カンパチを制覇する! ブリ・ハマチとの違い、刺し身の盛り付け法、パスタ、お茶漬けレシピも

さっぱりとした脂とコリコリとした食感がおいしいカンパチ。クセもなく、食べやすいことから、目立たないけど人気があるお魚です。その特徴や、旬をご紹介しながら、きれいに刺身を盛り付ける工程をご紹介します。お刺身以外にも、おいしい食べ方は色々あります。

カンパチの特徴

切り身の状態で並んでいると、カンパチとブリの違いがわからない、という方は多いかもしれません。その違いはどこにあるのでしょうか

出世魚

「カンパチ」とはもともと東京特有の呼び名で、正面斜め上から見ると目の上の斜め帯が「八」の字に見えることに由来しています。

船の上からでも、見分けやすいのかもしれませんね。

また、大きさによって呼び名が変わる出世魚である点は、ブリと同様。小さなうちはショッコ、成長するにつれ、シオゴ、アカハナ、と名が変わり、80cm以上になるとカンパチに変化するのが、関東での呼び名です。

関西では60cmを境に小さなものをシオ、大きなものをカンパチと呼ぶそうです。

ハマチ、ブリと、カンパチの違い

ハマチはブリの別名なので、同じ魚です。その特徴は、カンパチよりも血合いが多く、全体に赤みが強い色をしています。

逆に、カンパチは血合いが少なく、薄ピンク色。

じつはカンパチもブリも、身の色を見て白身魚と勘違いしやすい共通点がありますが、正確にはどちらも赤い血合いがしっかりある赤身魚です。

こちらは、カンパチの刺身です。

さらに大きく異なるのは、旬。カンパチは初夏から初秋に漁獲量が最大となりますが、ブリは冬に旬を迎えます。

脂ののったブリ、あっさりしてコリコリしているのがカンパチです。

栄養とカロリー

カンパチのお刺身は100g当たり129kcalです。刺身一切れの重さは10gほどですから13kcal程度。魚類の中では標準的な範囲で、サンマ、ブリ、鯖と比較すると半分か、それ以下です。ただし、秋から冬にかけては産卵期前で脂がのります。

また、100g当たりの糖質は0.1gと、他の魚介類と比較すると少ない傾向にあります。

カロリーも糖質も低水準で、シンプルなお刺身でも、オリーブオイルと野菜を合わせてカルパッチョでも、ヘルシーな食べ方ができるお魚です。

カンパチの刺身

スーパーで買ったお刺身のパックをおいしそうに盛り付けるには、どんな点に気をつければよいでしょうか。最大のコツは、切れ味の良い包丁を使うことと、手で触れすぎないよう、サッと素早く盛り付けることです。

柵からの切り方

ご家庭のステンレス包丁でも、簡易砥石でサッと研ぐと十分おいしく切ることができます。

・そぎ切り

鮮度の高いカンパチは身が硬いので、薄切りがむいています。

【1】柵の高い方を奥に、右上がりに傾けて置きます。

【2】刃を寝かせ、手前に引いて薄切りにします。

左手を添えて、包丁で削ぐように。

・平造り

生魚は時間が経つと歯ごたえを失いますが、熟成されて旨味を増すのがカンパチの特徴です。二日目以降は、厚切りでむっちりとした歯ごたえを味わうことができます。

【1】柵の高い方を奥に置き、繊維を断ち切るように包丁を当てます。

【2】包丁の根本から刃先までを使って一気に引き切りします。そのまま切り身を端へ移動させ、できるだけ触らずに包丁からはずします。

そぎ切りとは逆に、右側から切っていきます。

【3】包丁の先は半月を描くように動かすイメージで。

・盛り付ける

ツマは、ただの添え物としての役割だけではありません。魚の生臭さを消して殺菌の役目を持ちます。大根の他、大葉、みょうが、わかめなどが使われます。きゅうりやわかめ、にんじんなどで代用もできます。

そぎ切りの刺身の場合は、丸めてから山に盛り付けると高さが出て、おいしそうに見えます。平造りの場合は、身を少しずらして並べてください。

わさびは、右手前に添えます。

シンプルですが、食欲が沸きます。

刺身の冷凍

余った柵は、冷凍保存ができます。

【1】水分をしっかり拭き取り、1切れずつラップでぴっちりと包みます。

【2】フリーザーバックに入れて冷凍庫へ。熱伝導率の高いバットにのせて、急速冷凍を心がけます。

・解凍

冷蔵庫に移動して、ゆっくりと解凍します。

・保存期限

1週間程度を目安にお召し上がりください。

切り身の漬け

切り身は、漬け汁に漬けておけば3日程度まで食べることができます。わさびと刻み海苔をのせ、熱々のお茶か出汁をかけてお茶漬けはいかがでしょうか。

◆材料

しょうゆ 大さじ3
みりん 大さじ2
酒 大さじ1

◆作り方

【1】鍋にみりんと酒を入れて、火にかけます。弱く沸騰させて、アルコール臭がなくなるまで煮きってください。

【2】しょうゆを加え、軽くひと煮立ちしたら火をとめて冷まします。

【3】切り身のカンパチを漬けて冷蔵庫で保存します。

ラップで落し蓋をすると、確実に漬かります。

カンパチの食べ方おすすめ2選

カンパチは脂が少ないため、あっさりとしています。生ならオリーブオイルをかければさっぱりと食べることができますし、塩焼きでも旨味が引き立ちます。

カンパチのカルパッチョパスタ

◆材料

カンパチ刺身 50g
生姜 1/2片

青しそ 5枚

【A】
オリーブオイル 大さじ2
レモン汁 大さじ1
薄口しょうゆ 小さじ1
ハーブソルトまたは、塩、こしょう 適量

スパゲッティ 100g

◆作り方

【1】カンパチの刺身を粗みじん切りにカットします。

【2】ボウルに入れて、外側を氷で冷やします。

【3】みじん切りにしたしょうがと、【A】を混ぜ、冷蔵庫に入れます。

【4】スパゲッティは表示茹で時間より1分多めに茹で、氷水で冷やします。

【5】スパゲッティの水分をキッチンペーパーで拭き取り、具材と青しそを一緒に和えます。ハーブソルトで味を整えてください。

アラの塩焼き

シンプルな塩焼きが合う魚ですが、カマの塩焼きは格別です。

◆材料

カンパチのカマ 1切

塩 小さじ2
日本酒 大さじ1

大根おろしまたは、レモン 適量

◆作り方

【1】血合いをしっかりと洗い流し、水気を拭き取ります。塩を振って20分ほど放置します。

【2】焼く前に、日本酒を振りかけ、両面に塩を振ります。

【3】温めた魚焼きグリルで焼いてください。最初は強火で、焦げ目がついたら弱火にします。

調理法はどれもシンプルでおいしい

生はもちろん、焼きでも煮物でもおいしい食べ方ができるカンパチ。調理方法もシンプルです。スーパーで見かけることも多く、比較的長い期間にわたって流通していますから、ぜひご活用ください。

お家できれいに刺身の盛り付けができると、味もおいしく感じます。クセのないお魚レシピを、おいしく味わってくださいね。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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