目次
モンベルに教えてもらう!アウトドアを楽しみながら身に着ける防災に役立つ知識
近年のキャンプブームの影響もあり、防災の備えとしてアウトドア用品を取り入れるという人も多くなってきています。そこで今回は、登山用品をはじめさまざまなアウトドア用品の商品開発を行っているモンベルの広報部課長 金森さんに、防災に役立つ知識やアイテムについてお話をお伺いしました。
お話を伺ったのは・・・株式会社モンベル 広報部 課長 金森智さん
モンベルが防災グッズを開発するようになったきっかけ
店内の一角に設置された防災グッズコーナー。モンベルが、防災グッズの開発・災害時に被災地で支援活動を行うようになったきっかけとは?
金森さん:1995年に神戸・淡路を襲った阪神淡路大震災が発生したときに、モンベルの本社が大阪なので社員の中でも被災した人がいました。代表の辰野が安否確認を含めて現場に行き、惨状を目の当たりにして、我々でできることをやろうということで震災支援活動を行ったことがきっかけです。
テント、寝袋、マットなどを倉庫から集めて貸出したのですが、多くの人が被災されていたので自社だけでは対応しきれずアウトドア関連企業さんやお付き合いあるところにFAXで支援をお願いして「アウトドア義援隊」と名前を付けて活動を始めました。
活動を続けていく中でアウトドア用品が災害時に役立つということを実感し、災害の時に使いやすいセットや防災グッズの開発に取り組むようになりました。
常備しておきたい!モンベルの防災グッズ
東日本大震災発生時にも支援活動を行っていたモンベルでは、津波被害を契機にライフジャケットも考案。さまざまな防災グッズの中から、人気があるおすすめの商品を教えてもらいました。
津波・水害に備える「浮くっしょん」
商品サイトは>こちら
普段は家庭や職場、学校などでクッションとして使用しながら身近に置いておくことができるライフジャケット。緊急時の備えとしてだけでなく、水辺でのアクティビティにも活用できます。はじめて使う方でも簡単・確実に装着できます。緊急時に使えるホイッスルも付属されています。
家族分常備しておきたい「O.D.トイレキット」
商品サイトは>こちら
アウトドアや災害時の使用に適した軽量コンパクトな携帯トイレです。付属の吸水ポリマーで尿や便が約1分で凝固し、ダブルチャックの防臭袋で確実に臭いを閉じこめます。自宅避難が続く際にトイレが使用できない場合も考え、数日分用意しておくと安心です。
簡易トイレや着替え場所に使える「ポップアップ ブラインド L」
商品サイトは>こちら
災害時の困りごとのひとつであるトイレ問題。避難時に屋外でトイレを使用するときの囲いとしても使えるポップアップ式テントです。アウトドアでの着替え場所やシャワールームとしても使用できます。
避難所でプライバシーを守る「ブラインド シェルター」
商品サイトは>こちら
体育館などで避難所生活をするときに、プライバシーを保護してくれる屋内用の緊急シェルターです。大人4人が余裕を持って体を休めることができる大空間で、家族の生活スペースや医療・着替えスペースなどとして、状況や用途に応じた使い分けができます。
防災グッズとしても役立つおすすめのアウトドア用品
登山やキャンプなどのアウトドアで使う道具が、災害時に役立つ!持っておいて損はない、人気のおすすめアイテムを教えてもらいました。
自分の足元を照らす「コンパクト マルチランプ」
商品サイトは>こちら
広い範囲を照らす広角レンズを搭載。コードの長さを調節すれば、ヘッドランプ、首から下げる、手首やポールに巻きつける、吊るすなどさまざまなシーンで使用できます。体に身につけられるライトは、暗闇での活動をサポートしてくれるので一人一個持っておきたいマストアイテムです。
夜も安心して過ごせる「パワーバンク ランタン ウォーム」
商品サイトは>こちら
目に優しくあたたかみがある電球色LEDを使用した大光量500ルーメンのUSB充電式ランタンです。コンパクトなデザインで、底部にはテント内などで吊り下げて使用できるフック付きです。6400mAhのリチウムイオン電池を内蔵し、予備のモバイルバッテリーとしても使用できます。テントや自宅で夜を過ごすとき必要なライトは、コンパクトなものを選べば持ち運びにも便利です。
省エネでおいしい「サーモンチーズ リゾッタ」
商品サイトは>こちら
リゾッタシリーズは、モンベルが開発したアウトドア用食品です。170ccの水で作れるので、お湯を沸かす熱量も省エネできる!水でふやかすだけでも、そのままスナック感覚でも食べられます。食べ慣れた味が非常食になれば、子どもたちも安心して食べられますね。
災害時に役立つアウトドアの知識
防災グッズもただ持っているだけではなく、いざというときに正しく使えるように実際に使うということも大切です。いつものキャンプもすこし工夫することで、家族で防災意識を高めるきっかけにもなります。
金森さん:登山でもキャンプでもアウトドアをするときは、まずはじめに計画を立てることが大切です。家族で何を持っていくか、どこで何をするのか、みんなで話し合って決めて、帰ってきたら反省会をして次に活かす。
キャンプ場についてからの分担作業も決めておけば、チームワークにも繋がります。なにもかも大人だけがやるのではなく、子どもにも仕事を与えて一緒にやる。火をおこしたり、調理をしたり、役割を持たせてステップアップしていくことで、アウトドア力が身に付きます。
例えば、キャンプをするときに、電気がないサイトを選び、ライトひとつでどのようなことができるのか自分たちで試してみる。簡易トイレを実際に使って過ごす。水道がないと仮定して、10リットルの水で過ごしてみるなど体験することで、水の使い道、道具の使い方の確認ができます。
快適に過ごせる工夫が大切
金森さん:キャンプではなくても、低い山を歩くだけでもいいんです。水筒をもってお湯を沸かして、温かいものを食べたり、自然の中に行くことで気づきがあると思います。被災時は、いかに快適に過ごせるかが大切です。アウトドアを楽しみながら、子どもたちが自然の中での遊び方を身につけることで災害時にゲームがなくても、心に余裕をもって過ごせるヒントになるかもしれませんね。
アウトドアを楽しみながら身に付ける防災力
キャンプ場で夜過ごす、簡易トイレを使ってみる、電気を使わない、荷物を持って歩くといった、災害時に経験することを日常的な楽しいイベントとして何度も経験しておくことで、被災時に過ごすときの心構えも変わってきます。
今回の取材では、アウトドアを楽しみながら防災力を身に着けることの大切さを教えてもらいました。モンベルのホームページでは、防災についての情報も発信しているので、ぜひ参考にしてみてください。
モンベル ホームページは>こちら
取材・文 やまさきけいこ