「ロボット」や「ゲーム開発」で小学生プログラマーが熱いバトルを繰り広げる!「ゼロワングランドスラム」大会レポート

小学館が運営に携わる、「全国小学生プログラミング大会 ゼロワングランドスラム」。その第2回大会が開催されました。2020年度から小学校のプログラミング教育が必修化され、プログラミング学習の注目度や認知度も高まってきました。そんな、プログラミングを日々学んでいる知識を発揮する絶好の舞台となるのが、このプログラミング競技大会。全国から1000名の小学生がエントリーしました。スゴ腕プログラマーたちが大会で見せた熱闘をレポートします。

「ゼロワングランドスラム」とは?

「全国小学生プログラミング大会 ゼロワングランドスラム」(通称ゼログラ)とは、プログラミングを学ぶ小学生たちが、野球やサッカーといったスポーツをする子どもたちと同じように、知識やスキルで競い合い日本一をめざす、全国規模のプログラミング競技大会です。

全国から1000人の小学生プログラマーがエントリー!オンラインの予選と1回戦、リアル開催の2回戦を経て、ついに決勝大会が開催

大会参加者は、まず初めにWEBテストにチャレンジ。突破した347名がオンラインで開催された1回戦「Scratch」の「プログラミング再現タイムアタック」に挑み、上位36名が東西のブロックに分かれてリアル開催された2回戦へ進出しました。

2回戦では参加者が31組のチームを組み、「Scratch」と「ロボット」の競技に挑戦しました。東西各地域の上位2チームずつ、合計4チームが決勝大会への出場権を得ました。

第2回大会で実現した初のリアル大会

2回となる「ゼログラ」は、20231126日(日)池袋・サンシャインシティで開催。第1回大会は感染症予防対策として、すべてオンラインで行われましたが、今回は初めてリアル会場で行われる大会になり、全国から4チーム合計12名の選手が参加し、うち2名が体調不良でリモート参加となりました。

会場には観戦者が大勢集まっただけでなく、休日の池袋を行き交うお子さんやパパ&ママたちも足を止めて熱戦を見守る、大盛況の大会となりました。

ステージには、司会進行のテレビ東京アナウンサー・藤井由依さん、競技実況・インタビュアーのフリーアナウンサー・坂口大輝さん、大会アンバサダーのYouTuber・ミラクルぐっちさんが登場。
また競技の製作と解説を担当した額田一利さん(株式会社 e-Craft)、松倉健悟さん(株式会社 CA Tech Kid)も登壇し、審査員として上野朝大さん(株式会社 CA Tech Kids)、石橋康大さん(株式会社プログミー)が参加しました。

第1種目「ロボット競技」プログラミングでロボットを操り、得点を競い合う!

決勝大会で最初に行われたのは「ロボット競技」。プログラムで自律移動するロボットを使って、フィールドに配置されたサイコロを特定のエリアへ落とす競技です。

サイコロは色によってそれぞれ点数が割り当てられ、さらにエリアごとに獲得ポイントも変わります。サイコロの配置は当日発表され、どのようにロボットを組み立て、それをどんなプログラムで動かすか。創造力や戦略性、さらにチーム内でのコミュニケーション力も問われる、まさにプログラミング競技の醍醐味といえる種目です。

ちなみにロボットは「アーテックロボ」「KOOV」「SPIKEプライム」という、ロボットプログラミングの中でもメジャーな3つのロボットから、選択することが可能。ひとつのツールに偏らず、プログラミングを学ぶ子どもたちが広く参加できる設計は、「ゼロワングランドスラム」ならではの特長です。

競技が始まると、各チームとも、プログラミングでロボットを自在に動かし、高い得点を獲得。しかし、中にはプログラムの調整に失敗して、ロボットが思いどおりに動かず、悔し涙を浮かべる選手の姿も。

その中でも最高得点を挙げたのが、西日本:九州・沖縄ブロック代表Dチーム。主要なサイコロを次々と、かつ正確に高得点エリアへ落とすという見事な動きを見せました。

第2種目「ゲーム開発競技」制限時間内にオリジナルゲームを開発!

第2種目は、小学生の間でも親しまれている「Scratch」を元にした、複数同時にプログラミングができるツール「プログミー」を使って、オリジナルのゲームを製作するというもの。各チームが10分間の作戦タイムと30分間の制限時間内で作業する、「ハッカソン」形式で行われました。

「ハッカソン」とは、プログラミングに取り組む言葉「ハック(hack)」と「マラソン」を組み合わせたIT業界の専門用語。プログラマーやWEBデザイナーが複数人でチームを組み、短期間で製作したプログラミングで優劣を競う際に採用される形式です。

各チームとも、限られた時間で、完成度の高いオリジナルゲームを作成。その出来には解説者や審査員も驚きの声を挙げ、高評価が連発されました。その中で、審査員から最高の評価を得てトップに立ったのは、西日本:九州・沖縄ブロック代表Dチーム。「ロボット競技」に続く勝利です。Dチームが作成したゲームは、上から落ちてくる「お題」キャラのてんとう虫を、虫網で捕まえるという内容のもの。解説者が注目したのは、虫網の滑らかな動き。そこには高度なプログラミングの工夫がされていて、解説者や審査員を唸らせていました。

優勝は連勝を飾った西日本:九州・沖縄ブロック代表のDチーム!

総合ポイントでトップに立ち、第2回大会の優勝を飾ったのは、金城亜蓮選手(小学4年生)、菅倫瑠選手(小学6年生)、関博升選手(小学6年生)の西日本:九州・沖縄ブロック代表Dチーム。「ロボット競技」と「ゲーム開発競技」の両方を制覇した完全優勝となり、選手たちは口をそろえて「嬉しい」と、最高の笑顔を見せました。

2位となったのは竹村葉太選手(小学6年生)、塚原和真選手の(小学5年生)の東日本:関東ブロック代表Bチーム。大会当日はチームの1人、樋野友晴選手(小学5年生)が体調不良でリモート参加になるというトラブルに見舞われながらも、竹村選手が「会場に来られなかった仲間のぶんまでがんばるぞと思って戦いました」と語ったとおり、最高のチームワークを見せてくれました。

金城亜蓮選手がトリプル受賞を達成!

優勝チームに続いて発表されたMVPには、西日本:九州・沖縄ブロック代表のDチームの金城亜蓮選手が選ばれヤマハ発動機賞と合わせてトリプル受賞となる快挙を達成しました。金城選手は「優勝できてMVPも取れるなんてビックリです」と語っていました。

大会の最後に解説者や審査員が口をそろえて選手たちのプログラミング技術の高さやチームワークの良さを称え、「この中から、きっと未来の日本を担ってくれるような、IT技術者やAI研究者が現れるはず」と語りました。選手たちからも「アクシデントもあって大変だったけど、全力を出し切れたので成長できたと思います」(西日本:東海・中部ブロック代表Cチーム・松村洸希選手)、「ゼログラのために、プログラミングをかなり練習しました。練習の成果が出せて良かったです」(西日本:東海・中部ブロック代表Cチーム・小宮慧選手)といった感想が語られるなど、短期間で子どもたちの成長が感じられた素晴らしい大会となりました。

「全国小学生プログラミング大会 ゼロワングランドスラム」気になる方はぜひ来年参加してみて!

「全国小学生プログラミング大会 ゼロワングランドスラム」は2024年も開催予定。プログラミングが好きな小学生やこれからやってみたいと思っている小学生なら、誰でも無料で参加できる大会です。ぜひ、注目してみてください。

プログラミングに興味を持った方はこちらもチェック

プログラミング教育には親世代のスタンスが超重要!無料で参加できるイベント情報も
そもそもプログラミングとは? プログラミングについては、自分が勉強をしてこなかったり、「正直、苦手分野で......」と敬遠してしまったり...

文/山田雅巳

編集部おすすめ

関連記事