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90歳のお祝いをなぜ「卒寿」という?
「卒寿」という言葉を聞いたことがあっても、なぜ卒寿というのかを知らない人もいるかもしれません。90歳の節目のお祝いを卒寿と呼ぶ理由を、まずは見ていきましょう。
「卒」の俗字「卆」が九十に見えるため
「卒」という漢字の俗字「卆」が「九十」と読めることから、90歳あるいはそのお祝いのことを卒寿といいます。
長寿のお祝いは、60歳の還暦(かんれき)以降多々ありますが、中国から伝わった還暦と古希(こき・ 70歳)以外は日本で生まれたお祝いで、漢字遊びのような楽しさがあります。
厚生労働省の調査によると、2019年における日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳です。卒寿は平均寿命を超えた、まさに長寿のお祝いといえるでしょう。
卒寿のお祝いはいつ、どこで行う?
卒寿のお祝いは、どのようなタイミングで行うのがよいのでしょうか。本人の体調や家族の都合を考えて、無理のない予定を立てましょう。
数え年90歳で祝うのが昔からの習わし
卒寿のお祝いは数え年90歳でお祝いするのが昔からの習わしですが、現在では満年齢で行うことも多いようです。
数え年は生まれた日を「1歳」として、正月を迎えるたびに加齢していく数え方です。一方、満年齢は生まれた日を「0歳」として、誕生日を迎えるたびに加齢していく数え方をいいます。
本人と家族の都合が合えば、お祝いのタイミングは数え年でも満年齢でもどちらでもかまいません。ただ、本人にとっては1年でも早いほうが、体力的に安心できるともいえるでしょう。
誕生日や家族が集まりやすい日にお祝いを
卒寿は一生に一度のことなので、ぜひ家族や身内でお祝いをしてあげたいものです。関係者全員で打ち合わせをして、日取りを決めましょう。その際、いくつかの日程候補を考えてから相談すると、結論が出やすくおすすめです。
一般的には、誕生日や敬老の日といった節目に行うのがよいとされていますが、他の日でもかまいません。盆正月やゴールデンウィークなど、皆が集まりやすい日を選ぶとよいでしょう。
できれば夏・冬の気候が厳しい時季は、避けるのが無難です。本人の体調を第一に考えましょう。
場所は自宅などでの食事会がおすすめ
90歳という年齢を考えると、体力的に旅行や外食よりも自宅での食事会のほうが安心です。もちろん本人の希望があれば、思い出の場所などを一緒に旅行しても楽しいでしょう。家族のサポートがあれば可能という状態なら、実現させてあげたいものです。
もし、高齢者施設などに入居していて、自宅での食事会も旅行も無理ということであれば、プレゼントを贈るだけでも喜ばれます。何より大切なのは、気持ちを伝えることです。
卒寿のプレゼントを選ぶポイント
卒寿のプレゼントには、どのようなものがふさわしいのでしょうか。「金額の相場は?」「マナーは?」「タブーはあるの?」など、プレゼントを選ぶ上でチェックしたいポイントを見ていきましょう。
シンボルカラー「紫・白」をチョイス
卒寿のシンボルカラーは「紫」と「白」です。
紫は、古代の日本では高位を表し、聖徳太子が制定した「冠位十二階」では最高位の色でした。また西洋でも「帝王紫」などといい、染料の原料が貴重なことから高貴な色とされていました。
白は、卒寿以降の全ての長寿のお祝いに共通のシンボルカラーです。白という色には、純粋無垢・神聖といったイメージがあるからといわれています。
このように、よいイメージのある紫と白を用いることで、長く生きてきたことに対し敬意を示すという意味があるようです。そのためプレゼントには、紫または白を基調とする品物を選ぶのがおすすめです。
プレゼントの相場に合わせて決める
プレゼントの相場はその家庭によってさまざまなので、家族と相談して決めるのがおすすめです。温泉旅行やレストランでの食事会など高額のプレゼントは、他の家族と共同で行えば軽い負担で済みます。
一般的には、両親へのプレゼントなら2~3万円、祖父母なら1~2万円、親戚・知人は1万円程度と考えておけばよいでしょう。
また、心を込めたプレゼントを手渡す際には、優しい言葉をかけたり、手紙を添えたりすると喜ばれます。気持ちを相手に伝えることが、何よりも嬉しいプレゼントになるからです。
関係性や相手の状況に合わせて選ぶ
プレゼントを贈る相手との関係性によっても、何を贈るのがよいかが変わってきます。
祖父母など近しい間柄なら、名前やメッセージを入れた記念品も喜ばれるでしょう。とはいえ、記念品は「ずっと飾っておけない」「飾る場所がない」などの理由で、気に入ってもらえないのではという心配もあります。
そのようなときは、暮らしに役立ち、普段使いできるような実用品もおすすめです。これからも長生きしてほしいという願いを込めて、健康を気遣うようなアイテムも喜ばれます。
その際、「足腰が弱い人に散歩グッズを贈る」というようなことがないように、プレゼントは相手の体調を考慮して選びましょう。
カタログギフトもおすすめ
贈るものを決められないときは、カタログギフトを贈るという方法もあります。カタログギフトのメリットは、本人が好きなものを選べることです。高級感のあるカタログのページをめくるだけでも楽しいものです。
カタログギフトには品物のプレゼントだけではなく、旅行やレストラン・カフェなどの体験型ギフトもあります。価格は数千円のものから10万円程度まで、豊富なバリエーションがあるためチョイスに困りません。
カタログギフトにはメッセージも付けられるので、気持ちを込めた言葉を添えて贈ってみてはいかがでしょうか。
RINGBELL「プラスグルメカタログギフト」
Amazon「カタログ型ギフトカード」
プレゼントには避けたほうがよいものも確認
卒寿のプレゼントとして避けたほうがよいものとして、次のようなものがあります。
●櫛(くし):「苦」と「死」を連想させるため。櫛の歯が欠けると不吉であるため
●ハンカチ:別れの涙を連想させるため
●杖・補聴器・老眼鏡など:老いを感じさせて気分を害してしまいかねないため
●現金・商品券:失礼に当たる場合があるため。プレゼント選びを怠ったと思われることがあるため
また、健康器具は本人の体形や体調に合わせて選ばなくてはならないので、体形などを確認できる場合でない限りは、プレゼントには向かないといえます。
とはいえ、上記の例はあくまでも「一般的に避けたほうがよい」ものであり、気にしない人もいます。本人の希望を聞いた上で決めるとよいでしょう。
卒寿のプレゼント「記念になるもの」
名前やメッセージを書き込んだ記念品は、いつでも見られるよう飾っておけるので喜んでもらいやすいアイテムといえます。他の人に見られても恥ずかしくないもの、飾る場所に困らないものを選びましょう。
千里画房「お名前ポエム Sサイズ」
卒寿の記念の贈り物であること、名前・贈る人との関係性、伝えたい想いなどをポエムにして贈るプレゼントです。贈る人と贈られる人の間柄ならではのエピソードをもとにポエムを作成するので、世界でただ一つしかないプレゼントになります。
できあがったら画像で確認してから、送付してもらえるので安心です。ポエムの修正も可能なので、納得のいく言葉を選びましょう。メッセージに合わせてイラストを選ぶことも可能です。
有田焼やきもの市場「卒寿祝い 桜の花びら形になる湯呑み」
400年の伝統を誇る有田焼の湯呑みで、内側が花びらの形に作られています。そのため、お茶を入れると桜の花びらが浮かび上がるかのようです。卒寿祝いの言葉を銘記した木箱入りで、木箱に押された制作者の落款に高級感が漂います。
有田焼は佐賀県有田町の伝統工芸で、美術品から嗜好品まで制作されており、現在でも数多くの窯元が存在します。一つひとつ手作業で作り上げる、有田焼の逸品をプレゼントしてはいかがでしょうか。
プティルウ「長寿ベア(ケース&フレグランスソープフラワー)」
テディベアのぬいぐるみとフレグランスソープフラワーのセットです。卒寿のシンボルカラー・紫のちゃんちゃんこを着たかわいいテディベアは、透明ケースに入っています。テディベアの足には「祝 卒寿」の文字と、長寿の象徴の「鶴と亀」が描かれています。
ソープフラワーは、花びら一枚一枚を石鹸でかたどった花です。枯れることがなく、生花のような手入れも不要で、石鹸のさわやかな香りとともに長く楽しめます。
どちらも両手に収まるほどのサイズで、玄関などに気軽に飾れるのがおすすめポイントです。
卒寿のプレゼント「花」
卒寿での花のプレゼントもまた、紫・白を基調としたものが人気です。その他のカラーの花も含め、プレゼントの定番「花」のおすすめを紹介します。
うさくまフラワーショップ「和風フォトフレーム」
プリザーブドフラワーをアレンジした、和風のフォトフレームです。左側には写真またはメッセージを入れられます。メッセージは220文字以内で自由に書いて申し込むこともできますが、定型文から選ぶことも可能です。内容と文字数に応じて、きれいにレイアウトしてくれます。
プリザーブドフラワーとは、美しい時期の生花に保存加工を施したものです。枯れることがなく、水やりも必要ありません。花粉や香りはありませんが、生花よりもカラーバリエーションが豊富なのが特徴です。
こちらの商品は、卒寿のシンボルカラーである紫以外にも、ピンク・イエロー・グリーンの計4色から選べます。
RERXN「ソープフラワー」
2匹のベアのぬいぐるみと、青いバラを中心とした13本の花をブーケにした商品で、花束に紛れ込んだベアがかわいらしさを演出します。花束には電池式LEDライトが回しかけられているので、部屋の照明を落とすと一層雰囲気が盛り上がります。
石鹸でできたソープフラワーは、花びら一枚一枚がまるで生花のような繊細さがあります。手入れが不要で長く鑑賞できるので、長寿のプレゼントとして喜ばれるでしょう。メッセージカードに長寿を願う言葉を添えれば、きっと気持ちが伝わります。ブルーを基調とした色合いと清潔感漂う石鹸の香りは、男性にも好評です。
プリザーブドフラワーIPFA「フレーム時計 ライラック」
フレーム内に、卒寿のシンボルカラーである紫・白のバラをあしらった時計です。時計なので、好きな場所にセッティングできる手軽さが魅力でしょう。
落ち着きのあるカラーは、性別を選びません。また紫・白以外にもカラーバリエーションが豊富なので、好みに合わせて選べます。フレームカラーも、白以外にブラウンもチョイスが可能です。同梱のメッセージカードに祝福の気持ちを書き込んで、卒寿の記念に贈りましょう。
卒寿のプレゼント「嗜好品・食品」
日々の生活の中で三度の食事は、健康のために大切にしなくてはなりません。健康のことを考えた、おいしいものをプレゼントするのはいかがでしょうか。
糸島うまかもんセレクト「卒寿 プレゼント お茶漬けセット」
高齢の人でも食べやすい具材が、丸ごと入ったお茶漬けセットです。内容は「鯛茶漬け」「鮭茶漬け」「たらこ茶漬け」「ふぐ茶漬け」「はまぐり茶漬け」と、シジミまたはアサリのお味噌汁2袋です。
ジュール加熱という特殊製法で旨味を閉じ込めているので、存在感のある具材を楽しめます。常温保存できるため、受け取った人も保管場所に気を遣わずに、気が向いたときに食べることが可能です。
宝寿園「野草十八茶 宝寿茶」
年齢を重ねると食べられる量が限られてくるので、食事で十分な栄養を摂取できないこともあり得ます。そのようなときには、和漢の健康素材が18種類配合されている「野草十八茶 宝寿茶」がおすすめです。
宝寿茶には、ハブ草・クマザサ・ドクダミ・プーアル茶など良質の野草が含まれています。漢方における考え方・陰陽五行「木・火・土・金・水」をバランスよく摂れて、体調を整える効果が期待できます。また、カフェインが少ないので就寝前の水分補給に飲めるところ、ティーバッグを急須に入れると6~7杯出せるので気兼ねなく飲めるところも嬉しいポイントです。
叶 匠壽庵「あも歌留多詰合せ」
滋賀県産の餅米の最中種で、叶 匠寿庵人気の「あも」をはさんだ、手作り最中を楽しむセットです。華やかな百人一首の歌留多(かるた)絵柄が、お祝いの雰囲気を盛り上げます。
「あも」は、丹波大納言小豆をじっくり炊いて糖蜜をふくませた餡です。丹波大納言小豆は皮が薄いので、口中でふっくらと優しくほどけます。硬いものが苦手な高齢の人であっても、楽しんでもらえる最中といえるでしょう。
卒寿のプレゼント「小物・衣料品」
卒寿のプレゼントとしては、普段使いのできる実用品も喜ばれるものです。本人の希望を聞いて選ぶとよいでしょう。
ミライスピーカー「MIRAI SPEAKER Home」
「MIRAI SPEAKER Home」は、テレビの言葉が聞きやすくなるスピーカーです。大音量にしなくても聞き取りやすいので、家族や隣近所に遠慮することなくテレビを見られます。
約8.6×14.3×21.2cm、690gと軽量小型で持ち運びが簡単なので、聞きやすい位置に合わせて設置できます。家族と一緒にテレビを見るときも、家族にちょうどよい音量で高齢の人もテレビ番組を楽しめるので、家族団らんの時間が増えるかもしれません。
pajamaya「ガーゼパジャマ ベーシック ノビーゼ“UNO”」
肌に優しいガーゼパジャマは、何枚あっても役に立つものです。自分では買わないかもしれない、ちょっと高級感のあるパジャマは卒寿の素敵なプレゼントになるでしょう。
2重仕立てのガーゼパジャマはゆったりとした作りで、ストレッチ感覚も快適です。コットン100%で肌あたりがよく、縫い目が肌に触れないように、内側は袋縫いまたは折伏せ縫いが施されています。吸水性・通気性に優れたガーゼならではの感触を堪能できるでしょう。前開きタイプなので入院時にも活用できます。
TCマート「つば広コンパクト日よけ帽子」
その日の服装や気分で取り替えられる帽子は、プレゼントされて嬉しいアイテムの一つです。コンパクトに折りたためて、持ち運びに便利な「つば広コンパクト日よけ帽子」は、紫外線防止に適しています。
顔周りをすっぽりと覆うようにつばが広がり、あご紐付きなので風が強い日でも安心して着用できるでしょう。暑い季節に嬉しい綿麻素材で、自宅で洗濯できるのも普段使いできるポイントです。
卒寿のお祝いのまとめ
卒寿のお祝いは、数え年または満年齢で90歳になったときに行います。お祝いする際は、本人の健康やその日の体調を第一に考えて、計画を立てる必要があります。
医学が発達し生活様式が変わってきた現代では、めでたく卒寿を迎える人も増えていますが、昔なら奇跡のような年齢です。卒寿はまさしく長寿を祝うイベントといえます。
お祝いに何を贈るかも大事ですが、家族で温かくお祝いすることで、心に残る思い出のひと時となることでしょう。それはきっと、何よりも嬉しいプレゼントになるのではないでしょうか。
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構成・文/HugKum編集部