目次
オリオン座流星群って何? 基本知識を知ろう!
まずは、流星群の成り立ちや、オリオン座流星群の特徴といった基本知識を学びましょう。
流星群の成り立ちとは?
流星群とは、文字通り「流れ星(流星)の群れ」のことです。まず、流れ星はどのような現象なのかを説明していきましょう。
流れ星は、「星」とはつくものの、星ではありません。宇宙空間にあるチリの粒が地球の大気と激しくぶつかり、高温になって気化したチリや大気の成分が光を放つ現象のことをいいます。ちなみに、宇宙空間にあるチリの粒の大きさは、直径1mmから数cm程度ととても小さく、砂粒くらいです。
このチリの粒は、彗星と深い関係があります。彗星はこのチリの粒を軌道上に放出しているからです。放出されたチリの粒の集団は、彗星の軌道に沿って帯状に分布します。この帯状のチリの粒と地球の起動が交差している場合、地球が交差する位置にさしかかるときにチリの粒がまとめて地球の大気に突入し、流星群が発生するのです。地球が彗星の軌道を横切る日時は毎年ほぼ決まっていることから、流星群も毎年特定の時期に出現します。
流星群は、夜空の一点を中心に、放射状に広がるように流星が飛び出してくる現象のことをいいます。流星が飛び出してくる中心に当たる点が「放射点」です。流星群の名前には、放射点が位置する星座の名前がついています。たとえば、オリオン座流星群の放射点は「オリオン座」、ふたご座流星群の放射点は「双子座」となります。この放射点を意識して空を眺めるのが流星群を観察するポイントです。
オリオン座流星群の特徴
オリオン座流星群の最大の特徴は、明るい流星が多いことです。これは、ほかの流星群にくらべて対地速度が速いためといわれています。金星、火星、シリウスといった明るい惑星や恒星も夜空に現れ、美しい光景が見られるでしょう。
▼「彗星」について参考記事はこちら
2024年のオリオン座流星群の見どころ
2024年のオリオン座流星群のピーク時刻や観測条件、最適な観測地について解説していきましょう。
2024年のピーク時刻と条件
2024年のオリオン座流星群が見られるのは、10月2日から11月7日ごろと予想されています。なかでも、もっとも活発に活動する「極大」の日時は、10月21日の午後3時ごろです。ピークとなるよく見られる時間帯は、21日深夜から夜明けまでとなります。
観測条件は、次のとおりです。
・晴れた夜
・月明かり、人工の明かりが少ない場所
・空が広く見渡せる場所
最適な観測地を選ぶコツ
オリオン座流星群の最適な観測地は、暗い場所です。街灯の明かりや人工の明かりが少ない場所を選びましょう。また、空が広く見渡せるような場所のほうが、多くの流星を見ることができます。
家族でオリオン座流星群を楽しむための観測ポイントと準備
家族でオリオン座流星群を楽しむためには、観測に必要な持ち物を準備することと、流星群を観測する注意点を知っておくが大切です。持ち物リスト、注意点を説明しましょう。
快適な観測のための持ち物リスト
時計
時計は、ピークの時間を知るためにも持っていくことをおすすめします。また、観測時刻を記録するために使います。
懐中電灯
懐中電灯は、観測地に安全に移動するために必要です。ただし、目を暗闇に慣らすため、懐中電灯に赤セロハンや赤いビニールテープで覆うようにしましょう。
レジャーシート
流星群は寝転がって真上を見て観測するのがおすすめです。そのため、レジャーシートやアウトドア用の背もたれのあるイスなどを用意するとよいでしょう。
方位磁石
方位磁石はあると便利なアイテムです。流星は空全体に現れるので、方位磁石は必要ありません。ですが、放射点であるオリオン座や、シリウスなどのほかの星座や星を見つけたいときに使うとよいでしょう。ちなみにオリオン座は、午後11時ごろに東の空に、明け方ごろに南の空に見えます。
上着
観測する時間は夜なので、風邪をひかないよう上着などを必ず準備し、暖かい服装を心がけましょう。
記録用紙や筆記用具
観測を記録する場合は、記録用紙や筆記用具も持っていきましょう。
家族での流星群観測の注意点
家族で流星群を観測するときには、次のことに気をつけましょう。
・川や池、崖などの危険な場所での観測は避けましょう。
・山の中などで観測する場合には、野生動物に気をつけてください。
・目を暗闇に慣らすと、星がよく見えます。10分くらいは、明るいものを見ないようにして暗闇に目を慣らしましょう。
・寝転がって観測する場合には、レジャーシートなどを用意しましょう。
・周囲に流星群を観測している人もいるかもしれません。観測地に到着したら、安全面に支障のない範囲で懐中電灯を消しましょう。
・流星群を観測する時間は夜です。秋は過ごしやすい季節ですが、気温が低くなることも考えられるため、暖かい服装で観測しましょう。
オリオン座流星群を子どもに説明するための簡単な流星の仕組み
オリオン座流星群は、流星がたくさん見られます。お子さんに流星をわかりやすく伝えるために、簡単な仕組みを説明していきます。また、天文学に関するアクティビティで、星や宇宙について学ぶのもおすすめです。
流星の成り立ちを子どもに分かりやすく説明する例
「流星は、流れ星のこと。星のくずと地球がぶつかると、空気とこすれあって燃えるんだよ。そうすると、光って見える。それが流れ星なんだ。流れ星は星のくずでできているんだね。」
家族で楽しむ天文学関連のアクティビティ
天文科学館や天文台、プラネタリウムなど、家族で楽しめる天文学関連のアクティビティをご紹介します。これらのアクティビティでは、星や宇宙に関することを楽しみながら学べますよ。
コミカミノルタ プラネタリア
世界有数のプラネタリウム機器メーカー「コニカミノルタ」が運営するプラネタリウム。ハイテク投影技術を駆使したデジタルプラネタリウムにより、限りなくリアルで美しい星空を堪能できます。
上映館は、東京エリアなら有楽町、池袋、東京スカイツリーに。そのほかのエリアでは、横浜や名古屋にあります。お近くの上映館で星空を楽しんでみてはいかがでしょうか。
https://planetarium.konicaminolta.jp/planetariatokyo/
明石市立天文科学館
「明石市立天文科学館」は、時と宇宙の科学館です。子午線や天文、天文観測、暦と時をテーマとした展示室や、稼働期間日本一、現役最古のプラネタリウムがあります。また、口径40cmの反射望遠鏡を設置した天体観測室もあり、月に1回程度、天体観望会も開催されています。
薩摩川内市せんだい宇宙館
「薩摩川内市せんだい宇宙館」は、天文台と展示施設の融合した体験型の天文施設です。特徴的なのは、展示室内にある250インチの大スクリーン。この大スクリーンで天文台からの生の映像も見ることができます。
秋の天体ショーを親子で楽しもう
2024年のオリオン座流星群のピークは10月21日の深夜から明け方までです。オリオン座流星群は明るい流れ星が多いのが特徴なので、肉眼でも十分見ることができます。
見る方角はとくに気にする必要はありません。暗く、夜空を見渡せる場所で観測しましょう。ただし、10月とはいえども夜は思いのほか寒いので、観測するときは暖かい服装で夜空を見上げてみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部