明日、菅田将暉主演の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(毎週月曜21時~)が放送されます。前回放送された7話では、菅田さん演じる久能整(くのう・ととのう)が、連続放火殺人事件の犯人と静かに対峙していきました!
前回に続いてゲスト俳優は、トラウマを抱える下戸陸太役の岡山天音と、彼の友人で“炎の天使”と呼ばれている井原香音人役の早乙女太一。後半では、非常に研ぎ澄まされた演技を見せた菅田さんと、苦悩をにじませる岡山さんたち2人の静かな熱演が実に見応えたっぷりでした。
また、本ドラマのヒロインである風呂光聖子刑事(伊藤沙莉)が整を気にかけるシーンや、この事件に整を導いたライカ(門脇麦)との胸キュンシーンも描かれ、ここへ来て人間関係も盛り上がってきました。
第7話のここにしびれた!
(これより以下、7話のネタバレを含みます)
親から虐待されている子どもが、炎を象ったようなマークを壁に描いてSOSを求めれば、炎の天使が舞い降りて、親を焼き殺してくれるという都市伝説。それに関わっていたのが、下戸陸太と井原香音人でした。
クリスマスイブの夜に、陸太から呼び出され、襲われてしまった整。でも、赤いものを見ると発作を起こすという陸太の弱点をついた整は、一気に形勢を逆転させます。その後、整から、炎の天使に会わせてほしいと言われたことで、陸太は整と香音人を引き合わせることに。
そこで整は、陸太と香音人から、幼い頃に親から受けたという壮絶な虐待の話を聞きます。また、陸太の親は香音人が放った火によって、焼死したことで、彼に心から感謝していると語っていきます。
一方、連続放火殺人事件を捜査する青砥成昭(筒井道隆)たち大隣警察署強行犯一係も、3年前に起きた同様の事件で証拠不十分で逮捕できなかった井原香音人の行方を探していました。紆余曲折を経て、風呂光が整に連絡したことで、整たちの下へ警察が駆けつけることになります!
今回、衝撃的だったのが、陸太と香音人の関係性です。実はすでに香音人は陸太に殺されていて、この世にいなかったというオカルト的な展開に!つまり整の目には、一切、香音人という人間は映っておらず、しゃべっていたのは陸太のみだったのでした。
この事実を把握してから見ると、整の視線が終始悲しげで、あまり動かなかったことにも大いに納得しました。そして、心から敬愛していた香音人を、自分の手にかけてしまった陸太の苦悩も相当なもの。岡山さんの慟哭に言葉を失い、はかなげでカリスマ性あふれる炎の天使役を演じた早乙女さんの存在感も光っていました。
親の虐待が生む不幸の連鎖とは
陸太が赤いものを見て発作を起こすようになったのは、両親が焼死したことが原因ではないかと整が指摘。陸太自身は、香音人に救われたと思っていたけど、実際にはその事件がトラウマになっていたようです。
香音人は自分自身が虐待家庭のサバイバーだからこそ、良かれと思って、放火事件を起こしてきました。ところが事件の数年後、陸太と香音人は、自分たちの手で助けたと思っていた子どもたちが、より一層辛い人生を送っていたり、自殺したりしていたことを知り、呆然となります。
ショックを受けた香音人が、「天使をやめる」と言い出したことが引き金となり、陸太は彼を手にかけてしまいました。
整は、陸太たちの胸中を察しつつも、彼らが虐待された子どもに、親を殺してほしいかどうかのジャッジを求めたことを責めます。もちろん、陸太を含め、ゴーサインを出した子どもたちが不幸になっていることに胸を痛めているからです。
さらに、子どもは親からどんな仕打ちを受けても、通常は親を求めてしまうし、親もそのことにつけ込むということを主張。おそらくそれは整の体験に基づいた意見かもしれませんが、続けて「母親も追い詰められている」ということまで指摘。根深い虐待問題について、今回も一石を投じました。
第8話では、整と風呂光がミステリー会に参加!
整が、彼の恩人である美吉喜和(水川あさみ)の墓参りに行くと、喜和の元パートナーで、整が通う東英大学で整に心理学を教えている天達春生准教授に遭遇。そこで、天達から、別荘で開催するというミステリー会に来てほしいと誘われます。
また、自分の講演会に風呂光が来た関係で、彼女もミステリー会に参加することに。到着したのは、ツタに覆われた山荘“アイビーハウス”で、そこで過去に起きたある事件について、参加者が推理していきますが……!
整の過去にまつわるエピソードが挿入されつつ、そこで巻き起こる事件も気になるところですが、整と風呂光の仲が進展する可能性にも大いに期待したいです!
文/山崎伸子
カレー好きで天然パーマの大学生・久能 整(くのうととのう)がある日、
殺人事件の容疑をかけられて…!?整の言葉に、事件の謎も人の心も解きほぐされていく新感覚ミステ
月刊フラワーズ(毎月28日頃発売)にて連載中!
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