Q:担任の先生を好きになれません。
娘が最近「先生が怖い」と言うようになりました。娘の担任は女性で、ベテランの先生です。授業中に騒いでいる男の子に、「静かにしなさい」などと大きな声で注意し、その声がとても怖いのだと娘は言います。友だちもできて学校は楽しいようですが、先生の前では緊張すると言います。
先日の保護者会でも、上からの物言いが気になってしまい、私も嫌な気持ちになってしまいました。そんな先生に子どもを預けていいのかなと不安に思ってしまいます。 (K・Y さん)
A:子どもに先生の悪口は言わないようにしましょう。
お子さんが担任の先生を「怖い」と感じてしまったのはかわいそうですね。まずは子どもの気持ちをしっかりと受け止め、子どもの話を聞きましょう。その際、親御さんも同じように思っていたとしても、決して先生を敵対視しないことが重要です。
親も一緒になって「先生怖いよね」と言ってしまうと、子どもは「やっぱりそうなんだ」と先生をますます怖いと感じてしまうでしょう。そうなると、どんなに教え方の上手な先生でも、子どもは先生の話を聞かなくなりますし、学力にも影響を及ぼしかねません。
親御さんは子どもの話をしっかりと聞き、「それは大変だね。先生に相談してみようか」などと、解決の道を探りましょう。
同時に、先生に対する見方も変えてみましょう。例えば、大きな声で叱るのが怖いのなら、「大きな声だから、びっくりしちゃうかもしれないけれど、授業中は先生の声がよく聞こえるんじゃない?」などと、短所を長所としてとらえるのです。
この子の場合、救いなのが「友だちがいるから学校が楽しい」と思っていることです。お子さんから友だちの話をたくさん聞いてあげてください。学校での楽しい記憶をたくさん思い出させてくださいね。
先生に相談するのであれば、「子どもが先生の声を怖がっている」などとダイレクトに伝えるのではなく、「困っています」といったスタンスで相談するといいですよ。「うちの子、家に帰ると元気がないんです。学校で何かあるんでしょうか」などと伝えることで、先生もどうにかしようとしてくれるはずですよ。
家庭では、子どもが楽しく通学できるようにポジティブな会話を心がけましょう。
私がお答えしました
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年8月号別冊『HugKum』 イラスト/かまたいくよ 構成/天辰陽子