1~2月の寒ビラメは淡泊ですが、脂がのったきめ細かい身が、古くから好まれています。刺し身や焼き物、フライ、カルパッチョなど、さまざまな料理に活用ができる魚です。天然ものだけでなく養殖も盛んで、あまり味に差はありません。
ヒラメのレシピ
ヒラメは刺し身が一般的ですが、1尾で購入して塩焼きや唐揚げにしてもおいしい魚です。また、カルパッチョにすると華やかなパーティーメニューとして楽しめます。
塩焼き
ヒラメをシンプルな塩焼きに仕上げます。焼き魚の基本を確認しながら焼いていきましょう。
・材料
ヒラメ 2切れ
塩 小さじ2/3〜1
・作り方
【1】ヒラメの皮に、斜めの切れ目を入れます。これにより、皮が縮み破れるのを防ぎ、また、火のとおりもよくなります。
【2】ヒラメに塩を振り、水気を出します。10分程度冷蔵庫で休ませてください。
塩焼きの場合、塩は魚の重量の1〜1.5%を目安に加減します。魚に塩を振ると水けが出ますが、この水けが臭みのもと。丁寧に拭き取ってから焼くのがコツです。塩は、水けを出すと同時に、味をつける役目もあります。
【3】魚焼きグリルを使用する場合は、網に油を塗るとくっつきません。キッチンペーパーに油を染み込ませて塗り、2〜3分ほど予熱してください。
【4】冷蔵庫から取り出したヒラメを、キッチンペーパーなどできれいに拭き取ります。
・グリルの場合
両面グリルの場合は、盛り付ける時に上になる面を上に向けて網にのせてください。約8〜9分ほど焼きます。
片面焼きの場合は、盛り付ける時に上になる面から焼きます。5分ほど加熱し、上下を返してさらに4〜5分焼いてください。
・フライパンの場合
フライパンで焼く場合は、フライパンシートを用いると、くっつかずに焼くことができます。
唐揚げ
さまざまな料理法が楽しめるヒラメですが、カラッと揚げた唐揚げも淡泊な味を引き立てる調理法です。ご飯のおかずにも、ピッタリ。以下が作り方です。
・材料
ヒラメ 1尾(200g程度)
【A】
しょうゆ 大さじ3
料理酒 大さじ1
みりん 大さじ1
しょうが 小さじ1
にんにく 小さじ1
片栗粉 大さじ2
揚げ油 適量
・作り方
【1】ヒラメは洗ってぬめりをとり、うろこ、内臓を取り除いておきます。
【2】ヒラメの身の厚い部分に包丁で切り込みを入れます。
【3】ビニール袋にヒラメと、【A】を入れて15分ほど寝かします。
【4】フライパンに油を入れて170℃に温めます。【3】のヒラメを入れ、こんがりと焼き色がつくまで揚げてください。途中、上下を返して全体に火を通します。
カルパッチョサラダ
生ハムと合わせて豪華なサラダに仕上げましょう。薄造りのヒラメにお好みの香草を合わせるとおいしいカルパッチョに仕上がります。白ワインやシャンパンとも相性がいいので、パーティにもピッタリです。
・材料
(2人分)
ヒラメの刺し身 1/2さく(70g)ほど
おろしにんにく 少々
ルッコラ 1束(1/4袋ほど)
レモン 適量
塩 少々
こしょう 適量
EVオリーブオイル 大さじ2
生ハム 1〜2枚
チーズ(パルメザンチーズまたは、ペコリーノロマーノ) お好み量
・作り方
【1】ヒラメの刺し身は薄切りにします。もしくは、ラップで挟み、麺棒で叩いて薄くしてからカットしても良いです。
【2】ヒラメの上から、すりおろしたにんにくを塗り、塩を振ってください。
【3】ヒラメを器に盛り付け、生ハムの細切りを添えます。
【4】すりおろしたチーズを振りかけ、細かくカットしたルッコラをのせます。
【5】オリーブオイルとこしょうをお好みで振りかけ、レモンを添えます。冷蔵庫で冷やしてお召し上がりください。
ヒラメの特徴
ヒラメについて、特徴をまとめました。右目が体の左側に寄っているのがヒラメですが、見た目はカレイと似ています。見分け方もご参照ください。
ヒラメとカレイ
「左ヒラメに右カレイ」といわれるように、ヒラメとカレイの外見はとても似ています。一般的には、黒皮を上にして置いたときに、目が向かって左にあるのがヒラメで、右側にくるのはカレイです。
ダルマガレイやヌマガレイなどの例外はありますが、ほぼこの区別で間違いありません。
また、ヒラメは目の形が平たいハート型、カレイは出目の形をしています。
さらに「大口ヒラメ、小口カレイ」ともいわれ、ヒラメのほうがカレイよりも口が大きいという違いもあります。
英語では「Large‐tooth flounders」です。
旬
天然のヒラメの旬は、秋から冬にかけてですが、冬に限らず一年中どこかの漁港では捕獲され、活けの輸入物も増えています。特においしい時期は10月〜翌年2月頃までで、この時期の寒ヒラメは絶品ですよ。
逆に、春の産卵時期を迎えてしまうと「犬も食わぬ」といわれるほど、痩せてきて味が落ちます。
ムニエル
洋風料理にも使いやすいヒラメ。フランス料理のムニエルには舌ビラメがよく使われますが、スーパーでもムニエル用の切り身が販売されています。また、ムニエルなら淡泊でクセのない魚はどれもおすすめ。カレイ、鮭、タラやアジなどもおいしいですよ。
魚の切り身に塩、こしょうで味付けをし、小麦粉をまぶしてバターで焼くのが、調理方法です。お好みで、レモンを絞ってお召し上がりください。
カリッとした食感とジューシーな身で、洋風魚の代表メニューです。
えんがわ
ヒラメには、「えんがわ」と呼ばれる筋肉があります。脂がのった歯ごたえのある部位で、とても美味。
ヒラメの身とは違い、コリコリとした独特の食感で、1尾のヒラメから寿司4貫分しかとれないことから、貴重な食材となっています。
刺し身だけじゃない、ヒラメの調理
ヒラメは、天然ものは高価ですが、養殖や海外産のものなら手に入りやすく、味にクセがなく上品です。お子さんに好まれる魚で、刺し身、ムニエルの他にも、塩焼きや唐揚げ、カルパッチョでおいしくいただけます。冬に旬を迎えるので、寒い季節にぜひとも食べてみてくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)