足し算の教え方の基本
足し算は算数の基本です。ステップアップ方式で足し算が簡単にできるようにしていきましょう。
Step1|和が10までの足し算からはじめよう
最初からくり上がりの足し算をしてしまうと、難しく感じてしまいます。ひょっとすると、算数が嫌いになってしまうかもしれません。最初は、和が10以下になる足し算からはじめましょう。「1+5」、「3+4」などです。ドリルなどを利用してもいいですし、ものやおもちゃを使ってもいいでしょう。
Step2|10のかたまりをおぼえて、くり上がりをマスター
くり上がりを理解するためには、10のかたまりを覚えましょう。10のかたまりとは、10を2つの数に分けることです。10のかたまりには、
1と9、2と8、3と7、4と6、5と5、6と4、7と3、8と2、9と1
の九通りあります。これを覚えることにより、くり上がりの計算が楽にできるようになります。
くり上がりの計算は、次のような「手順」によって答えを出します。
8+4=12
① 8にあといくつで10になるかを 求めて2(10の分解)
② 4を2と2に分ける(数の分解)
③ 8+4を、8+2+2とする (式の変換)
④ 8+2で10(10の合成)
⑤ 10+2で、答えは12 (10のたし算)
もし、答えが間違っている場合は、どこで間違えたかを親が分析してあげてください。くり上がりが間違っている場合は、手順①④にある10の分解・合成(10を2つの数に分けたり、10になる数を合わせたりすること)や、手順②にある数の分解(数を2つの数に分けること)がすらすらできないことが原因です。10のかたまりをしっかり覚えるように、10を2つの数に分ける練習をしましょう。
Step3|二桁の足し算や筆算の足し算にチャレンジ!
二桁のたし算や筆算のたし算は、一の位がくり上がるのかどうかがポイントです。瞬時にくり上がるかどうかが判断できるようにしておきましょう。
二桁と一桁のたし算の「手順」は、以下のとおりです。
16 +7=23
① 一の位同士をたす 6+7=13 (くり上がりの計算)
② 十の位と一の位をたす 10+13で、答えは23
筆算も一の位から足し算していきます。くり上がりがあれば、十の位の数字の上にくり上がった数を書いておきます。それから、十の位を足し算しましょう。もし、十の位にもくり上がりがあれば、それを答えを書くところに書きます。筆算は、一の位、十の位をきちんと整列させて書くのがポイントです。
足し算の教え方のワンポイントアドバイス
足し算を子供に教えるときのちょっとしたコツをお教えします。
指を使って足し算するのはいい?悪い?
指を使った足し算はおすすめできません。いったん指を使うクセがついてしまうと、解消するのにひどく時間がかかってしまいます。もし放っておくと、複雑な計算に対応できないなんてことにもなりかねません。
その場合、1種類の計算プリントに毎日取り組ませてみてください。「指を使わないほうが速く計算できる」ことを子供が実感すれば、おのずと指を使わなくなります。
ものを使って数を覚える
数字を理解していない子供には、まずはものを使って覚えさせるようにしましょう。ものを使えば、視覚的にものと数字を理解させることができます。使うものは、おはじきや飴玉などがおすすめです。なるべく、同じ形のものを利用する方がよいでしょう。
また、足し算に対応した算数の教材を使うのもおすすめです。玉そろばんや知育玩具、足し算ポスターなどなら、楽しく学べます。
足し算に慣れるにはドリルを解くこと
ドリルやプリントを使ってたくさん計算をしましょう。ドリルを解くことで、足し算に慣れることができます。しかも、集中力もつくのがいいところです。1種類の計算プリントに毎日取り組ませ、プリントが終わるまでの時間を計るとよいでしょう。だんだんスピードアップできるようになれば、モチベーションも上がります。
くり上がりの問題だけをやらせない
くり上がりができないからといって「くり上がり」の問題だけをずっとさせないようにしましょう。いつまでも解けないばかりか、算数嫌いにつながってしまいます。
1週間取り組んでも「くり上がり」がスムーズにできないならば、くり上がりの問題だけにこだわらず、「合わせて10になる数」や「9までの数を2つに分ける」など、の練習をするようにしましょう。
幼児への足し算の教え方
幼児でも、足し算なら楽しく算数に触れることができます。足し算を幼児が学ぶメリットや、幼児への教え方をご紹介します。
幼児期から足し算を覚えるメリット
小学校に入る前からたし算ができれば、算数の授業が楽に取り組めるるようになります。また、算数という学問にも興味をもつことができますね。さらに、幼児期から計算することで、処理スピードが上がり、集中力も養うことができます。幼児期からの足し算(計算)はいいことづくめなのです。
まずは数の理解から始めよう
いきなり足し算の概念を教えても、子供には理解できません。まずは、「数」とはなにか、をわからせるようにしましょう。そのためには、ものを使ってください。たとえば飴玉を2個テーブルに置き、「2つ」と声に出します。ものの数を変えて、その数を言いましょう。これを何度も繰り返すうちに、数を理解します。このとき、形や色が同じものを使うようにすると、子供の混乱せずにすみます。
また、身の回りにある数字を見ながら、声に出して言うのも数字の理解を深めます。すぐにはじめられるので、やってみてくださいね。
歌が覚えやすい
幼児期なら、足し算を歌に合わせてやってみると、覚えやすいでしょう。動画サイトにさまざまな足し算の歌がアップされているので、それを参考に、子供といっしょに歌ってみてください。楽しく足し算を覚えることができますよ。
楽しくないと子供は興味を示さない
幼児にいきなり計算問題をみせながら教えても、ちっとも興味を示さないのではないでしょうか。
いかにも「お勉強」というスタイルは、子供を勉強嫌いにさせてしまう可能性があります。
幼児に足し算を教えるときは、子供が楽しめる工夫が大切です。たとえば、子供が好きなお菓子やおもちゃを使うのもいいですし、散歩中に電線にとまっている鳥の数を数えて足してみるというのでもいいかもしれません。またスーパーに行って「◯個と◯個でいくつかな?」など、家の外でも実践すると、「足し算したい!」という気持ちにさせることができます。
足し算が得意になる、おすすめの勉強法
ドリルやパズル、知育玩具などを利用して勉強すると、足し算が得意になります。いろいろ試してみてくださいね。
蔭山メソッドforキッズ はじめてのたしざん(小学館)
「百ます計算」でお馴染みの陰山先生が、就学前幼児のための計算ドリルを考案しました。その内容は、絵やパズル、おもしろ話が満載の計算ドリル。子供たちが、楽しいな、おもしろいなと夢中になるうち、結果的にたし算が「できる」ようになる魔法のような教材です。
ママパパの口コミ
賢くなるパズル たし算 初級 (宮本算数教室の教材)(学研プラス)
「最高の教材を渡して放っておくだけで子どもは伸びる」という驚愕のメソッドを提唱する「宮本算数教室」。そちらを主宰している宮本哲也氏が考案したパズル教材です。たし算を使うパズルが段階式に掲載されているので、成長を実感できます。また、計算力はもちろん、思考力、集中力も鍛えられます。未就学児から小学校全学年まで対応しているのも魅力です。
ママパパの口コミ
くもんの玉そろばん120(くもん出版)
よくあるのは100玉のそろばんですが、ご紹介する「くもんの玉そろばん120」は、名前からもわかるとおり、120玉のそろばんです。120までの数を玉をはじきならが声に出すことで数の規則性に気づき、121以上の数の理解ができるようになります。さらにたし算・ひき算の力につながります。また、数の学習ができるシート(「助数詞」、「数えていくつ」など)が入っているのもポイントです。
ママパパの口コミ
学研のあそびながらよくわかる さんすうタブレット(学研ステイフル)
この『さんすうタブレット』は、これひとつでたし算・ひき算・かけ算・わり算の学習ができる優れもの。コンパクトで持ち運びができるので、いつでもどこでも遊びながら学べます。
最初の学習では、数の概念を理解しやすいように、絵を使ってたし算・ひき算の仕組みが覚えられるシートも付いています。「もんだいもーど」付きで、繰り返し何度でも問題を解くことができます(問題は全部で438問を収録)。
どんな桁のたし算だってどんとこい!
たし算の最大のポイントは、くり上がりです。そこがクリアできれば、どんな桁のたし算でも解けるようになります。そして、くり返し足し算の計算をすることで、算数力アップにつながります。ぜひ、普段の生活の中で、数を意識した声かけをしたり、ドリルをうまく活用したり、おうちでも算数力がつくようにお子さんに教えてあげてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部