黒にんにくとは?
栄養豊富で健康に良いと聞く「黒にんにく」。興味があるけれど、一体どんなにんにくなのか、気になるところですよね。まず、黒にんにくの基礎知識、特徴などをチェックしていきましょう。
黒にんにくとは、その名の通り、黒いにんにく。実は、一般的な白いにんにくと同じものなんです。白いにんにくを4週間ほど、温度と湿度が管理された場所で熟成させることによって、黒いにんにくができあがります。白いにんにくのイメージが強いため、皮をむくと、その黒さにびっくりしますよね。
なぜ黒くなるの?
ではなぜ、熟成すると黒くなるのかというと、それは「メイラード反応」によるもの。メイラード反応とは、白いにんにくを一定の温度で熟成させることで、アミノ酸と糖が結合して起こる反応です。
旬はある?
黒にんにくは、もともとは三重県が発祥だそう。しかし今では、全国屈指のにんにくの産地である青森県でも黒にんにくの生産が盛んに行なわれています。青森県で、にんにくの収穫の最盛期は7~8月。その1か月後から、黒にんにくが出回ります。そのため、黒にんにくの旬は9月ごろだといえるでしょう。
黒にんにくの特徴は? 白いにんにくとの違いは?
黒にんにくはどんな味や匂いがするのでしょうか? また白いにんにくとの違いについても見ていきましょう。
フルーティーな酸味と甘味がある
熟成したにんにくは糖度が増します。そのため、白いにんにくのような、辛味はなく、まるでフルーツのような甘さや酸味を感じるのが特徴です。
刺激臭がない
にんにくといえば、特有の刺激臭。しかし黒にんにくは、刺激臭がほとんどありません。にんにくの刺激臭の元になるのは「アリシン 」という成分。熟成させる過程で、アリシンが減少していき、匂いがほとんどなくなるのです。
柔らかい食感
黒にんにくは食べると、柔らかく、ドライフルーツのような食感が特徴です。なぜ柔らかくなるのかというと、黒にんにくは高温多湿の環境で長時間熟成させて作られます。そうすることで、中まで熱が通って柔らかくなるのです。
栄養価がアップする
黒にんにくに多く含まれているのは、アミノ酸。体内でタンパク質を構成する重要な栄養素です。その中でもアルギニン、S-アリルシステイン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、アラニン、アスパラギン酸は、熟成させることで含有量がアップするといわれています。
また強い抗酸化作用があるとされているポリフェノールも、黒にんにくには多く含まれていて、それは野菜の中でもトップクラスの含有量なんです。
黒にんにくの食べ方は?
一般的なにんにくは、すりおろしたり、刻んで加熱するのが一般的ですよね。では、黒にんにくはどのように食べるのがおすすめなのか、見ていきましょう。
そのまま食べる
黒にんにくは柔らかく、ツーンとする辛味や匂いがなく、胃腸への負担も少ないのが特徴。そのため、そのまま生で食べることも可能なんです。スライスしたり刻んでサラダのトピングにするのもおすすめ。また甘味があるため、ドライフルーツのようにそのまま食べるても美味しいんです。
醤油や味噌に漬ける
黒にんにくを醤油で漬けると、炒め物や刺身醤油など幅広く使える調味料に。また、味噌で漬けたものは豆腐にかけたり、白ごはんとの相性も抜群。様々な料理に使える万能調味料になります。
黒にんにくの保存方法は?
黒にんにくの保存方法は、常温保存、冷蔵保存、冷凍保存の3つです。
・常温保存
黒にんにくは常温保存が可能です。新聞紙などで包み、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管すると、1~2か月間は保存することができます。
・冷蔵保存
夏などの気温や湿度が高い時期は、冷蔵保存がおすすめ。その際は、乾燥を防ぐために新聞紙に包んで保存すると良いでしょう。冷蔵保存すると2~3か月保存が可能です。
・冷凍保存
黒にんにくを長期保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。皮をむいてラップで包み、さらにフリーザーバッグに入れて冷凍すると、半年は保存が可能です。
また、皮のまま冷凍することもできます。解凍方法は、そのまま加熱調理に使うこともできますし、凍ったまま食べると、シャーベットのような食感を楽しむこともできます。
黒にんにくを使ったおすすめレシピ
黒にんにくを使ったおすすめレシピ、2つ紹介していきます。まずは上記でも紹介した万能調味料「黒にんにく味噌」、そして、匂いが気にならない「黒にんにくのガーリックライス」を一緒に作っていきましょう。
万能調味料「黒にんにく味噌」
【材料(作りやすい量)】
・黒にんにく… 2個
・味噌… 大さじ3
・砂糖… 大さじ2
・みりん… 大さじ2
・酒… 50cc
・醤油… 小さじ1
・ごま油… 小さじ1
・豆板醤… お好みで
【作り方】
1、黒にんにくは皮をむき、フォークなどでつぶします。
2、鍋に1とごま油を入れ、軽く炒めます。
3、2に味噌、砂糖、みりん、酒、醤油、お好みで豆板醤を入れ、混ぜながら中火で4~5分炒めて完成です。
とんかつのソースや炒めた野菜、焼きおにぎりにかけて食べる、などがおすすめです。
黒にんにくの「ガーリックライス」
【作り方(2人分)】
・黒にんにく… 2片
・ご飯… お茶碗大盛り2杯分
・バター… 10g
・ブラックペッパー… 少々
・塩… 少々
・醤油… 少々
・乾燥パセリ… お好みで
【作り方】
1、黒にんにくはスライスするか、刻んでおきます。
2、フライパンにバターを入れ、焦げないようにバターを溶かします。
3、2に切った黒にんにくを入れ、軽く炒め、さらにご飯を入れます。
4、焼き色がついたら、醤油、塩とブラックペッパーをふり、味を整えます。
5、器に盛り付け、お好みで乾燥パセリをかけて完成です。
甘くて黒い不思議な黒にんにく
見た目にパンチがある黒にんにくですが、食べると甘みと酸味があって本当にドライフルーツのよう。にんにくの刺激的な味を想像していると、そのギャップに少し驚きます。また栄養価も高く、美容や健康に良いと注目されているので、食べたことがない方はぜひ試してみてください。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)