この「灯台」は、室内にありました!
この「灯台」は、室内照明具の灯火をともす台のこと
正解は、室内照明具の灯火をともす台のことです。
なぜそのように断言できるのかというと、ちゃんとした証拠があるからです。
一つは、岬の灯台は洋上の船に位置の基準を示すために遠くを照らすもので、周囲を明るくするものではないため、下(もと)が暗いのは当たり前なのです。その当たり前なことをわざわざ言うことはないでしょう。
その昔、岬の灯台は別の呼び名があった
二つめは、明治に西洋式灯台が設置されるまでは、岬の灯台は「灯台」と呼ぶことはなかったということです。では何と呼んでいたかというと、「灯明台」です。
そして三つめは、江戸時代には岬の灯台を「灯台」と呼ぶことはなかったのに、「灯台下暗し」の例が江戸時代からあることです。その例は、たとえば式亭三馬 (しきていさんば)が江戸庶民の生活を描いた『浮世床(うきよどこ)』(1813~23年)にあります。
「それは燈台元暗(トウダイモトクラ)しとやら。あんまり傍に居ては見つからねへで」(初・中)
というものです。「あんまり傍に居ては見つからねへで」というところから、それが室内照明具だということを納得していただけるのではないでしょうか。
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