※ここからは『入学後の学力がぐんと伸びる 0~6歳の見守り子育て』(井坂敦子・著/KADOKAWA)の一部から引用・再構成しています。
Q:人見知りする我が子、内向的な性格は早めに直したほうがよい?
2歳くらいから人見知りが始まり、それ以来なかなか人と打ち解けない子になってしまいました。同じくらいの年齢の子と比べてもうちの子は人見知りが激しいような気がします。このままだと保育園などに通うようになっても友達ができないのではないかと心配です。
A:「あなたのままで素敵」と子どもに伝えて
恥ずかしがるのは成長のあらわれ
乳幼児期に、人見知りが強く出る時期があります。自分中心の世界から、他人の存在を意識するようになり、他人からどう見られるかについて感受性が高まるからです。視力が発達して、人の顔がはっきりと見える時期とも言われます。
また性格的に恥ずかしがり屋さんという場合もあります。ママ・パパや兄弟が自分の代わりに他人と話してくれるような場合には、人見知りの状態が長く続くこともあります。
はにかむ、恥ずかしがる、というのは決してマイナスなことではありません。相手がどんな人かを確かめる賢さや、初対面の方に自分を見せるのをためらう繊細さ、相手にどう思われるのかを恐れる慎重さなど、いろいろな心の動きが織り込まれている感情表現です。
ただ、人見知りが強くて、なかなかお友だちと打ち解けられない、初対面の大人の前で固まってしまう、という子どもの様子を心配されるママ・パパもいます。「 どうしたら、誰とでも、仲良くできるようになりますか?」などの質問をいただくことがよくあります。
自分が好きな子どもは積極的になれる
まず大切なことは、その子自身が、自分のことを大好きであること。そのためには、周りの大人が常に「あなたは、あなたのままで素敵だよ」というメッセージを送り、たとえ間違ったことをしても、その原因に共感してくれる環境や時間が必要です。
自分のことが大好きな子どもは、物おじすることが少なく、チャレンジ精神にあふれた活動をします。逆に、日頃から細かなダメ出しを受けて傷つき、自分に自信が持てないと、受け身な活動がふえます。怒られない方法として、何もしない、周囲の大人が気に入ることをして自分のやりたいことをやらない、という消極的な態度にもなります。
ただし、自分が大好きでも、人見知りが強い子どももいます。他人に興味を抱けない、他人が怖いと感じる、他人との感覚のズレやこだわりの強さから、他人と理解し合えないような場合もあります。そのようなケースは、専門家に相談する機会を持つことも、必要だと思います。
※ここまでは『入学後の学力がぐんと伸びる 0~6歳の見守り子育て』(井坂敦子・著/KADOKAWA)の一部から引用・再構成しています。
「できる範囲で少しずつ」負担にならない育児メソッド
はじめての子育ては不安がいっぱい。2人目3人目だとしても、ひとりひとり違う個性を前にしたとき「この子はこれでいいのか」と迷うことも多いですね。一方で「こうしたほうがいい」というアドバイスを負担に感じる人も。
「言われた通りに何もかもできるはずがありませんよね。そもそも親自身が、初心者なのですから。子どもたちには、それぞれにすばらしい個性があって、成長の過程もさまざまなのだから、アドバイスの内容もその子によって異なってくるはずです」
そんなメッセージを発信しているのが井坂敦子さん。保育園園長や小学校受験指導の前職をもち、「花まる子育てカレッジ」のディレクターとして、多くの識者とともに教育関連の講演活動をしてきた井坂さんが、幼少期の子育てで大切だと思う100 のメソッドを1冊にまとめました。
「子どもの様子を見ながら」「自分の気持ちの負担になっていないかを確かめながら」「できる範囲で少しずつ」のメソッドは、多くのママ・パパを励ましています。
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構成・文/HugKum編集部