「お菓子売り場で激しくぐずり、私が折れるまで泣きわめきます…」【保育経験41年・元園長先生の相談室9】

子どもが生まれると、成長に合わせていろいろな悩みが出てきます。健康のことはもちろん、しつけのこと、園生活でのこと、学習についてなど、「どうしたらいいの?」とふと誰かに聞いてみたくなる疑問は尽きません。そんなみんなが感じる育児のお悩みや疑問に、保育経験41年の元園長先生・田苗孝子先生に答えていただきました。ふっと気持ちが軽くなる、そんな先生のお答えをQ&Aでご紹介します。

子どもの健康、しつけ、園生活の悩みをズバリ解決!!

 

4歳の男の子です。スーパーに買い物に行くと、お菓子売り場で「買ってほしい」と言ってぐずり、私が折れるまで泣きわめきます。どうしたら我慢させることができるでしょうか。(千葉県 T・Aさん)

欲求は受け止めるが、受け入れない覚悟を持って臨みましょう

ぐずることでモノを手に入れることができた子どもは、ぐずれば欲求が満たせると思い、それを繰り返すようになります。そうして、やがて「今日は何をねだろう」と、さほど欲しいモノはないのに、自ら欲求を生み出すようになります。そして、そのようにして手に入れたモノはすぐに飽きてしまい、大事にしないことが多いですね。

相談者のお母さんの場合は、まず買い物に行く前に、お子さんと約束を交わしましょう。

「今日は、あなたのためにお菓子をきちんと用意してあるからお店では買わないよ。うちに帰ってから一緒に食べようね。それができるなら買い物に行こう」。

そう言って、子どもに納得させてから出かけるのです。けれども、そうして買い物に行ったとしても、習慣化している場合は、売り場でお子さんがせがむ場合もあると思います。そんなときは、子どもがどんなに泣いたり、暴れたりしても、

「あなたの欲しい気持ちはわかるけど、今日は買わない。約束したでしょう」

と言って、子どもの欲求をきちんと受け止めたうえで、それを断固として受け入れないこと。その覚悟を持って臨みましょう。

少し時間はかかりますが、こうしたことを繰り返していくうちに、やがてお子さんが我慢できるようになる日が必ず訪れます。大事なのは一度でも我慢ができたなら、すかさずほめてあげることです。子どもの我慢する意欲が高まります。

また、お子さんが何か特別に良い行いをしたときには「ママはあなたのしてくれたことがうれしかったから、今日はお菓子を買ってあげたい」と言って、あえてモノを与えるのもいいと思います。そうすることで、子どもの意欲が高まるだけでなく、そのお菓子にはお母さんの気持ちがこもっているということも学ぶことができます。

祖父母にはしつけのポリシーを伝えて協力をあおぐ

このように日常しつけをしていても、「孫に甘い祖父母がモノをどんどん与えてしまうので困っている」という悩みもよく耳にします。そんな場合は、勇気を出して、祖父母にしつけに対する親の考えをしっかり伝えて協力をあおぎましょう。子どもがより良く育つように願い、しつけをしているお母さんやお父さんの思いが伝われば、おじいちゃんやおばあちゃんも、安易にモノを与えないようになると思いますよ。

その一方で、誕生日など特別な日に祖父母から子どもがプレゼントをもらったときには、そのプレゼントにこめられた祖父母の思いをお子さんに意識的に伝えるように心がけましょう。モノがあふれている現代において、「自分の周囲にあるモノには、いろんな人の思いがこめられている」ということを子どもに伝えるのは親の重要な役目です。そして、このことを学んだ子どもは、モノに愛着を持ち、大事にすることができるようになります。

 

回答していただいたのは…

田苗孝子先生  宝仙学園幼稚園元園長。1949年広島県生まれ。2007年から20193月まで園長を務める。41年間にわたり、保育現場でさまざまな家庭で育つ子どもとその親を見守り続けた、その深い見識には定評がある。豊かな経験を活かして、『幼稚園』(小学館刊)で育児相談コーナーを担当。子育て中のママたちに温かなメッセージを伝えてきた。

 

 

構成/山津京子 イラスト/手丸かのこ 『幼稚園』2018年1月号

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