牛すじを柔らかくする方法は? 圧力鍋なしでも大丈夫! コツは下処理方法にあり

おでんやカレーなどの煮込み料理に使われる牛すじ。旨味が詰まっていてトロッとした食感が魅力の牛すじは、下処理が必要です。下処理を適切に行わないと固くなったり、臭みが残ったりします。
今回は、牛すじを柔らかくするコツや下処理の方法、保存方法、おすすめレシピなどの紹介です。

そもそも牛すじとはどこの肉?

牛すじとは、牛のアキレス腱の部分や、腱がついた肉の総称です。また横隔膜の一部を含むことも。その肉質は固く、独特の匂いを持っています。

気になるカロリーや栄養は?

プルプルとした食感が脂っぽく感じる牛すじですが、実は高タンパク低脂質。プルプルとした感触はコラーゲンによるもの。コラーゲンはタンパク質の1種で、牛すじには豊富に含まれます。脂質は他の部位の肉と比べると比較的少なく、ダイエットにも最適です。

またビタミン12やビタミンKも多く含まれ、貧血予防や骨粗しょう症の予防も期待できます。

気になる牛すじのカロリーは、100gあたり155kcal。牛肉のその他の部位のカロリーと比べてみると、和牛のばら肉が100gあたり517kcal、和牛サーロインが498kcal、そして和牛ヒレ肉が223kcalです。これをみると、牛すじは牛肉の中でもカロリーが低い部位であることがわかります。

なぜ下処理が必要?

牛すじは、そのままだと固く、独特の臭みや余分な脂、汚れがあるため、下茹でなどの下処理が必要です。下処理には時間がかかりますが、しっかり下処理をすることで、プルプルとして柔らかい、コクのある牛すじになります。

牛すじの下処理方法は?

牛すじの下処理方法は、下茹でして余分な脂や汚れ、アクをとることです。では牛すじの下処理で用意するものや下茹での手順をみていきましょう。

用意するもの

・大きめの鍋
・ボウル
・ザル
・生姜(皮ごと)… 5mm幅の輪切りにする
・長ねぎ(青い部分)

ボウルで水洗いする

ボウルにたっぷりの水を入れ、牛すじをすり合わせるように汚れを落とし、ザルにあげておきましょう。

水から茹でこぼす

大きめの鍋にたっぷりの水を入れ、牛すじを入れます。ここでのポイントは、牛すじは水から茹でるということ。水から茹でることで、余分な脂や臭みをしっかりとることができるのです。

牛すじを火にかけ沸騰させると、アクがたくさんでてきます。1分ほど沸かしたら、牛すじをザルにあげ、流水で表面についている汚れやアクを洗い流しましょう。

このとき、鍋にもアクがついているため、鍋もサッと洗ってください。

生姜とネギを入れて茹でる

そして再度、牛すじを水から茹でていきますが、次は鍋に水と生姜、長ねぎを一緒に入れます。鍋を火にかけ、沸騰したら弱火にして1時間半から2時間ほど加熱。アクが出てくるようなら、すくいとりながら茹でていきます。

牛すじの部位によっては、柔らかくなる時間が異なるため、硬い部位が多い場合はしっかり煮ると良いでしょう。牛すじが柔かくなれば完成です。

下茹でした牛すじ

下茹でした牛すじは鍋から取り出し、そのまま料理に使うことが可能です。また、下茹でしたスープにも旨味成分がたっぷり残っているため、出汁としても使うことができます。

下処理した牛すじは冷蔵・冷凍保存方法OK

下処理をした牛すじは、冷蔵保存で2~3日。冷凍保存で約3週間の保存が可能です。牛すじの保存方法をチェックしていきましょう。

下処理後の牛すじの保存方法

下処理した牛すじは、粗熱をとり、食べやすい大きさにカット。フリーザーバッグなどの保存容器に入れ、冷蔵もしくは冷凍保存します。冷凍したの牛すじは、そのまま調理に使うことが可能です。

牛すじをスープも一緒に保存する方法

保存容器にスープと一緒に牛すじを入れて冷蔵・冷凍保存することが可能です。調理する際は、牛すじをそのままスープごと鍋に入れて加熱することができます。

時短で牛すじを柔らかくする方法は?

牛すじに含まれるコラーゲンは、煮込む時間が短いと柔らかくなりません。そのため、牛すじの下処理や調理には時間がかかってしまいます。しかし、下茹でをしてる間ずっと手が離せないのは大変。

そんな牛すじの下茹で時間を短くする方法もあます。「なるべく時間をかけたくない!」という方はぜひ試してみてください。

一晩キウイやパイナップルに漬ける

キウイやパイナップルに含まれる酵素は、肉を柔らかくさせる効果があるといわれています。牛すじと一緒に漬け込んでおくと肉が柔らかくなり、下茹で時間を短縮することが可能です。

1、キウイもしくはパイナップルをすり下ろす。

2、下処理前の牛すじと、すり下ろしたキウイなどを一緒に保存袋に入れます。

3、保存袋内の空気をできるだけ抜き、冷蔵庫でひと晩寝かせます。

4、ひと晩寝かせた牛すじは、サッと水で洗い、下処理工程を行います。

通常、1時間半~2時間ほどかかる下茹で時間が、30~40分くらいに。また、キウイの風味が残る場合がありますが、調味料を加えるとそんなに気にならなくなります。

牛すじを使ったレシピを紹介

牛すじを使った簡単レシピの紹介です。今回は寒い時期に食べたくなる「牛すじシチュー」と「牛すじ煮込み」のレシピを紹介していきます。

牛すじシチュー

【材料(3~4人分)】

・牛すじ… 300g
・にんじん… 1本
・玉ねぎ… 2個
・じゃがいも… 2~3個
・市販のビーフシチューのルー… 適量
・ウスターソース… 大さじ2
・ケチャップ… 大さじ2
・ローリエ… 1枚
・サラダ油… 適量
・塩コショウ… 少々

【作り方】

1、牛すじは下処理を行い食べやすい大きさにカット、野菜も食べやすい大きさにカットしておきます。

2、鍋にサラダ油をひき、切った野菜を塩コショウで炒めます。

3、2に牛すじと、ローリエ、野菜がひたひたにかぶるくらいの水を入れ沸騰させます。

4、3にビーフシチューのルー、ウスターソース、ケチャップを入れ、弱火から中火で野菜が柔らかくなるまで煮れば完成です。

牛すじ煮込み

【材料】

・牛すじ… 300~400g
・こんにゃく… 1枚
・刻みねぎ… お好みで
・和風だしの素… 小さじ1
・醤油… 大さじ3
・酒… 大さじ3
・砂糖… 大さじ3
・味噌… 大さじ3
・水… 適量
・七味唐辛子… お好みで

【作り方】

1、牛すじは下処理をして食べやすい大きさにカット。

2、こんにゃくは食べやすい大きさにカットして塩をかけ、しばらく置いてから下茹でしておきます。

3、鍋に下茹でしたこんにゃくと、牛すじを入れ、ひたひたになるくらいの水を入れます。

4、3に和風だしの素を入れ、弱火で約1時間煮込みます。

5、1時間ほど経ったら、醤油、酒、砂糖、味噌を入れ、さらに1時間ほど煮込みましょう。

6、最後に刻みねぎと、お好みで七味唐辛子をかけてできがりです。

適切な下処理でトロ旨な牛すじに

牛すじは下処理が必要ですが、栄養価が高くヘルシーで様々な料理に使うことができます。特に冬など、煮込み料理が恋しくなる季節にはぴったりな食材。適切な下処理でトロトロ美味しい牛すじ料理をお楽しみください。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

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