ガボンってどんな国?
「ガボン」という国の名前を初めて聞いたという方もいるのではないでしょうか。ガボンはアフリカ大陸にある国で、国土の8割を森林地帯が占めることから、「地球の肺」とも呼ばれています。また1960年にフランスから独立して以来、内戦など大きな紛争は起きていません。
ガボンには自然豊かで、魅力的な場所がたくさんあります。さらに詳しくガボンについて見ていきましょう。
ガボン基本情報
まずはガボンの基本的な情報を見ていきましょう。
国名
ガボン共和国
首都
リーブルビル
場所
赤道直下、アフリカ大陸の中部西岸に位置する国家。
北のカメルーン、北西の赤道ギニア、東のコンゴに挟まれており、西でギニア湾に面しています。
日本との時差
8時間(日本のほうが8時間進んでいる)
面積
267,667平方km
日本の約1.4分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
ガボンは9つの州に分かれ、全部で50の県が存在します。ここでは9つの州をご紹介します。
・モワイエン・オゴウェ州
・ングニエ州
・ウォレウ・ンテム州
・オートオゴウェ州
・エスチュエール州
・ニャンガ州
・オゴウェ・イヴィンド州
・オゴウェ・ロロ州
・オゴウェ・マリティム州
人口
約228万人
東京都の人口の約6分の1にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
フランス語
民族ごとに特定の言語も使われています。
通貨
CFAフラン
1CFAフラン=0.22円(2023年2月25日時点)
宗教
キリスト教、伝統的宗教、イスラム教
キリスト教が約7割を占め、伝統的宗教とイスラム教が1割ずつ、残りは無宗教と無神論が占めています。
歴史
・先住民としてバントゥー系民族が暮らす
・1470年、ポルトガル人が渡来し、オランダ、イギリス、フランスが進出してくる
・1849年、フランスが影響力を強める
・1905年にコンゴから分割されて「ガボン植民地」が成立
・1960年8月17日にガボン共和国として独立を果たす
・初代大統領として「ムバ」が就任
・1993年12月、複数政党下で初の大統領選挙が実施された
天気・気候
赤道直下に位置し、熱帯雨林気候であるガボンは、9月~5月までの9か月間は雨季です。残りの6月~8月までの3か月間は乾季で、1滴も雨が降りません。
1年を通した気温は、22~30℃程度を推移し、湿度が高めです。日本人にとっては比較的過ごしやすい印象を受けますが、ガボンの人々にとっては22度程度まで気温が下がると、完全防寒対策するほど寒く感じるようです。
ガボンの治安・住みやすさ
南米に位置する国のため、とくに治安は気になるところでしょう。ではさっそく見ていきます。
治安は良くない
外務省から、ガボン全土で「危険度レベル1:十分注意してください」が継続して発表されています。銃器や刃物などを使用した犯罪の頻発、邦人を対象にした強盗やひったくりの発生が確認されているため十分な注意が必要です。
自動車の運転時やタクシーの利用でも犯罪や事故に巻き込まれる可能性があります。また、政治による治安の不安定さからデモや集会が行われる場合があり、巻き込まれると危険です。極力近づかないようにしなければなりません。
しかし、周辺のアフリカ諸国と比べると、比較的情勢が安定していると言われています。危険を覚悟したうえで、アフリカ諸国に訪れることを検討している方は、他のアフリカ諸国と比べて治安が安定している「ガボン」がおすすめです。
住みやすさは良くない
ガボンでの移動手段は主に、バスやタクシー、自動車です。しかし、整備されていない車が少なくなく、運転マナーも良くありません。交通事故が多く、日本のように気軽に利用できません。
また、医療事情については、熱帯雨林性気候の特徴的な病気(マリリアやデング熱など)に感染するリスクがあります。ガボンでは日本と同レベルの治療は難しく、不衛生な医療従事者もいます。手術が必要な病気など、大きな病気は近隣の先進国の医療機関を訪れた方がよいです。
食料品や日用品は、いくつかあるスーパーマーケットで大抵のものは購入できますが、ほとんどが輸入品になるため、欧州の2~3倍の物価になっています。
ガボンの見どころ・観光
ガボンには多くの見どころと観光スポットがあります。
ロアンゴ国立公園
「アフリカ最後のエデン」と呼ばれているロアンゴ国立公園。人の手が入っていない自然が広がっており、のびのびと野生動物たちが生息しています。運が良ければ、希少なマルミミゾウやバッファローなども見ることができるでしょう。日本では感じられない大自然を満喫できるエリアです。
アカンダ国立公園
敷地内には、日本では見ることのできない世界有数のマングローブ林を望めます。ガボンにあるマングローブは2008年時点で71,919haで東京ドームの約15382個分の面積にあたります。その中でも、保護されているマングローブ林をアカンダ国立公園で見ることができるのです。さらにアカンダ国立公園では、水上レストランがあり、自然の中で食事を楽しめます。
モン・ブエ市場
ガボンの最大市場です。観光スポットになっていますが、生活に必要なものが揃っているため、地元の人たちもよく利用しています。販売されているものは、衣料品や野菜やフルーツといった食料品、宝石などさまざまです。訪れるとガボンの人々の生活を垣間見ることができるでしょう。
ガボン国立芸術伝統博物館
2006年に建てられた、比較的新しい博物館です。ガボンの文化を知れる伝統工芸品や作品などが展示されています。展示されているものの解説や案内は、ガボンの公用語であるフランス語だけです。もし解説や案内を理解したい方は、ガイドが必要になります。
ポワント=ドニ・ビーチ
ガボンの首都であるリーブルヴィルにある人気の観光スポットです。観光客だけでなく、地元の人たちでも賑わっています。周辺には贅沢なホテルもあり、ポワント=ドニ・ビーチの絶景を望めます。リーブルヴィルからタクシーに乗ると、45分でアクセスできるため、首都に訪れたら必ず寄っておきたいスポットです。
ガボンの特徴・有名なもの
ガボンには観光スポット以外、どのような特徴、有名なものがあるのでしょうか。
チキンムアンバ
チキンムアンバはガボンの伝統料理で、鶏モモ肉とナッツのトマト煮を意味します。ソテーした玉ねぎを加えて煮込んでおり、素材の香りやコクを楽しめるのが特徴です。食べ方として、バゲットをチキンムアンバに付けて食べるのもよいでしょう。
世界で最も美味しい料理ランキングにもランクインしたほど美味しい料理なので、ガボンに訪れる機会があればぜひご賞味を。
野生動物の肉を食べる習慣
日本人も牛や豚、鶏、馬といった肉を食べますが、ガボンでは猿やワニ、ヤマアラシなどの動物を地域住民が狩って食べる習慣があります。
市場で野生動物が吊り下げられて販売されている光景を目の当たりにするため、初めて見た人は驚きを隠せないでしょう。しかしガボンの人々にとっては、これが当たり前なのです。どのような野生動物でも食べるわけではなく、ゴリラやゾウなど保護動物に指定されている動物は、食べることを禁止されています。
鉱物や農林資源が豊富
ガボンはマンガンをはじめとする鉱物資源や木材、カカオなどの農林産物が豊富です。日本もガボンからマンガンや木材などを輸入しています。
これらのおかげで、アフリカ諸国の中でも所得水準が高い国となっています。他にも、ガボンはアフリカ有数の産油国です。しかし、中期的に石油は枯渇するとも言われているため、脱石油依存経済を目指しています。
ビールの消費量が多い
キリンホールディングスが公表した2021年のデータでは、ガボンのビールの消費量(一人当たり)が80.4リットルで、世界で11位と報告されています。ちなみに日本の一人当たりの消費量は33.2リットルで、2倍以上の消費量だとわかります。
大自然を満喫できるガボン
ガボンには多数の自然林の保護区があり、手つかずの自然が広がっています。それにより、動物たちものびのびと生活していて、観光に訪れるとその光景を目の当たりにできます。
ガボンのことをますます知りたくなった方は、さらに詳しく調べてみましょう。周辺のアフリカ諸国に対する理解も深めましょう。
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文・構成/HugKum編集部