「おこづかい」で学べる小学生算数の単元がこんなにあった! お金が教材になる目からウロコの話を理数教育のプロが指南

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算数の単元別に、その学習法や苦手克服法などを指南する今木智隆さんは、タブレット教材を展開する RISU Japan 代表で『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』の著者でもあります。膨大な学習データから編み出した理数系教科の効果的な学習法として、今回は「おこづかい」「お金」のメリットについて教えていただきました。

幼児や小学生の「おこづかい」。皆さんはどのようにあげているでしょうか?

小さな子どもにお金を持たせるのは心配だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもにとってお金は身近な「活きた教材」として、とても優秀なツールです。おこづかいは将来に向けて自立力を高めるだけでなく、算数の分野でも、実体験に基づく学びにつながる素晴らしい教材と言えるでしょう。

今回はおこづかいで学べる算数についてご紹介します。

8割近い小学生がおこづかいをもらっている

20225月にニフティキッズが行なった「おこづかい」に関する調査レポートによりますと、小学生の77%がおこづかいをもらっていると回答しています。

お金の使い方を学ぶことは、将来、自立して生活する上で必要不可欠なことですが、お金を子ども達の身近な「教材」として捉えてみると、お金そのものの使い方の他にも学べることがたくさんあります。

算数の分野にとっても、お金はとても優秀な教材です。まずは小学生の算数のうち、お金を通して学べる単元がいかに多いかについてご紹介しましょう。

 参考:ニフティキッズ「おこづかい」に関する調査レポート

お金で学べる算数の単元はこんなにいっぱい!

① 四則計算

まず思い付くのは、足し算、引き算の計算でしょう。

お金を支払うときには、買う商品の値段を足して計算しますし、おつりの計算には引き算を使います。同じ値段の商品を3つ、4つと買うときには掛け算を使いますし、複数人で支払いを「割り勘」するときには、割り算を使いますね。

② 位や桁の概念

低学年の算数でつまずく子が多い「位や桁」の概念も、お金を通じて実体験から学ぶことができます。

分かりやすいのは硬貨の「両替」です。ゲームセンターなどにある両替機では、1,000円札を入れると100円玉10枚に両替されて出てきますよね。「1,000円と10010枚は同じ」だと実感できる体験です。ご家庭でも、お子さんと一緒に貯金箱に貯まった硬貨を大きな金額の硬貨やお札に両替してみてください。位や桁の勉強を生活に結び付けることでより理解が深まるでしょう。

③ 大きな数の単位

お金では大きな数も扱います。お金に関するニュースでは、万、億、兆、といった大きな単位を耳にします。0(ゼロ)が4つで次の大きな単位になるという概念や、それがどれぐらい大きな数なのか、1万円札が何枚なのかといった規模感を想像する力も身に着きます。

④ およその数

買い物から学べることも多いです。例えば買い物カゴ1杯の商品がいくらぐらいになりそうか、レジを通る前に親子で予想ゲームをしてみましょう。このとき、いちいち「298円+……」と細かく計算はしないはずです。約300円、こっちは約500円と、「およその数」で合計を出しますよね。

お出かけやイベントの予算を考えるときも同じく概算を使います。このようにお金には概算で考える場面がたくさんあります。

⑤ 割合

割合の計算も買い物の場面で学べます。消費税を考えるとき、8%10%という計算をしますよね。セールのときや割引シールの貼ってある商品は、頭の中で「20%引き」「30%引き」がいくらかと計算しています。

*  *  *

このようにザッと挙げただけでも、とても多くの単元を学べることがお分かり頂けると思います。教材として素晴らしいツールを学びに活かさない手はありません。

勉強が実体験と結びつくことがお金という教材の強み

お金で算数を学ぶことの魅力は、学習できる単元の広さだけではありません。一番の魅力は、「体験を通じて」学べることです。

一般的に勉強というと、教科書を見てノートに問題を解くスタイルを想像しますが、知識の定着度は体験によって強化されることが分かっています。

おこづかいを日常生活に取り入れることで、机に向かって学ぶ算数とお金を通して体験する算数がリンクします。「学校で学んだことが、こんな場面で使えるんだ!」という実感が、理解をより深くしますし、おもしろい、もっと知りたいという気持ちを高める効果も期待できます。

おこづかいを学びにつなげる3つの方法

では、おこづかいを積極的に算数の学びに活かすためには、どのような方法を取り入れるとよいでしょうか。3つの方法をご紹介します。

1.「〇〇円以内」で買い物をさせてみる

これは「毎月あげるおこづかいはまだ不安」「都度、必要なお金を持たせたい」と考えているご家庭でも取り入れられる方法です。子どもとスーパーに行き、お菓子が欲しいと言われたら、「今日は〇〇円以内で」という形でお金を預けてみてください。

子どもは渡されたお金の中でどうしたら少しでもたくさんのお菓子が買えるかなと一生懸命計算するでしょう。「これは高いからやめて、こっちを2つにしよう」とか、「これなら最後にもう1つ追加できるな」などと、自分の頭で計算して色々工夫をして、上手に買い物しようと燃えるでしょう。

お使いを頼む際に、「2,000円以内でカレーの材料を買い揃えてね」とお願いしてみると、任されることをうれしく思うだけでなく、普段出てくる料理にはこれだけのお金がかかると実感できる良い機会になります。

2.予算を考えさせる

〇〇円以内の買い物が慣れてきたら、次は最初の予算から子どもに考えさせてみましょう。自分で予算を考えることは、算数で言えば計算を解くだけでなく、文章問題を読んで自分で式を立てるプロセスに似ています。ゴールから逆算したり、自分で必要な数字(金額)を調べたりする力が必要となるため、とても活きた勉強になります。

先ほどのカレーの例では、「何円あれば材料を買い揃えられそうか?」というところから考えさせるということですね。もしかしたら、消費税のことを忘れていて実際に買ってみたら予算オーバー!といったハプニングが起きるかもしれません。このような失敗体験も、子どもにとって知識をより定着させるエピソードになります。

3.おこづかい帳を書かせる

普段から毎月のおこづかい制を取り入れているご家庭では、ぜひおこづかい帳を書く習慣を身に付けさせましょう。

おこづかいは、「もらう」と「使う」でお金が逆の動きをします。特に低学年の子には、今やりたいのは足し算か引き算か?を考える良い練習になりますし、繰り上がり、繰り下がりの計算から位の概念を理解するのにも役立ちます。おこづかい帳に書いてみた計算が合っているのか、実際にお金を数えてすぐに答え合わせができることもメリットですね。

実生活に結びついた学びが大切!

今回は、おこづかいが算数の学習にとても魅力的な教材であることをお伝えしました。

算数だけでなく学習全般に言えることは、勉強が実生活に結びつくと知識の定着度が上がるということです。「教科書に載っていたあれって、こういうことだったのか!」という納得感が本当の「分かった!」になる。そうするともっと知りたくなる。この感覚は、私たち大人も同じですよね。

お金の使い方は学校では習いませんが、大人になったら誰しもが必要になる力です。おこづかいを教材にして、これを機に自立力と算数力の両方を磨いてみてはいかがでしょうか。

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記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。ユーザー行動調査・デジタルマーケティングのbeBitにて国内コンサルティング統括責任者を経験後、2014年、RISU Japan株式会社を設立。小学生の算数のタブレット学習教材で、延べ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムを考案。国内はもちろん、シリコンバレーのスクール等からも算数やAI指導のオファーが殺到している。

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構成/HugKum編集部

 

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