大人気恐竜絵本「トリケラトプスシリーズ」に恐竜好きキッズが夢中になるワケは?30周年原画展をレポート

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現在3歳5歳を育児中の母親のホウボウです。生き物の中でもとくに恐竜・古生物を愛する長男をきっかけに、「全国の恐竜イベントを探せる恐竜メディア」「探究舎」を作りました。これから恐竜にまつわる連載をスタートさせますのでよろしくお願いします!
今回の【連載第1回】は、子どもたちに大人気の「恐竜絵本作家」黒川みつひろさんと、現在開催中の原画展、新作の絵本をご紹介します。

人気恐竜絵本「トリケラトプスシリーズ」の作者・黒川みつひろさんの原画展が開催中

 

1992年にシリーズ最初の作品が刊行されてから今年で30年となる「恐竜トリケラトプス」シリーズ。 恐竜が好きなお子さん、またその親御さんなら知らない方はいないであろう、長年子どもたちに愛され続けている、大人気恐竜絵本シリーズです。 現在、銀座教文館ナルニア国にて、この絵本の作者黒川みつひろさんの最新刊『恐竜トリケラトプスとウミトカゲ』を中心とした、原画展が開催されています。 会期:2022.9.30(金)~10.26(水) 会場:教文館9階ナルニアホール 10時~19時(会期中無休) 10月10日、こちらで黒川先生による子供向けトークイベント「恐竜と化石のお話」とサイン会が行われました。

「トリケラトプスシリーズ」(小峰書店)は30周年

黒川みつひろさんの恐竜トリケラトプスシリーズは、草食恐竜トリケラトプスの子リトルホーンが、恐ろしい肉食恐竜たちと戦いながら仲間たちと成長していく冒険物語です。1992年6月に第1作『たたかえ恐竜トリケラトプス』が刊行されて以来、沢山の恐竜を愛する子どもたちに読み継がれ、今年で30周年を迎えました。

黒川みつひろさんとは

大阪出身。大阪市立美術研究所で絵を学ぶ。恐竜、古生物について造詣が深く、恐竜絵本作家として活躍中。子どもたちと恐竜の話をするのが好きで、各地で講演、ワークショップ、原画展なども行われています。作品は『恐竜の大陸1~7巻』『たたかう恐竜たち1~10巻』『恐竜図解新事典』『恐竜あいうえお』『恐竜ABC』(以上小峰書店)『新・恐竜たち』『けがをした恐竜』(以上こぐま社)など、多数出版。(一社)日本児童出版美術家連盟会員。

原画展は恐竜コーデの子たちで大賑わい!

教文館ナルニア国のオープン時間の10時。 エレベーターホールにはばっちり恐竜コーディネートの子どもたちがぞくぞくと集まり、その様子は筆者までワクワクするような光景でした。会期中、売り場エントランスの平台はぜんぶ黒川さんの恐竜絵本で埋め尽くされています。ずらずらと売り場に入るなり、このコーナーに歓声を上げ、親御さんと「まだ読んだことないのあるかな!?」「これ見たことなかった!」とキラキラした横顔で絵本を開く子どもたち。すごい絵本だ、と思いました。 お話の本のほかに、迷路やパズルの本、すごろくやかるた、大きなジグソーパズルもありましたよ!

原画展の様子

売り場の奥のナルニアホールが原画展の会場です。全壁面に迫力ある絵本の原画が展示されています。

筆者と同じように、わが子にせがまれて何度も何度も読んでやり、「いまから7000万年まえのアメリカたいりくのことです…」と暗唱できる親御さんは、きっと沢山いらっしゃるでしょう。 今まで何度も絵本で目にした、リトルホーンを連れて走るビックホーンの大きく鮮やかな原画に涙が出そうになったのは、きっと子どもたちだけではないと思います(笑)。

先生の描かれた様々な恐竜のスケッチも見ることができます。精密で迫力があるのに、図鑑とはまた違う、黒川さんならではのやさしさやあたたかさを感じる恐竜たちです。

 

黒川さんのトークイベントも盛り上がる

この日は事前予約制で、約40人の親子が集まり、黒川さんによる化石のお話や、不思議な恐竜手品、先生への質問コーナーで盛り上がりました。あの黒川さんから恐竜のお話が聞けるということで、子どもたちは大興奮。 テンポよい先生の問いかけに、手も沢山挙がります。

『ティラノサウルスのオスとメス、どちらが大きいか知っている?』

『メスー!』

『ティラノサウルスのメスとみんなのお母さん、どっちが怖い?』

『お母さん!』と答えた子に、

『ホント!?それは凄いね!史上最強の肉食恐竜の敵として絵本に登場させましょうね。』と応えると、親御さんからも笑い声が上がりました。

「トリケラトプスはどうして人気があると思う?」というお話では、

「草食恐竜というのは、肉食恐竜に出会ったときに逃げられるような形に進化していったものが多いのですね。でも、トリケラトプスに代表される角竜だけは、敵に立ち向かうように進化していったのです。逃げずに戦うというところが、すごくかっこいいですよね。」というお話に、皆大きく頷いていました。

最後の先生への質問コーナーでは、答えを考える前に手を挙げてしまうお子さんが沢山いたり(笑)、

その後のサイン会でも、「とにかく黒川さんとお話したい」子どもたちが大勢並びましたが、その1人1人にじっくり向き合ってお話しておられ、子ども達がファンになってしまうのも納得でした。

『トリケラトプスシリーズ』の魅力

先生に、「今まで恐竜の絵本は沢山出版されてきました。でもその他の絵本と違い、時代の流行りにも流されず、黒川さんの絵本が子どもたちに愛され続けるのはなぜでしょうか。」とお聞きしてみました。
黒川みつひろさん:「出版業界では昔から、『恐竜の絵本は出せば売れる』と言われています。でもそういう気持ちでは絶対に書きません。子ども達は、大人が気がつかないようなことにもよく気がつくし、本当によく見ています。なんでもわかってしまうのです。ですので本当に大変なんですが、1作1作一生懸命考えながら描いています。 それに、恐竜というものは、太古の地球の自然の中から生まれてきたもの、自然そのものです。だから、恐竜に惹かれるというのはある意味、本能みたいなもので、子ども達がそれに惹かれるのは当然のように思うのです。」
まっすぐに子ども達と向き合われている、あたたかな口ぶりに、黒川さんが愛される理由がとてもよくわかった気がします。 黒川さんが血を通わせた絵本の中の恐竜たちは、あのティラノサウルスですら、どこか強さと優しさを感じる魅力があります。

子ども達は絵本を読みながら、自分がビックホーンやリトルホーンになってみたり、

はたまた彼らをじっくり眺めながら、黒川さんを「恐竜の先生」のように尊敬してみたり、

また好きなシーンを何度も眺めては、黒川さんを自分と同じ「恐竜が大好きな仲間」のように思ったりしているのではないかなと思いました。

 30周年を迎えた2022年からの新シリーズ「恐竜しんはっけん」では、リトルホーンと父親のビッグホーンが、親とはぐれたデイノケイルスの子ども・ディノを群れに送り届けるため、北米からアジア大陸を旅していきます。第1弾『恐竜トリケラトプスとウミトカゲ』は、ディノとの出会いを描くはじまりの1冊。海のギャングともいわれるウミトカゲとの大迫力バトルが見どころです。 カバー裏は、黒川さん描き下ろしのぬりえとめいろを掲載した、スペシャル仕様となっています。  

♢黒川みつひろ先生のブログ 恐竜だいす記! (goo.ne.jp)

♢黒川みつひろ恐竜絵本原画展

会期:2022.9.30(金)~10.26(水)
会場:教文館9階ナルニアホール 10時~19時(会期中無休)
・今後の黒川先生のイベント

♢黒川みつひろ恐竜絵本原画展 ※今回とは展示内容が異なります。

会期:2022.11.2(水)~11.8(火)11時~18時(会期中無休)

期間中、黒川みつひろ先生が在廊されます(連日12時~最終時間まで)
会場:ブックハウスカフェ2F「ルームひふみ座 & ルームB」

【ホウボウ。/プロフィール】
5歳息子、3歳娘の母親です。

コロナ禍の子育てを通して、当たり前だった「体験ができること」の大切さとありがたみ、そして「子どもの興味のきっかけは心動く体験だ」と強く感じました。そこで、生き物の中でもとくに恐竜・古生物を愛する長男をきっかけに、「全国の恐竜イベントを探せる恐竜メディア」@探究舎https://hnmamablog.com/を制作、運営中。2022年8月月間19万pv超達成。

InstagramTwitterでは最新の恐竜イベント関連情報を発信しています。

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