二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。
今日4月20日は二十四節気「穀雨」です
穀雨(こくう)
「百の穀物を潤してくれる雨」という意味。ちょうど種まきが終わって苗づくりが始まり、雨が必要な頃。そのタイミングに合わせるかのように、シトシトと春の雨が降るから不思議です。伸び始めた草木は、雨に打たれてよりいっそう緑を輝かせます。せっかく気持ちのいい春なのに、「雨なんて残念」と思ってしまうかもしれませんが、植物たちにとっては恵みの雨。天から栄養を授かるかのごとく、ぐんぐんと背を伸ばしていきます。まるで、育ち盛りの子どもを見ているかのようで、こちらまで元気になります
至福の甘味「桜色のすあま」は思いのほかかんたんに作れます
春たけなわの日々を待ち遠しく思いながら、お茶を一服。そんな至福のときに似合う甘味が欲しくて、かんたんにできる和菓子「すあま」を作りました。
材料は上新粉180g、砂糖80g、水150㎖、食紅少々。上新粉と砂糖を耐熱ボウルに入れ水を加えて混ぜます。そこに水に溶いた食紅を少々入れて色づけ。ラップをして電子レンジ(600W)で2分半、いったんとりだしてから混ぜ、再びラップをして2分加熱。 絞ったぬれ布きんで包んで練り、かたくり粉をまぶしたら、巻きすで巻いて形をつけ、冷やして切ります。
手作りのよさは甘さやかたさを好みにアレンジできること。桜色のすあま、どうぞお楽しみください。
広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!
口福だより 書影&リンク
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388359
広田千悦子(ひろたちえこ)
日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊。
撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神﨑典子