子どものおやつの食べ過ぎ、野菜嫌いを解決するコツは?食育のプロに聞いた

好き嫌いや食べる量のムラ、おやつの食べ過ぎなど、子どもの食に関する悩みは尽きません。そこで今回は食育のプロフェッショナル、一般社団法人 日本食育学会の多田由紀先生に食育のコツから野菜嫌いやおやつの食べ過ぎの対処法などを伺いました!

子どもの食育とは?

筆者は、子どもに野菜のような栄養のある食べ物をあの手この手で食べられるようにするのが食育と思っていましたが、これは親の願望なのですね。

「食育」というと固いイメージですが、畑やプランターで野菜が育つ様子を観察したり、農作業を体験したり、家庭で料理のお手伝いをすることなど、身近にできることはたくさんあります。子どもへの食育の第一歩は、食に対する興味をもたせることが大事なようです。

では、食育にはどのような目的があり、食育をすることでどのような子どもに育つのでしょうか。

子どもの食事に関する研究をしている、一般社団法人 日本食育学会の多田由紀先生に詳しくお聞きしてきました!

Q.食育の目的を教えてください。

多田先生:さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、将来的に健全な食生活を実践することができる人を育てることが、食育の目的です。

Q.食育のコツは?

多田先生:食育をお勉強と捉えず、日常生活や会話の中に組み込んでください。例えば、子どもに料理の手伝いをしてもらう、家庭菜園で一緒に野菜を育てるのもいいでしょう。「固かったニンジンが、茹でたらやわらかくなったね」「炒めたら、お肉の色が変わったね」などの会話も、興味を広げるきっかけになります。

生活の中で体験を増やすのがコツです。

幼児の場合

料理の手伝いは難しいと思うかもしれませんが、野菜を洗う、キノコの房を手で分ける、こねる・まぜるなど簡単な作業はできそうですよね。

小学生の場合

野菜を育てる生活科や残菜のようなごみ問題を扱う社会科など、他の教科と連動して食育するのがおすすめです。こちらの方が食育単独より知識が身に付きやすくなります。

小学校高学年になると、自分でお菓子などを買う機会も増えるようですが、お菓子を食べすぎて夕飯のおかずを残してしまうということがないように、食品包装の裏面に記載されている栄養成分表示を見て、たとえばエネルギーが200kcal以内になる商品を選ぶなど、自分で判断して食べるものを選べるようになってほしいです。

野菜嫌いとおやつの食べ過ぎはどうしたらいいの?

とはいえ、食体験を積むと、子どもの好き嫌いも減るとは限りません。

Q.食体験を積んでも、偏食が直りません。どうしたらよいですか?

多田先生:食体験の効果は個人差が大きく、万人に効果がある策はありません。

食育によいと言われている野菜収穫体験も、子どもによっては、「なぜこんな面倒なことをしないといけないのだ」と疑問に感じます。

その子にとって何がツボにはまるのかを見極めるのが重要です。

効果が出ないからといって、焦ったり怒ったりすることは禁物。子どもに食に対するネガティブな感情を持たせることは避けてくださいね。

また、食体験は1、2回ではなく、継続的に実施してください。単発では、効果が現れるのがなかなか難しいと考えています。

-確かに、一度の食体験で効果はすぐには出ませんよね。

多くの親が悩まされている、野菜嫌いとおやつの食べ過ぎについてもう少しお話を聞かせください。

Q.どうしたら野菜を食べられるようになるでしょうか?

多田先生:子どもが野菜を食べない理由はまちまちです。

大人と同じ固さの食材は嫌がったり、大きな葉っぱが舌に貼り付くのを嫌がったりする子もいます。特に乳幼児期は口腔機能の発達状況の個人差が大きいので、切り方や固さが、その子の食べる機能と合っていないこともあります。

たとえ奥歯まで乳歯が生えそろっていても、嚙む力は3歳児では大人の1/5程度といわれています。子どもが食べている様子をよく観察して、場合によっては切り方や固さを工夫しましょう。

野菜の調理法で解決する方法

生野菜はダメでも茹でたりお肉と混ぜ合わせたりすれば食べられるようになった話を聞きます。調理法を工夫することが大切です。

栄養学的に解決する方法

また、栄養学的には、特定の野菜を食べなくても他の野菜で補えます。完食にこだわらず、まずは1口食べればOKにして子どもの負担感を減らすことで、徐々に食べ慣れていくケースもあります。

ちなみに、野菜を食べなくても食卓には出しましょう。

出さないと、永久に食べませんし、親がおいしそうに食べているのを見て食べるようになるかもしれません。子どもと楽しく会話しながら食べた方が、野菜摂取量が増えるという研究結果もありますよ。

Q.おやつの考え方についても教えていただけますか。

多田先生:まず、おやつも食事の一部である間食(補食)として捉えてください。子どもの胃は小さいので、3食では必要なエネルギーや栄養素が十分に摂取できず、間食で補う必要があります。

ただし、おなかのすくリズムが保たれる間食が大切です。間食は少なくとも夕食の2時間前には終えましょう。

果物や乳製品、おにぎりやパンのような補食になるものをおすすめします。お菓子のような嗜好品と比較して、夕食の野菜摂取量が増えるという研究結果が出ています。

スナック菓子のような油分の多いものを食べると、胃に停滞する時間が長くなり、夕食時の空腹感が減り、野菜が後回しになってしまいます(空腹は最高の調味料です)。

どうしてもスナック菓子を食べたいときは、小袋のものを選ぶか、小分けにしましょう。嗜好品は気分をリフレッシュする効果があるので、適度にとるのはいいかと思います。

-なるほど、おやつは補食だから、スナック菓子のような嗜好品より、今度は、おにぎりや焼きいもなど栄養価のあるものをたべさせたいです! 今日はありがとうございました。

親が手本にならなければいけない

筆者は、スナック菓子2袋を一気に食べているので、反省しました。多田先生のお話を聞き、まずは親が手本にならなければいけないと痛感しました。これから子どもにいろいろな食体験を継続的に積ませ、食に対して興味と正しい知識を持てるよう心がけていきたいと思います。

お話を伺ったのは…

多田由紀先生|一般社団法人 日本食育学会
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 准教授。一般社団法人 日本食育学会 代議員。管理栄養士。幼児・小学生の食に関する幅広い研究に従事。「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド(令和3年度厚生労働行政推進調査事業費補助金)」の作成に携わる。

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取材・文/峯 あきら ※写真はイメージです。

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