セミの一生とは? 寿命はどのくらい? 謎の多いセミの成長過程を解説

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「セミの一生は短い」と言われていますが、実際はセミの一生の長さはどれくらいなのでしょうか? 今回は、セミはそもそもどんな虫で、どれくらいの種類がいるのかを紹介します。加えてセミの一生は本当に短いのか、その成長過程を見ていき、セミの一生がわかる図解本や絵本も紹介します。

セミの一生は短くない!?

セミの一生
セミの寿命一生は短い? 実際はどうなんでしょうか?

地上に出てきたセミの寿命は1週間程度。そのため、「セミの一生は短い」などといわれますが、本当にそうでしょうか?  実はセミの一生は決して短いわけではありません。

セミってどんな虫?

独特の鳴き声が特徴的なセミは、カメムシ目(もく)に分類される虫で、カメムシ、アブラムシなどの仲間です。「ミーンミーン」「ジリジリジリジリ」「カナカナカナ」など、種類によってさまざまな鳴き方をします。

セミが鳴くのは、オスがメスを探したり、呼んだりする求愛行動です。鳴くのはオスのセミだけで、メスのセミは鳴きません。鳴く時間帯も、セミの種類によって違っています。例えば、クマゼミは早朝〜昼前までしか鳴きません。ヒグラシは名前の通り、日が暮れる頃に鳴きます。

そしてセミは、口から音を出して鳴いているのではなく、腹部分の発音筋という筋肉が発音膜という膜を震わせることで音を出しています。

セミの種類

セミは、世界に1,600種もいるといわれ、日本にいるのはそのうちの約30種です。

一般的な日本のセミ

日本全国に分布しているメジャーなセミが、アブラゼミです。体は黒っぽく「ジージリジリジリ」と鳴きます。

そのほか、「ミーンミーン」と鳴くミンミンゼミ、「ツクツクオーシ、ツクツクオーシ」と鳴くツクツクボウシ、「カナカナカナ」と鳴くヒグラシ、「シャーシャー」と鳴くクマゼミなどが一般的なセミです。

珍しい日本のセミ

沖縄に生息しているイワサキクサゼミは、体長がわずか1.5~2cmほどの小型のセミ。日本で最小のセミとして知られ、4月頃の早い時期から鳴き始めます。ちなみに、日本に生息するセミの中で大きいのはクマゼミです。体長は6cm前後になります。

また夏以外に鳴くセミに、ハルゼミがいます。沖縄を除く日本各地のマツ林に生息する小型のセミで、名前のとおり、4~6月頃の春の時期に鳴きます。

セミの一生・寿命はどのくらい?

ではセミが生まれてから死ぬまで、寿命はどれくらいの長さになるのか見てみましょう。

成虫の時期より幼虫の時期が長い

私たちが普段目にする、木などで鳴いているセミは、成虫です。成虫は木の幹などに卵を産み、卵から生まれた幼虫は土の中に移動します。幼虫は土の中で長い期間を過ごし、やがて成虫になると地上に出てくるのです。

成虫と幼虫の期間を比べると、幼虫でいる期間は長く、成虫の期間はとても短いという特徴があります。

セミの一生は、幼虫7年+成虫7日=7年7日程度

セミの幼虫の期間は、数年~7年くらい。長い場合は10年以上も幼虫のまま土の中で過ごすこともあると言われています。

しかし成虫になって地上で過ごす期間は、わずか1週間から数週間。環境が良くて長生きした場合でも、1か月ほどです。つまり、セミの一生は幼虫の期間が7年ほど、成虫はわずか7日間で、合計7年7日ほどということになります。

セミの一生は短いと言われるのはなぜ?

関東地方南部から西日本にかけて多くみられるクマゼミ

 

「セミの一生は短い」と聞いたことがある人も多いでしょう。こう言われるのは、成虫になってからの寿命がわずか1週間ほどしかないからです。

長い歳月を土の中で過ごす

大きな声で鳴くのに、その期間はわずか1週間だけ。7年もの長い歳月を土の中で過ごし、成虫となってようやく地上に出てくると、短い期間でオスはメスを探し、子孫を残します。

また、夏休みの自由研究などで、セミの飼育にチャレンジする子どももいますが、セミは樹液を吸って栄養とするので、セミの成虫の飼育はとても難しいことで知られています。もともと成虫の寿命は短いうえ、樹液を吸えなくなるため、セミを飼育しても、すぐに死んでしまいます。

セミの飼育・観察に関する体験談

「セミを捕まえて観察した。 餌などあげられないのですぐに逃しました」(30代・大阪府・子ども2人)
「蝉の羽化をみれた」 (30代・兵庫県・子ども2人)

セミの成長過程

セミの一生はどんなふうに進むのでしょうか。セミは、「卵」から「幼虫」、そして「成虫」と、成長の過程で姿を変えていきます。日本で最もポピュラーなアブラゼミの成長過程を見ていきましょう。

産卵

夏、成虫の短い寿命のなかで、オスとメスが出会って交尾すると、メスはお腹から「産卵管」と呼ばれる器官を木の皮に突き刺し、卵を産みます。アブラゼミの卵は、長さ数ミリほどの大きさです。

孵化(ふか)

木の幹や皮に産みつけられた卵は、そのまま冬を越します。次の年の梅雨時期(6月頃)になると、卵は孵化します。卵から出てきた幼虫は、木の幹や皮から地面に落ちて、そのまま土の中に潜りこみます。

幼虫

アブラゼミの幼虫が土の中で過ごす期間は、3~4年ほど。幼虫はこの間、木の根から栄養を吸い、少しずつ成長していきます。

羽化(うか)

3〜4年かけて成長した幼虫は、夏になると土から地上に出て羽化(うか)する場所を探します。木を上って高い位置まで登る幼虫や、低い草などで羽化する幼虫もいます。

羽化の場所が決まったら、やがて幼虫の背中が割れ始めて羽化がスタート。1時間くらいかけて羽化が完了し、薄かった体の色が少しずつ濃くなり、アブラゼミらしくなっていきます。

ちなみに、羽化が行われるのは夕暮れの後の暗くなった時間帯。羽化するときは外敵から狙われやすいため、それを避けているのです。

アブラゼミの羽化

成虫

羽化を終えて成虫となると、樹液やメスを求めて飛ぶようになります。ただし成虫になってすぐのアブラゼミは、鳴くことができません。数日経って、成熟すると鳴けるようになります。

オスとメスの交尾

成虫になったアブラゼミは、子孫を残します。オスは大きな声で鳴いてメスを呼び寄せます。オスとメスが出会うと交尾し、メスは産卵します。

産卵

オスと交尾したメスは産卵します。

最期

成虫になって1週間ほどで、アブラゼミは寿命を迎えることになります。よく道端などにセミが落ちていますが、子孫を残し、寿命が尽きたセミでしょう。

セミの一生がわかる絵本・図解本のおすすめ

セミがどんな一生を過ごすのか、図や絵を使ってわかりやすく紹介しているものをピックアップしました。子どもがセミに興味をもったら、ぜひ選んであげてください。

はじめて見たよ!  セミのなぞ

 

町中には、なぜアブラゼミやクマゼミが多いのだろう?  そんな疑問からなぞ解きがスタートし、次々と新しいなぞが出てきます。ベテラン昆虫写真家が日本各地でセミのなぞに挑戦しました。

図解本「セミの一生 新装版」

 

昆虫写真家が撮った写真をたくさん使って、セミの一生を紹介した一冊。セミの卵や羽化の様子など、なかなか見ることができないものが写真で紹介されていて、セミの一生がどのようなものか、わかりやすく紹介しています。

絵本「セミたちの夏」

 

著者が都会で生きるセミを、セミの一生と近い6年間をかけて制作した本。羽化したばかりの神秘的なセミの姿など、写真もまじえて紹介しています。小学館の図鑑NEOの科学絵本シリーズ。

セミハンドブック

 

日本に住んでいるセミを調べられるハンディ図鑑。紙面上のQRコードを読み取ると、鳴き声をネットで聞くことができます。

奥深いセミの一生

成虫になってから、たった7日間しか生きられないと聞くと、セミの一生はとても短いと感じます。しかし、成虫になるまでは長い間、土の中で過ごしていることを知ると、セミはとても不思議な生き物だということがわかります。

子どもが身のまわりの生き物に興味を持つきっかけとして、親子でセミについて調べたり、学んでみるのもいいですね。

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文・構成/HugKum編集部

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