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生後2~3日の赤ちゃんでも日本語と英語の区別はできる!
――小さい子ども向けの英語教育が盛んですが、赤ちゃんにも英語教育ってできるものですか?
はい、0歳でもできますよ。生後2〜3日の赤ちゃんでも、お母さんの声とそれ以外の人の声、日本語と英語などの区別はできると言われています。赤ちゃんはその後、身近な人にかけてもらう声を聞きながら、母語の意味の区別に必要な音を理解していきます。母語とは、周囲の人たちが話すのを聴いて、最初に覚える言語です。日本で生まれパパママが日本語で話す赤ちゃんの場合、母語は日本語であることが多いですね。つまり、小さな赤ちゃんでも、日本語と英語の区別をつけながら学んでいくことはできます。
ただ、生まれたての赤ちゃんのときは英語、日本語と分けて考えず、とにかくママやパパが話しかけることが大事。乳児はまず、『ハトのクークー鳴く声(coo)』
また、言葉の意味がわかる、わからないに関わらず、大人は楽しく赤ちゃんに語りかけることを習慣づけましょう。
子守歌がわりに英語の歌をゆっくり歌ってあげる
――では、そうやって話しかける土台があった上で、英語をどのように生活の中に取り入れればいいですか?
取り組みやすいのは、歌ですね。子守歌を歌うように英語の歌を歌うことをおすすめします。生活の中で歌を歌いやすいのが子守歌だ、ということでもありますよね。たとえば「ABCDEFG~」でも、ゆっくり歌えば子守歌になります。好きな歌手の英語の歌、たとえばBTSでも(笑)、英語の曲をゆっくり歌ってあげましょう。
1歳半くらいになったらフレーズや短い文の英語で話そう
そうこうしているうちに、1歳半くらいから爆発的に語彙力が増えていきます。子どもからも少しずつ単語が出てくるようになるでしょう。そういうときには、日常会話の中に英語をはさんでいくといいんですよ。
たとえば、散歩のときに鳥をみつけたら、ただ「鳥」と言うだけでなく、「鳥が飛んでいるね」と言いますよね? 英語でも同じで、フレーズや短い文で話しかけるといいです。難しく考えなくていいんですよ。
“Good morning!”
“Look!A beautiful flower!”
とかね。
“Look!A beautiful flower!”と言うときには、花を指さしたり、茎を持ったりして子どもの目の前に見せてあげましょう。そして“flower”ともう一回言ってあげると、花というものが英語でそう言うのだな、というのがわかります。そして、子どものほうも親を真似て“flower”と言うようになります。
絵本を読むときも、猫がミルクを飲んでいるイラストがあれば、
“Look!The cat is drinking milk!”
と言ってミルクをゴクゴク飲む動作をしたり、赤ちゃんの手が描かれていたら、
“Look!A baby‘s little hand!”
と言って、絵を指したり、お子さまの手を取ったりすると、その言葉と動作、ものが一致して、わかるようになります。
やさしい英語を日常化しましょう。肩肘張らずに日本語で話しかけたり英語で話しかけたりすればいいです。とにかく、英語で話しかける生活がごく自然で楽しいものになっていることが大事ですね。遊んでいる中で英語に触れる、というのがいちばん効果的と言われます。
パパママは発音を気にしなくていい!楽しそうに英語で話して
――でも、英語の発音に自信がありません。子どもも、パパママのあまりよくない発音で英語を覚えるのはよくないのでは?
英語の教材の映像や音声を上手に利用しながら、話しかけることも継続してください。赤ちゃんは教材の音と保護者の音、両方聴いていると、必ず教材の音を真似するという傾向があります。そこで、発音は気にせず、簡単な英語で良いので、
例えば、パパママが良い発音でも、
4,5歳までは日常生活や遊びの中で大人と英語を使って楽しむ体験を
子どもは親子で遊ぶことがとても好きです。調査では、4歳くらいまでは大人の英語の語彙力とか発音は、お子さんのそれとは相関がないという結果が出ています。むしろ、大人のロールプレイ力が大事だと。遊びが上手だとお子さんの英語力が伸びるようです。ままごと遊びをしているときや、お昼ご飯を食べるときに、
A sandwich, please.
と言って食べるふりをしたり、美味しそうに食べます。
Yummy, yummy.
と言ってみる。そんなことが楽しいし、楽しいから真似するようになります。
5歳以降になると、
日本語と英語をミックスしても大丈夫。むしろ日本語にもいい影響
――英語と日本語を日々の生活の中でミックスさせていると、母語である日本語の習得に問題が生じる、という話を聞いたことがあります。その点ではどうでしょうか。
パパがイギリス人、ママが中国人、住んでいるところがフランス、となればちょっと違うかもしれませんが、
親子で一緒に英語の動画を見たり音を聞いたりして集中して取り組むことで、日本語についても、
むしろ、英
できれば2歳ごろから英語の習い事をはじめた方がいい理由
――発音についてはどうでしょうか。なんとなく早く始めたほうが、発音がよくなる気がします。
そのとおりです。まずは、5歳くらまでが音の聞き取りが上
また、日本人は「LとRの発音の違いが難しい
そもそも、英語の「l」と「r」の音は発音が難しく、
ですから、いろいろとご家庭によって事情はあると思いますが、
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記事監修
玉川大学大学院教育学研究科(教職専攻)名誉教授。(株)Study-plus代表取締役。津田塾大学学芸学部卒、同大学院文学研究科博士課程修了。ロンドン大学大学院博士課程留学。
元NHKラジオ「基礎英語」講師。専門は英語教育、言語学。2012年度よりNHK Eテレ「えいごであそぼ」「えいごであそぼwith Orton」「えいごであそぼMeets the World」の総合指導、2017年度よりNHK Eテレ「エイゴビート」、2020年度より「エイゴビート2」の番組委員もつとめる。
取材・文/三輪 泉