「富士宮」と聞くと、「富士宮やきそば」を思い浮かべる方も多いのでは? 富士宮やきそばは、B級グルメのイベントで優勝したことから、多くの人に知られこととなりました。しかし、実際に食べたことがない方や、「一般的なやきそばと、どう違うのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、富士宮やきそばの歴史や特徴などを紹介していきます。そして、「作って食べてみないことにはわからない!」ということで、実際に富士宮やきそばをお取り寄せして作ってみました!
富士宮やきそばとは?
富士宮やきそばは、静岡県富士宮市の郷土料理。コシのある麺、具には肉かすや富士宮市で採れたキャベツなどが入ったやきそばです。近年、全国的にも有名になった富士宮やきそばですが、食べられるようになったのは戦後まもなくだといわれています。まずは、富士宮やきそばの由来や歴史をチェックしていきましょう。
富士宮やきそばの歴史
富士宮やきそばは、富士宮市にあるお好み焼き屋が発祥だとされています。戦後、中国から帰還した人たちが、中国で食べられていたビーフンを再現しようと作った麺の1つが富士宮やきそばだそう。戦後の食糧難の時代に、少量の小麦粉と野菜があれば食べられる食事として広まったとされています。
当時、富士宮市には製糸工場があり、多くの女性が工員として働いていました。女性工員などが食事処として利用していたのが、安くご飯が食べられるお好み焼き屋です。多くのお好み焼き屋では、お好み焼きはもちろん、やきそばも提供されていました。
富士宮やきそばは、今では全国的にその名が広がり、富士宮市を代表するご当地グルメとして、町おこしの一環になっています。
富士宮やきそばの特徴とは?
富士宮やきそばを食べたことのない方にとっては、どんなやきそばなのか、想像がつきにくいと思います。富士宮やきそばの特徴や一般的なやきそばとの違いなどをみていきましょう。
コシの強い麺
富士宮やきそばの最大の特徴は、コシの強い麺です。一般的なやきそばの麺は、製造する際に麺を蒸したあとに茹でます。しかし富士宮やきそばの麺は、蒸したあとに茹でないのが特徴。麺を蒸したら、すぐに冷やし、油でコーティングします。そのため、一般的なやきそばの麺より水分が少なくなり、コシの強い麺になるのです。
そのような製法が取られたのは冷蔵技術がまだ発達していなかった時代、麺の日持ちを長くするためだといわれています。また富士宮やきそばの麺は、富士宮市にある4つの製麺業者の麺が使われていることがほとんどです。
肉かす
コシのある麺と同じくらい特徴的なものといえば、「肉かす」が入っていることではないでしょうか。「肉かす」は豚の背脂を高温で熱し、脂を飛ばして残ったもののことです。麺と野菜、「肉かす」を一緒に炒めることで、旨味がやきそば全体に広がります。
また「肉かす」は、富士宮市周辺でしか、ほとんど売られていないそう。それは富士宮市以外ではマイナーな食材であることや、あまり使う人がいないためだとか。静岡県以外に住む人にとっては、「肉かす」はあまり馴染みのない食材かもしれませんね。
仕上げにだし粉をふりかける
富士宮やきそばの最後の仕上げにかけるのが「だし粉」。ソースで味付けし、お皿に盛り付けたあとに「だし粉」をふりかけます。一般的には、イワシの削り節を粉末状にしたものが使われますが、店によってはサバやイワシの削り節を混ぜたものや、青海苔が入っているものもあるようです。
富士宮やきそばをお取り寄せして作ってみた!
実際に富士宮やきそばをお取り寄せしてみました。箱を開けてみると、2食分の麺、肉かす、だし粉のセットが入っています。キャベツと付け合わせに紅ショウガだけ用意しました。では記載されたレシピ通りに作っていきます!
下準備
・キャベツは洗って食べやすい大きさにカットします。
・肉かすも細かく切っておきます。
作り方
1、フライパンにサラダ油、もしくはラードを入れ、細かく切った肉かすを入れ、じっくり炒めます。
2、1にキャベツを入れ、キャベツがしんなりするまで炒め、塩コショウで味を整えます。
3、2に麺を入れ、軽くほぐして、水を入れて蒸し焼きにします。
4、3に付属のソースを入れ、強火で一気に炒めます。
4、器に盛り付け、最後にだし粉、紅ショウガをトッピングして完成です。
実食!
噛みごたえのあるモチモチとした麺に、ジュワっと広がる肉かすの甘味。牛肉や豚肉の細切れを炒めたものとは、また違った香ばしさと旨味を感じます。確かに一般的なやきそばとは、異なる味わいで美味しかったです。目玉焼きをトッピングしたり、お好みの野菜を追加しても美味しそう!
おすすめのお取り寄せ
富士宮やきそば8食セット マルモ食品工業
創業以来50年にわたってやきそばを作っているマルモ食品のやきそばセット。やきそば8食、肉かす(焼そばの友)1袋、マルモ食品特製ソース1食用×8袋(ソース)、のり入りいわし粉1袋が入って届きます。富士宮焼きそば B-1グランプリ2年連続グランプリ受賞の蒸し麺は、一度試してみる価値あり。
富士宮やきそば1食セット マルモ食品工業
まずはおためしで1食分だけ・・・という方にはこちらの1食セットも。ソースやトッピングも同梱されているので初心者でも安心。
自宅で作る富士宮やきそば風のレシピ
富士宮やきそばの特徴である、コシのある麺と肉かすは、富士宮市以外び住む方にとっては手に入りにくい材料です。そこで、一般的なやきそば麺を使う場合、麺を蒸し焼きする際、水は少なめにすると固めの麺に仕上げることができます。
また、肉かすは、豚の背脂が手に入れば、肉かすを作るのも良いでしょう。しかし手にはいらない場合は、豚バラ肉をカリカリになるまで炒めるのもおすすめです。自宅で作る富士宮やきそばのレシピを紹介します。
材料(2人分)
・やきそば麺… 2袋
・キャベツ… 1/4玉
・豚バラ肉… 150g
・ラード(サラダ油でもOK)… 小さじ1~2
・塩コショウ… 少々
・ウスターソース… 大さじ2
・中濃ソース… 大さじ1
・しょうゆ… 小さじ1
・紅ショウガ… 適量
・鰹節… 適量
下ごしらえ
キャベツを豚バラ肉は食べやすい大きさにカット。鰹節は、ビニール袋に入れ、よく揉み込んで粉状にしておきましょう。
作り方
1、フライパンにラードをひき、豚バラ肉を入れて、カリカリになるまでじっくり炒めます。
2、1にキャベツを入れ、しんなりするまで炒めたら、塩コショウで味付けます。
3、2にやきそば麺を入れ、少量の水を入れ、蒸し焼きにしましょう。
4、ウスターソース、中濃ソース、しょうゆを入れ、一気に炒めます。
5、器に盛り付け、鰹節を粉状にしたものをかけ、紅ショウガを添えたら出来上がりです。
お取り寄せして自宅で富士宮焼きそばを楽しもう
富士宮市のご当地グルメ、富士宮やきそばを紹介してきました。
ネットでは様々な富士宮焼きそばが売られています。ほとんどが、麺や肉かす、ソース、だし粉が一緒になったセットになっており、用意するのはキャベツなどお好みの野菜と紅ショウガだけ。作り方もとても簡単でした。富士宮焼きそばをテレビや本などで見て、気になっていた方は、ぜひお取り寄せして、自宅で富士宮やきそばを楽しんでみてください。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)