小学2年生の算数でつまずく大きな理由は「単位」。その対策をプロが解説!

小学生の算数の単元でつまずきやすい「単位」。なぜつまずきやすく、またどう克服したらよいのでしょうか。
タブレット教材を展開する RISU Japan 代表で『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』の著者・今木智隆さんに、お話を伺いました。

小学校1年生の頃は算数をスムーズに理解し100点続き。2年生になり、急に得点が下がった? どうやら「単位」の問題が難しいみたい……。

このような事例はよく見受けられます。おうちの方からすれば、「急になぜ?」「この先の内容についていけるかな…」と心配になりますよね。

小さい子にとって、単位を扱うことはどうして難しいのでしょうか。その理由と、苦手克服の方法をお伝えします。

小さい子にとって単位はどうして難しい?

小学校1年生のうちに習う足し算・引き算は、単に数だけを見て足したり引いたりすればできる範囲のものでした。文章問題についても同様で、「みかんを3個買いました。りんごを5個買いました。合わせて何個ですか。」のように最初から単位が揃っているため、単位は解答欄で後から付け足す“おまけ”のようなイメージがあるかもしれません。

しかし、実際は計算をするために単位はとても大切なものです。例えば3cmと5mは、単純に3+5=8と足すことはできません。数の大きさを比べたり、足したり引いたりするためには、まずは「単位を揃えること」をする必要があります。

単位が難しい一番大きな理由は「暗記」だから

単位の勉強については、おうちの方も子どもの頃に苦労した記憶はありませんか。特にdL(デシリットル)という単位は、難しかったな、がんばって覚えたのに大人になってほぼ使わないなんて、と懐かしく思い出されるものです。

1dL=100mLである。

これは定義されたものですから、理屈を抜きにして、まずは「そういうものだ」と覚えなければなりませんよね。小さい子にとって単位の勉強が難しい一番の理由は、単位が「暗記するもの」だからです。

1dL=100mL
1L=1000mL
1L=10dL

こう換算されることをまずは暗記しなければ、計算に進むことができません。逆に言えば、暗記さえしてしまえば、単位が苦手だという問題はほぼ解決します。のちほど苦手克服のための対策方法をお伝えしますが、まずは、単位は九九などと同じく暗記が必要だと思ってください。

単位の問題を解くには作業が2つ必要だから難しい

小さい子にとって単位の問題が難しい理由は、もう1つあります。

例えば「2L-4dLは何dLですか?」という問題は、

①1L=10dLであることを思い出して、2Lを20dLに置き換える。
②20dL-4dL=16dLと計算する。

と段階を踏んで2つの作業を頭の中で行います。

これは、つまり

①暗記した単位換算を思い出して数を変換する
②単位を揃えたところで計算する

ということなのですが、①と②のどちらで間違えても正しい答えは導けず、間違える確率が高くなってしまうのです。単位の問題は、1つ1つの作業を丁寧に解く粘り強さも必要です。

単位の苦手を克服すれば高学年になってからが楽!

単位は難しい問題ですが、換算をしっかり暗記して苦手を克服しておけば、高学年になってからの勉強がグッと楽になります。例えば、次のような場面で有利です。

単位の換算に分数、小数を使うとき

高学年になると分数や小数を習います。分数や小数を扱えるようになると、

200mL=0.2L

のように、単位の換算にも分数や小数を使う場面が出てきます。

単位に出てくる「k(キロ)」や「m(ミリ)」は、それぞれ1000倍、1/1000倍を意味していますが、単位の換算を理解している子は小数点がどう動くかがわかります。複雑に見える数の変換でも、概念を理解していれば答えを導き出すことができるのです。

理科、社会で単位を使うとき

小学3年生になると生活科がなくなり理科、社会が始まります。理科では、実験で重さを量ったり、長さを測ったりしますし、社会では地図を使うので、距離や面積にも触れることになります。

このように、算数以外の科目でも単位を使う場面はたくさんあります。単位の苦手意識を克服しておくことは、高学年になってから算数以外の科目でも有利に働きます。

おうちでできる! 単位の苦手を克服する5つの方法

では、単位が苦手なときは、どのようにすれば苦手を克服できるでしょうか。おうちでも取り組める対策方法を5つご紹介します。

1.目につくところに単位換算表を貼る

単位の苦手克服は、まず暗記することが大切です。ただし、無理やり覚えさせようとするのはお子さんにとって苦痛なだけで、苦手意識が強まってしまいます。そこでおすすめなのは、おうちのよく目にする場所に「単位換算表」を貼っておくことです。

単位換算表はインターネットで検索すれば無料で印刷できるものがあります。

例えば、

学習プリント.com 「単位の計算(換算早見表)小学校全学年用」

ちびむすドリル「算数の単位換算表(1) ~低・中学年の子にも分かりやすいシンプルな表~」

換算表は1/1000倍換算まで載っているものもありますが、お子さんが低学年のうちは、例に挙げたようなシンプルなもので始めるのが良いでしょう。

表を貼る場所は、トイレ、机の前、お風呂、冷蔵庫など、1日に何度も目にする場所を選びます。特にトイレは、座っているあいだに落ち着いて表を眺められるのでおすすめです。家にあふれるくらい換算表を貼っておけば、ほとんどのお子さんは3ヶ月もあればマスターできますよ。

2.普段から単位を使って数えることを習慣づける

これは、長さや重さなど換算がある単位に限りません。鉛筆を「本」で数えるとか、紙は「枚」で数えるなど、普段から単位を使って数えることを意識するようにします。

言葉を覚え始めた2~3歳の頃は、ひとつ、ふたつなど、物によらず簡単な数え方をしていたと思います。物によって単位が違うこと、単位を揃えることで比較ができることを実感できるように、会話のなかで数字が出てきたときには、単位までしっかり付けるよう、親子で意識してみてはいかがでしょうか。

3.定規、ペットボトル、牛乳パック……実物で体感しよう

長さの単位換算は、定規やメジャーを実際に見る方法がわかりやすいでしょう。

定規の1mm目盛りを数えてみましょう。10㎝のなかには1mmが100あることがわかります。途中で「細かすぎて数えるのが大変!」という言葉が出たら、しめたもの。「そうそう。だから、わかりやすくするためにcmに換算するんだよ」と教えてあげれば、単位の概念や便利さに気付くことができますね。

お風呂場には、おもちゃのひとつとして計量カップを置いておくこともおすすめです。色んなサイズのペットボトルや牛乳パックを持ち込んで、水を量りながら遊んでみましょう。それぞれの容器は100mLが何回で満杯になるでしょうか。お風呂のお湯を使えば、遊びながら何度でも確かめることができますね。

4.工作やDIY、裁縫で遊ぼう

段ボール工作やDIY、裁縫などを親子で一緒にやってみる方法はいかがでしょうか。これらの遊びに共通するのは、「材料をはかる」という作業が必要になることです。遊びを通して、単位や目盛りの読み方に自然と慣れていくことができます。

cmやmが、およそどれぐらいの長さを表しているのか、遊んだ経験からイメージすることができるようになります。これは紙の上で問題を解くばかりでは身に付かない力です。算数の問題を解くには実物をイメージする力が必要になるので、これを高めることができる「作る遊び」はとてもおすすめです。

5.単位の概念を教える

先ほど少し述べましたが、単位に出てくる「k(キロ)」や「m(ミリ)」は、それぞれ1000倍、1/1000倍を意味しています。このような話を教えてあげると、メートルでもグラムでもリットルでも、共通の規則に従って換算していることが分かります。

メートル法の話はご存じでしょうか。日本には長さを表す「寸・尺」という単位があったり、アメリカでは「インチ・フット」という単位を使ったりしますが、このように国によって違う単位を使っていては比較するのが大変ですよね。そこで、世界共通の単位で比べられるよう「メートル法」が定められ、現在も多くの国がメートル条約に加盟しています(2021年1月で63カ国、準加盟国は39カ国)。

このような話題はちょっとした雑学ですが、「へえ~そうなんだ!」という気持ちになれば、単位にも少し親しみが持てるものではないでしょうか。もし、お子さんが興味を持ったなら、メートル法の歴史や国際単位系(SI単位系)について調べてみても、おもしろい発見があるかもしれません。

まとめ:単位の苦手、克服のポイントは「暗記」と「換算のイメージ」

今回は単位の問題について、小さい子にとって難しい理由とその対策方法をお伝えしました。

苦手克服のポイントは「まず暗記すること」です。単位換算表を目につくところに貼っておけば、自然と覚えることができるでしょう。

また、単位の概念や、およそどれぐらいの規模感になるのかといった「換算のイメージ」は、ご家庭でも遊びを通じて学ぶことができます。お風呂で水を量ってみたり、工作や裁縫などをして遊ぶことで、楽しく単位に慣れていきましょう。

記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。ユーザー行動調査・デジタルマーケティングのbeBitにて国内コンサルティング統括責任者を経験後、2014年、RISU Japan株式会社を設立。小学生の算数のタブレット学習教材で、延べ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムを考案。国内はもちろん、シリコンバレーのスクール等からも算数やAI指導のオファーが殺到している。

〈タブレット教材「RISU算数」とは〉

「RISU算数」はひとりひとりの学習データを分析し、最適な問題を出題するタブレット教材。タイミングの良い復習や、つまずいた際には動画での解説の配信を行うことにより、苦手を克服し得意を伸ばします。

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構成/HugKum編集部

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