カシスリキュールの魅力は、ジュースのように飲みやすい点ですが、他にもお菓子や料理での使いやすさも見逃せません。アルコールの有無に関わらず、ご家庭で愉しむカシスについて、ご覧ください。
カシスリキュール
カシスオレンジカクテルのベースはカシスリキュールです。カシスについて、詳しくみていきます。
カシス
カシスとはクロスグリの実のことで、酸味の強い黒い実です。リキュールの他、ジャム、ゼリー、アイスクリームなどに利用されるベリー類で、イギリス、ヨーロッパなどではクッキーも多数作られています。世界最大の産地はポーランドです。
国内では青森県、長野県、山梨県で特産品とされています。
サントリー ルジェ クレーム ド カシス 【リキュール 700m】
カシスリキュールの元祖といえば、フランス、ブルゴーニュ地方のルジェ社のクレーム・ド・カシスです。保存料や添加物が加えられておらず、アルコール度数は20%です。
MONIN(モナン)カシスシロップ 700m
こちらはノンアルコールの甘いシロップです。フランスを代表し、ノンアルコールシロップのトップブランドとして知られるモナン社の商品です。
サントリー ほろよい カシスとオレンジ 350ml×12本
アルコール度数3%で、微炭酸の爽やかなカクテルです。グラスに注ぐと、ピンクオレンジ色が華やかなお酒です。
度数
カシスリキュールのアルコール度数は15度〜20度のものが一般的です。実際に口にする際は、3〜5倍に薄めるため、カクテルの度数は3〜5%と低くなり、女性に飲みやすいカクテルとして人気です。
賞味期限
カシスリキュールは、アルコール度数がそれほど高くないリキュールに分類されます。開封後は冷蔵庫に保存して、早めに消費してください。その目安は、10〜20日程度です。
ただし、「クレーム・ド・カシス」の場合は糖度が高く、保存期限は若干長くなります。といっても、ベリー類のジャムを思えばわかるように、開封後はそれほど長い保存ができるとは考えられません。アルコールが含まれますが、ウィスキーなどの蒸留酒とは違い、カビの発生もあり得ます。日本の蒸し暑い夏を常温で超えるような保存はできません。
カシスオレンジの作り方
それでは、カシスリキュールを使ってカシスオレンジカクテルを作っていきます。
カシスオレンジカクテルのレシピ
材料を混ぜるだけなので、ごく簡単です。リキュールはトロリとしてグラスの下に溜まるので、美しいカクテルに仕上げましょう。
材料
カシスリキュール 30ml
オレンジジュース 120ml
作り方
氷の入ったグラスにカシスを注ぎます。オレンジジュースで満たしてください。
ポイント
最初にカシスリキュールを注ぎ、上からオレンジジュースの半量を注ぐと、下にリキュールだけが溜まります。
一旦かき混ぜて均一にしてから、残りのオレンジジュースを注ぐと、きれいな色のグラデーションが楽しめます。
カシスリキュールとオレンジジュースの割合
今回のレシピはカシスリキュール: オレンジジュースを1:4の割合すが、リキュールの割合は増減できます。アルコール度数を高くしたい場合は1:3くらいまで増やしてもよいでしょう。ただし、甘さも強くなります。
割り材の例
白ワインに少量のカシスを加えた、キールと呼ばれるカクテルがあります。白ワイン4〜9に対してカシスを1が標準的な割合です。カシスの量を増やして食前酒として用いられることもあります。
その他にも、カシスを利用した様々なカクテルがあります。
・カシス+シャンパン 「キール・ロワイヤル」
・カシス+赤ワイン「キール・カーディナル」
・カシス+シードル(りんご酒)「キール・ブルトンカシス」
・カシス+ジン+ベルモット「パ・ジャン・マティーニ」
カシスミルクのレシピ
カシスオレンジのレシピを、牛乳に変えるとカシスミルクになります。ここでは、体を温めるホットカシスミルクに仕上げます。
材料
カシスシロップ 30ml
牛乳 120ml
作り方
耐熱容器に材料を注ぎ、電子レンジの「ミルク温め機能」または、600wで1分20秒加熱します。
ポイント
カシスに含まれるポリフェノールの一種、アントシアニンは酸性の液体中では美しい赤色ですが、牛乳のように中性の液体中では紫色に発色します。
レモン汁などの酸性液を加えることで赤く調整できますが、今度は、レモンに含まれるクエン酸が牛乳のたんぱく質と反応して、もろもろが発生することになります。紫色も、もろもろも、どちらも食べても問題はありません。
ノンアルコールカシス
ここからは、ノンアルコールのカシスシロップを用いて作るカクテルをみていきます。
カシスのサイダー割
カシスシロップを使った、炭酸ジュースの作り方です。
材料
カシスシロップ 30ml
炭酸水 120ml
作り方
グラスに氷を入れて、サイダーを注ぎます。上からカシスシロップを注いでよくかき混ぜてください。
まろやかなカシスジュース
カシスミルクを真似て、乳酸飲料でジュースを作ります。酸味を加えることで、鮮やかな赤が美しいジュースに仕上がります。
材料
カシスシロップ 20ml
炭酸水 80ml
乳酸飲料 20ml
レモンスライス 1枚
作り方
グラスに氷を入れて、材料をすべて混ぜます。最後にレモンをグラスに飾ってください。
アイスシロップとして
シロップがあまった際には、アイスやヨーグルトなどに加えてみてください。
材料
お好きなアイス 1カップ
カシスシロップ 30ml
作り方
器にアイスをもりつけて、カシスシロップを回しかけます。
カシスシロップの割合について
シロップを使う場合は特に甘みが強いため、量は多すぎないように注意します。
シロップ10〜15mlに対し、割り材が60〜120mlが目安です。
割材の例を下に挙げました。ご参考にしてください。
・ソーダー水
・ジンジャーエール
・オレンジジュース
・ミルク
・アイスティー
・ハーブティー
料理への使い道
カシスシロップはあまり長い保存ができないので、使い切りレシピもあわせて確認しておきます。
カクテル以外の使い方
カシスリキュールは、赤ワインの風味を補う目的で料理に用いられることがあります。例としてはポタージュなどに入れたり、ソースに加えたりすると、甘みに厚みが生まれます。
また、スウィーツとも相性が良く、シャーベットやゼリーにトッピングするだけで甘味と酸味が味わえます。
煮込み料理に
煮込み料理の場合、参考になるイメージは、赤ワインで作る煮込み料理、またはジャムで作るソースです。ただし、注意するのは強烈な赤色。トマトソースや、牛肉ならそれほど気になりませんが、ホワイトソースや、色の薄い食材に混ぜることはおすすめできません。
アルコールを含むカシスリキュールを使う場合も、煮込み料理に使えば加熱によってアルコールが飛ぶため、お子さんが一緒に食べることもできます。りんご煮にすると、色も味わいもよく合いますよ。
使い道の広い食材
カシスベリーから作られるカシスリキュールについて詳しくみてきました。
酸味のあるカシスオレンジは飲みやすく、リラックスタイムに欲しくなるカクテルです。お酒としてだけでなく、使い方は幅広いので、楽しみながら味わってくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)