毎月が忙しくてつい見落としがちな日々の子供の成長。その一瞬一瞬を大切にしたいものです。今回は、「この本読んで!」編集部が厳選した「子供への愛にあふれている絵本」5冊を紹介します。
絵本の主人公をわが子に置き換えて読んでしまいそうな絵本が揃っています。
目次
たくさんの愛情に囲まれて育つちびゴリラの物語
『ちびゴリラのちびちび』
作/ルース・ボーンスタイン
訳/いわたみみ
1,250円(ほるぷ出版)
ちびちびというかわいいゴリラの子がいました。父さんも母さんも、おばあさんもおじいさんも、ちびちびが生まれたその日からとてもかわいがりました。ちょうちょも、オオムも、カバもキリンもゾウも、森のみんながちびちびを大好きでした。そんなある日、何かが起こりました。そう、ちびちびはどんどん大きくなっていったのです。子供の成長を見守り、みんながその成長を喜んで祝ってくれる、ただそれだけのシンプルなストーリーなのに、なぜか心をギュッとつかまれてあたたかくなる、読まずにはいられない絵本です。
ママも子供の時があったの?昔のアルバムを子供に見せてあげたくなります
『そらはあおくて』
文/シャーロット・ゾロトウ
訳/なかがわちひろ
絵/杉浦さやか
1,300円(あすなろ書房)
お母さんが小さかったころのアルバムを開いてみました。「こんな服を着て、こんな家に住んでいたのよ」と、お母さんは娘に話します。そのまた古いアルバムに貼られているのは、モノクロの写真。そこに写っているのは、私のお母さんのお母さん。おばあちゃんね? おばあちゃんも昔はこんなに小さな子どもだったのね。
子供に寄り添う親の心情が手にとるように伝わってきます。楽しいときも、つらいときも、悩みをかかえているときも、元気なときも、空はいつも青くて風は心地いい。世代を超えて受け継がれていく変わらないものを、心にしっかりと届けてくれます。
やんちゃでいたずらが大好きだけど、やっぱりかわいい!
『ダメよ、デイビッド!』
作/デイビッド・シャノン
訳/小川仁央
1,300円(評論社)
土をまき散らしながら、どろんこのままリビングをつっきるデイビッド。素っ裸で家を飛び出すデイビッド。家の中で野球のバットを振り回すデイビッド。はぁー。デイビッドのママじゃなくても絶対に「ダメよ!」と声を張り上げることでしょう。けれど、思いつく限りのいたずらとやんちゃができるのも、元気であればこそ。どんなにきかんぼうでもママはあなたが大好きだよ! と子供をギューッとハグしてあげたくなりますよ。
子供の可能性は無限!オバマ元大統領が娘にむけて書いた絵本
『きみたちにおくるうた』
文/バラク・オバマ
絵/ローレン・ロング
訳/さくまゆみこ
1,500円(明石書店)
ノーベル賞を受けた物理学者のアルバート・アインシュタインや、貧しく過酷な子ども時代にも負けず、人々の心に残る歌手になったビリー・ホリデイ。目が見えず、耳も聞こえないハンデを負いながらも努力して、体の不自由な人のために活動をつづけたヘレン・ケラーなど、アメリカ合衆国の偉人たちを例に挙げ、子供たちには無限の可能性とすばらしい未来があることを歌い上げます。第44代アメリカ大統領であったバラク・オバマが、娘たちに送るメッセージとして書いた作品です。
親子愛が伝わってくる不朽の名作!ギフトにもおすすめ
『ロバのシルベスターとまほうの小石』
作/ウィリアム・スタイグ
訳/せたていじ
1,300円(評論社)
ロバのシルベスターは、変わった色や形の石を集めるのが大好きな男の子。父さん、母さんと暮らしています。ある日、シルベスターは思いがかなう魔法の小石を見つけ、父さんと母さんを驚かせようと帰り道を急ぎました。ところが向こうからおなかをすかしたライオンがやってくるではありませんか。肝をつぶしたシルベスターは、あろうことか「ぼくは岩になりたい」とつぶやいてしまうのです。ある日突然、息子が行方不明になり、嘆き悲しむ父さんと母さん。望みは誰かが岩の傍らに転がっている魔法の小石を拾って、シルベスターがもとに戻るよう願いをかけてくれること。親子の再会はかなうのでしょうか。
1970年コルデコット賞受賞作品。邦訳初版の1975年から40数年たっても売れ続けている不朽の名作。
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絵本選書・文/「この本読んで!」編集部 構成/HugKum編集部