「劇場版 舞台刀剣乱舞」がアツイ!どハマり中のライターが2.5次元舞台の魅力を語り尽くす

こんにちは、舞台オタクのRieです。筆者が大好きなのは「刀剣乱舞」。最近の2.5次元ブームでテレビで取り上げられることも多いため、ご存知の人も多いのではないでしょうか。最近は筆者の中学生の娘もハマっていて、一緒に映画を見たり、ゲームをしたり、コラボカフェに行ったり、母娘で楽しんでいます。
難しい年頃の娘と、共通の趣味があることで話しが弾むだけでも充分嬉しいことですが、「刀剣乱舞」は史実や民話、伝承を扱っているため、娘が日本の歴史にメキメキ強くなってきたことも嬉しい副産物。娘に誘われて博物館に行くことも多々あります。
今回はただいま公開中の映画「劇場版 舞台刀剣乱舞」についてご紹介します。

「刀剣乱舞」とは?

まず「刀剣乱舞ってなに?」というところからご説明します。

もともとは「ブラウザゲーム」

「刀剣乱舞(とうけんらんぶ)」は、EXNOA(旧DMMゲームズ)とニトロプラスが共同製作したPC版ブラウザゲーム。
2016年3月にスマートフォン版が「刀剣乱舞 Pocket(とうけんらんぶぽけっと)」として配信開始になりました。
その後、2015年にミュージカル化、2016年に舞台化、2016年と2017年にそれぞれ別の制作会社によりアニメ化、2019年に実写映画化とさまざまなメディアミックスが展開され、2020年にサービス開始5周年を迎えました。

どんなゲーム?

時は西暦2205年。歴史を変えようとする「歴史修正主義者」が過去への攻撃をはじめます。
対峙する政府は「審神者(さにわ)」なる者を各時代へと派遣し、歴史修正主義者の目論見を阻止し、歴史を史実どおりに守るよう命じます。
「審神者」とは、眠っている物の心を目覚めさせ、自ら戦う力を与える能力者のこと。
ゲームのプレイヤーは、この「審神者」として、名だたる日本の名刀の付喪神を人のカタチに顕現させ、「歴史修正主義者」が率いる「時間遡行軍(じかんそこうぐん)」と戦わせます。

今話題の「2.5次元舞台」って?

今は空前の2.5次元ブームと言われているため、名前を聞いたことがある人も多いかと思います。
ゲームや漫画など2次元の作品を原作とし、3次元の俳優さんが演じている舞台が「2.5次元舞台」と呼ばれています。

奇抜で斬新なものというイメージもありますが、日本の伝統的な歌舞伎の演目「勧進帳」は、能の「安宅(あたか)」を元に作られたもので、その「安宅」は軍記物「義経記」から取材したもの。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」も舞台や映画になっていることを考えると、2.5舞台は昔からあったものとも言えますね。

チケットの入手が困難「舞台刀剣乱舞」

「舞台刀剣乱舞(=通称「刀ステ」)」も、2次元のゲームを原作として、生身の俳優さんが演じていらっしゃる「2.5次元舞台」です。

2016年5月に「虚伝 燃ゆる本能寺」が上演され、今年3月にはシリーズ12作め(*再演・科白劇含む)となる「綺伝 いくさ世の徒花」が上演されます。
どの作品も、史実を踏まえた重厚な人間ドラマが描かれているので、大河ドラマや時代劇が好きな人にオススメ。

また、「その技術だけで食べていける」と言われているほど殺陣やアクションのスキルが高い舞台俳優さんが多数出演されているため、戦闘シーンは迫力満点。

上記のような理由から「刀ステ」は、2.5次元舞台の中でも特に高い人気を誇る作品で、チケットの入手がとても困難です。

「劇場版 舞台刀剣乱舞」とは?

「劇場版 舞台刀剣乱舞」は、文字どおり「舞台刀剣乱舞」の「劇場版=映画」です(ややこしい!)。

「舞台刀剣乱舞」5周年を記念して、現在、過去の8作品が映画館で上映されています。
チケット戦争に勝ち抜かなくても、また、遠くの劇場まで足を運ばなくても、人気の「刀ステ」が見られるまたとないチャンス!

刀ステ上演後に、公演を収録したブルーレイやDVDが販売されていますが、今回の映画はDVDに収録されている映像ではなく劇場版用に新たに再編集されたもの。DVDには収録されていない別アングルも多数採用されていて、初めて刀ステを見る人はもちろん、何度もDVDを見返している人にとっても新鮮な作品となっています。

現在上映されているのは「ジョ伝 三つら星刀語り」

現在上映されているのはシリーズ5作めの「ジョ伝 三つら星刀語り」。
1590年(天正18)、豊臣秀吉が小田原を本城とする北条氏政・氏直父子を攻撃し、北条家を滅亡させた「小田原征伐」がモチーフです。

人気ナンバーワン作品「ジョ伝」の見どころ

つい先日、「ねとらぼ調査隊」で「舞台刀剣乱舞で1番好きな公演」のアンケートが実施され、全11作品、回答総数9611票の中から堂々1位に輝いたのがこの「ジョ伝 三つら星刀語り」。筆者のイチオシも「ジョ伝」です。

怒涛の伏線回収がお見事

「ジョ伝」の魅力の一つは、緻密に張り巡らされた伏線と巧妙に仕掛けられているギミック。
最初は違和感を感じたり、「ん???」と思ったり、そもそも「ジョ伝」の「ジョ」ってなんなのよ?と思うのですが、後半、すべてのピースが次々にハマっていく爽快感とスピード感がたまりません。脚本家の末満健一(すえみつけんいち)さんの頭の中はどうなっているのでしょうか。
一緒に映画を見に行った中学生の娘も「そういうことか! 気持ちいい〜!」と大興奮でした。



こちらが「ジョ伝」のキービジュアル。右端の3振りにご注目ください(彼らは人間ではなく刀なので、ひとりふたりではなく、1振り2振りと数えます)。不穏なことに影がないんです。なにそれ怖い…。刀ステはこのようにティザービジュアルやパンフレットにも仕掛けがあるため、観る前からソワソワが止まりません。

人間模様がアツイ

歴史物ということで、登場人物の命のやり取りやそれぞれの「義」が深く描かれています。
それぞれに守りたいものがあり「義」のために戦っていますが、勝者として生き残れるのは一方のみという歴史の切なさと厳しさ。また、「刀剣男士」は刀の付喪神で誰かに所有されていた過去があるため、刀剣男士と元の持ち主との関係性にもドラマがあります。

俳優さんの原作への愛やリスペクトがすごい

2.5次元俳優と言われる皆さまはとても真摯に作品と向き合ってくださるので、原作ファンも安心して見ていられるのが「刀ステ」です。ある俳優さんは「2.5舞台は、原作を何よりも大事にしつつ、プラス0.5の魅力を乗せさせていただくものと思って演じている」「通常の舞台やドラマや映画は監督が正解を持っているものだけど、2.5舞台に関しては、原作ファンの皆さまが正解を持っている」とおっしゃっていました。原作ファンとしては、俳優さんが原作への愛やリスペクトをもって演じてくださるのがとても嬉しい。

ちなみに、筆者の最推しは、織田信長の刀だった「へし切長谷部(へしきりはせべ)」です。
南北朝時代の刀工・長谷部国重作が打った打刀で、織田信長が膳棚の下に隠れた茶坊主をその棚ごと圧し切ったことが名前の由来。現在は国宝として福岡市の福岡市博物館に所蔵されています。

いつも強気で勝ち気で殺意高めな長谷部が元の主に出会うことで見せる、はにかんだような笑顔や穏やかで優しい眼差しが堪能できるのは「ジョ伝」のみ。「劇場版」では長谷部の表情がかなりアップで捉えられているので、2月22日現在、筆者は既に4回映画館に足を運びました。
他にも個性豊かで魅力的な俳優さんが多数出演されているので、必ず「推し刀」「推し俳優さん」が見つかると思います!


右のイラストがゲーム原作の「へし切長谷部」、左のポストカードが和田雅成さん演じる「へし切長谷部」。衣装やウィッグだけでなく、ゲーム内の長谷部の設定やスキル、ボイスも原作に忠実に再現されています。

日本の歴史に強くなる

これは刀ステ全般に言えることですが、実際の史実を扱っているため日本史に強くなります。
筆者の娘も、映画館から帰宅するなり小田原城征伐や小田原城の無血開城について調べていました。テスト範囲なので、母としては「歴史に興味をもつようになる」「いつのまにか覚えている」という効果もとてもありがたいところです。

3週間の期間限定公開!ランダム配布の来場者特典もお楽しみに

「ジョ伝」は2022年2月18日から3週間の限定上映。
「ジョ伝」の公開が終わると、「天伝 蒼空の兵(あおぞらのつわもの) 大阪冬の陣」が上映されます。
大筋でジョ伝と繋がっていますので、ぜひ2作品ともご覧ください。

特典映像と来場者特典はこちら

映画館のみの特典映像として、本編上映前に週替わりで撮り下ろしキャストコメント映像が上映されます。
公演時のエピソードや本作の見どころなどが楽しめるスペシャル映像です。

【週替わり特典映像】
2022年2月18日〜 へし切長谷部役/和田雅成さん
2022年2月25日〜 骨喰藤四郎役/北川尚弥さん
2022年3月4日〜  小夜左文字役/ 納谷 健さん

さらに入場者特典として、ステージショットフォトカードがもらえます。
入場者特典フォトカードはランダムでの配布、無くなり次第終了なのでご注意ください。

【入場特典フォトカード】
2022年2月18日〜 へし切長谷部、日本号、博多藤四郎
2022年2月25日〜 山姥切国広、骨喰藤四郎、山伏国広
2022年3月4日〜 小夜左文字、同田貫正国、ソハヤノツルキ

文・構成/Rie

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