「3歳と5歳の兄弟。楽しく遊んでいても、ささいなことであっという間にケンカに」【保育経験41年・元園長先生の相談室11】

子どもが生まれると、成長に合わせていろいろな悩みが出てきます。健康のことはもちろん、しつけのこと、園生活でのこと、学習についてなど、「どうしたらいいの?」とふと誰かに聞いてみたくなる疑問は尽きません。そんなみんなが感じる育児のお悩みや疑問に、保育経験41年の元園長先生・田苗孝子先生に答えていただきました。ふっと気持ちが軽くなる、そんな先生のお答えをQ&Aでご紹介します。

子どもの健康、しつけ、園生活の悩みをズバリ解決!!

3歳と5歳の兄弟。楽しく遊んでいたかと思っていたら、ささいなことで、あっという間にケンカに。その繰り返しの毎日に親として疲れています。どう対処したらいいのでしょうか。(沖縄県 H・Yさん)

兄弟ゲンカにはいいも悪いもありません。見守っていて大丈夫

兄弟ゲンカの原因は、じつにさまざまですが、幼いころは仲がいいから起こることがほとんどです。大概どちらかが遊び心でいたずらをしたり、じゃれ合っていたのが何かのきっかけでケンカに変わった、といった、ささいなことが原因です。どちらがいいか悪いかといったことはないので、お母さんはケンカを目にしても、ある意味ほおっておき、ケガをしないよう見守っていればいいと思います。

そうして、やがてどちらかが泣いて決着がついたとき、「どうしたの?」と言って、なぜそうなったのかを聞いてやり、双方の子どもの気持ちを受けとめてあげましょう。それだけで子どもたちの気持ちが落ち着いて、ケンカは終了となります。そして、しばらくすると何もなかったように、楽しそうに遊び始める。これは生まれたときからずっといっしょに暮らす兄弟だからこそできることで、お友だちとのケンカでは、なかなかこうはいきません。

下の子をきちんと叱り、上の子に我慢させないことが大事

ただし、兄弟ゲンカでも、その原因を聞いて、一方が悪いことをしていたなら、悪いことをしていた方をきちんと叱ることが必要です。

兄弟ゲンカにおいては、幼いうちは上の子に、「お兄ちゃんなんだから」と言って我慢をさせてしまいがちですが、下の子が悪い場合は、上の子の前で、下の子を叱ることが大事です。そうすることで、上の子の気持ちが収まりますし、それと同時に、下の子に対しては、社会の中で、人と付き合うためのルールをしつけることができます。

幼いころもめる兄弟ほど大きくなって仲がよくなるものです

最初に述べましたが、兄弟間でケンカをするのは仲がよく、互いにその存在が気になっているからです。いくらケンカをしていても、上の子は下の子を愛しいと思い、下の子は上の子を頼もしい存在として感じながら、支え合っている。それが兄弟というものです。

幼いころに繰り返しケンカをした兄弟は、自分をさらけ出し、相手とやり合う中で、人との付き合い方を学ぶので、大きくなってからは仲がいいですし、他人との人間関係を築くのも上手なことが多いですね。

兄弟ゲンカに、毎日相対するお母さんは大変だと思いますが、ケンカのあとの声掛けを欠かさないようにしてください。兄弟ゲンカは、これから生きていくための兄弟間のをつくっているのといっしょです。また、お母さんの言葉は、お子さんたちに愛情として伝わって、家族を支え合う基盤につながります。

老年期を目前にして、私は、そうしたことをいま、まさしく実感しています。私は3人兄弟で、三者三様まったく性格が異なり、幼いころはケンカをよくしていましたが、だからこそ、いまお互いのことがよくわかり、助け合って生きていると思うからです。そして、そんな私たちを根気よくなだめてくれた両親に、つくづく感謝しています。

 

回答していただいたのは…

田苗孝子先生  宝仙学園幼稚園元園長。1949年広島県生まれ。2007年から20193月まで園長を務める。41年間にわたり、保育現場でさまざまな家庭で育つ子どもとその親を見守り続けた、その深い見識には定評がある。豊かな経験を活かして、『幼稚園』(小学館刊)で育児相談コーナーを担当。子育て中のママたちに温かなメッセージを伝えてきた。

 

 

構成/山津京子 イラスト/手丸かのこ 『幼稚園』2017年9月号

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