点ですね。
あとは、ペーストが残ったままゴミに出すと水分が多いため、焼却する時に化石燃料を多くたかなければならずCO2などのエネルギーの排出量も多くしてしまいます。
歯磨きの話題なので食べ物の話題も一つ。実は、日本ではまだ食べられるのに捨てられている食べ物のゴミの量が、世界全体で飢餓に苦しむ人に支援している食料援助量の2倍と言われているんです! このようなことがいつまでも続けられるはずはないですよね。
消費者としてそこを理解しておくと、例えば食べ物を残さないなどの「ゼロエミッションをしよう」と思いますよね。
―ほかにも、家庭でできるSDGsに繋がることはありますか?
「水を出しっぱなしにすることも環境に負荷をかけます。日本は世界でも珍しい水道からの水を直接飲める国ですが、水をきれいにするための仕組みにエネルギーを使っていますし、下水の水も全てきれいにされてから川や海に流されているわけではないんです。
また、電気をこまめに消すということも、CO2削減につながり、地球温暖化防止になります。
家庭でできるエコは一つ一つは小さくてもみんなで行うことで社会全体では大きなエコになります。そもそも水道代や電気代が減るのはお母さんも嬉しいですよね。「エコはお財布に優しい」、というのも大切なキーワードなんです!
― なるほど! 小さな一歩かもしれませんが、一人一人が物を使い切ること、水道や電気を大切にすることはSDGsに繋がるのですね。
環境に優しいことはお財布にも優しいだなんて、良いことだらけですね。ためになるお話をありがとうございました。
記事監修
株式会社シンカ代表取締役社長 CEO
町井 則雄(まちい のりお)
企業の社会課題解決型ビジネス創出のサポートやCSR支援を行うため、株式会社シンカを立ち上げる。現在は企業による社会課題解決に向けた事業づくり、ソーシャルビジネスの支援、地方自治体が取り組むSDGs未来都市プロジェクトの推進なども行っている。【その他兼職】一般財団法人 22世紀に残すもの 理事長・一般財団法人 森から海へ 評議員・多摩エンパワー株式会社 社外取締役・一般社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクト 理事・岩手町政策アドバイザー・社会起業大学 講師「社会事業構造論」・日本雨女雨男協会 事務局長など。
マンガ/ほるちゃん (Instagram:nigaoe.horuchan) 構成/HugKum編集部