相手のママとの関係を優先してしまい、見守る子育てができません
育児書などによく「見守る育児」とありますが、私は見守ることができません。頭ではわかっているのですが、児童館や公園などで遊ばせていると、相手のママとの関係を悪くしたくなくて、子ども同士のトラブルが起きる前に「ダメ!」と言って、割って入ってしまいます。ホントは、大きな危険がない限りは“お互いさま精神”で見守りたいのですが、なかなかできなくて…。どうしたらいいですか?(1歳8カ月の女の子のママ)
ママ友は1人でも十分。過度に気を遣う相手は避けましょう
頭ではわかっていても、つい口を出してしまうのはだれしもそうです。お母さんは“相手のママとの関係を悪くしたくなくて、子ども同士のトラブルが起きる前に「ダメ!」と言ってしまう”と悩んでいますが、誰でも嫌な気持ちになりたくないですし、まして、ご近所様だったらねぇ。あなたがもっとも苦手な人や、子どもがどうにもトラブルになってしまうような子がいるなら避けましょう。公園を変えるとか、時間帯を考えるとか。 そのうち「もう少し、様子を見ませんか?」と言ってくれる親とも出会えるでしょう。
「ダメ!」と言ったあとは、子どもに言葉かけを言葉かけを
ただ1つ心がけてほしいのは、子どもに頭ごなしに「ダメ!」と言ったときは、「でも、〇〇したかったよね~」と子どもの気持ちに寄り添った言葉をかけてあげてください。大好きなママに頭ごなしに否定されたら、子どもは悲しくなります。相手の親がいる前で言いづらかったら、家に帰ってからでもいいのです。「さっきはごめんね」とひと言。子どもは「ママは、わかってくれている。僕の見方」と安心感をおぼえます。
2~3歳になりイヤイヤ期が始まると子どもも手強くなります。子ども自身がママとは違う人。私を尊重してよね!反撃してきます。そうなったら頭ごなしの「ダメ!」は効果がないばかりか、関係まで悪くなります。

親同士の付き合いは試練。ゆっくりと気の合うママ友を見つける気持ちで
子どもが生まれると、好き嫌いに関係なく親同士、付き合っていかなくてはいけません。これも試練だと思います。でも一緒にいて、過度に気を遣う相手は避けましょう。ママ友は少なくていいです。愚痴や本音が言える人が、1人いれば十分! 子育てはまだまだ長いので、ゆっくりと気の合うママ友を見つけてくださいね。

教えてくれたのは

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて36年。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。
イラスト/海谷泰水