知ってる?「長崎ちゃんぽん」の歴史や皿うどんとの違い。家庭での作り方もご紹介

「長崎ちゃんぽん」は、言わずと知れた長崎のソウルフード。白濁したスープに、コシのある太麺、具は野菜や肉、海鮮がたっぷりと入ったボリューム満点な麺料理です。そんな「長崎ちゃんぽん」の由来や皿うどんとの違い、作り方を知っていますか? 本記事では、長崎ちゃんぽんについて紹介していきます。

長崎ちゃんぽんとは?

「長崎ちゃんぽん」は長崎を代表するご当地グルメです。長崎県外でも食べることができ、子どもから大人まで大人気。食べたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

しかし、長崎ちゃんぽんの歴史や由来などを、あまり知らないという方も少なくないようです。まずは長崎ちゃんぽんとはどんな麺料理なのか、その特徴や歴史、由来などをチェックしていきましょう。

長崎ちゃんぽんの特徴は?

・特徴1:豚骨ベースor鶏ガラベースの白いスープ

長崎ちゃんぽんの特徴といえば、白濁したスープ。豚骨ベースや鶏ガラベース、またはその両方を調合してスープを作っている店もあるそうです。

・特徴2:コシのあるモチモチ太麺

長崎ちゃんぽんに使われる麺はコシのある太麺です。この太麺を作られる際に使われるのが「唐灰汁(とうあく)」と呼ばれる「かん水」の一種です。「かん水」は、中華麺を作る際に使われる食品添加物。

一般的な「かん水」は、炭酸ナトリウムですが、「唐灰汁」は炭酸カリウムが主体となったもの。そのため、長崎ちゃんぽんの麺は、コシがあってモチモチした麺になります。この「唐灰汁」は長崎の製麺所以外で使用できないそうです。

・特徴3:具沢山で栄養満点

長崎ちゃんぽんには、野菜や肉、魚介類がたくさん入っています。そのため、1皿でバランスよく栄養が摂れて、お腹いっぱいに。

主に使われている具材は、キャベツ、もやし、たまねぎ、にんじん、キクラゲ、椎茸、豚肉、イカ、エビ、かまぼこなどです。

地元では意外と自宅で作って食べられている

長崎には長崎ちゃんぽんを提供する店が多くあります。ラーメンなどの麺料理といえば、外食するイメージが強いと思います。長崎ちゃんぽんの専門店も見かけますよね。しかし地元長崎では家庭でよくちゃんぽんを作って食べるそう。各家庭のちゃんぽんの味があるようです。

長崎ちゃんぽんの歴史や由来は?

長崎ちゃんぽんが生まれたのは、明治時代だとされています。「中国から来た貧しい留学生たちに、栄養満点な食べ物を安く食べさせてあげたい!」と、長崎の中華料理店「四海樓」の創業者が考え、野菜クズや肉の切れ端を使って作られたのが、長崎ちゃんぽんだと言われています。

なぜ「ちゃんぽん」という?

長崎といえば、鎖国をしていた江戸時代、唯一、外国との交易を行なっていた街です。そんな長崎では海外の文化の影響を受けた、独自の文化が広まっていきます。

「ちゃんぽん」という名前の由来には諸説あります。

まずは中国語で、「ご飯を食べる」や「簡単なご飯」という意味の「喰飯(シャンポン)」に由来するという説、またポルトガル語で「混ぜる」という意味の「チャンポン」から由来するという説、また「ごちゃまぜ」という意味の沖縄の方言、「チャンプルー」からきた、という説も。

さまざまな説がありますが、明確な由来はわかっていないそうです。

長崎ちゃんぽんと皿うどんは何が違う?

「ちゃんぽん」も「皿うどん」も、長崎のソウルフードとして知られています。

「皿うどん」と聞くと、パリパリの細い麺に野菜や肉などの具材が入った、あんかけを想像しますよね? 実は皿うどんは、出前用に「汁のないちゃんぽん」として、長崎の老舗・中華料理 四海樓が、中華料理の「炒肉絲麺」をヒントに開発したといわれています。当初はちゃんぽんと同じ太麺が使われていたそう。

現在、皿うどんには、パリパリの細麺のものと、太麺をスープで煮込んだものと両方あるようです。長崎では、これらを「太麺皿うどん」「細麺皿うどん」と呼んで区別されたりしています。

細麺タイプが揚げ麺なのは、それ以前の皿うどんが、あらかじめ麺と具材を炒めてスープを入れてからさらに炒めて…という調理工程だったのを、あらかじめ揚げた麺にあんかけの具材をかける方法にアレンジすることで、調理工程を身近くするためだったとか。

「細麺皿うどん」は一般的にはパリパリに揚げた麺を使用

日本3大ちゃんぽんとは?

「長崎ちゃんぽん」「小浜ちゃんぽん」「天草ちゃんぽん」、この3つを日本3大ちゃんぽんと呼ばれています。

雲仙市の小浜ちゃんぽん

長崎県島原半島西部に位置する雲仙市小浜、ここで生まれたのが「小浜ちゃんぽん」。長崎ちゃんぽんが小浜にも広がり、そこから独自の進化を遂げたちゃんぽんです。

スープは鶏ガラや豚骨ベースに、魚介でとった出汁で、まろやかであっさりしているのが特徴。また具材には、近海で獲れた海産物や地元の野菜が使われています。

熊本の天草ちゃんぽん

天草ちゃんぽんの特徴は、モチモチの極太麺と、その麺が見えないくらいにたっぷり盛り付けられた具材。地元の海鮮や野菜がふんだんに使われています。またスープは鶏ガラと豚骨ベースに魚介出汁であっさりとしているのが特徴です。

長崎ちゃんぽんを自宅で作ってみよう

長崎ちゃんぽんを自宅で作る際、スープは牛乳や鶏ガラスープの素などを使って作られます。具材はアレンジ可能です。たくさんの野菜とお好みの海鮮などを入れてみてください。

では、一緒に長崎ちゃんぽんを作っていきましょう!

材料(2人分)

・中華麺(蒸し・太麺)… 2玉
・むきえび… 6尾
・豚肉(細切れ)… 100g
・キャベツ… 2~3枚
・かまぼこ… 50g
・もやし… 100g
・にんじん… 1/3本
・たまねぎ… 1/2個
・しめじ… 1/2パック
・塩コショウ… 少々
・ごま油… 適量

<スープ>
・牛乳… 150cc
・水… 400cc
・酒… 大さじ1
・鶏ガラスープの素… 大さじ1
・オイスターソース… 小さじ1
・おろしニンニク… 1片分
・砂糖… 小さじ1
・塩… 少々

作り方

1、キャベツやにんじん、たまねぎ、かまぼこ、豚肉などは食べやすい大きさにカット。

2、スープの材料(牛乳、水、酒、鶏ガラスープの素、オイスターソース、砂糖、塩)を混ぜ合わせておきます。

3、鍋にごま油を入れ、豚肉を炒めます。

4、3にキャベツ、むきえび、もやし、にんじん、しめじ、たまねぎを入れ炒めます。

5、えびに火が通ったら、2のスープを入れ、さらに麺を入れ表示通りに煮込みます。

6、器に盛り付けたら完成です。

長崎ちゃんぽんは栄養バランスのとれた麺料理

長崎ちゃんぽんについて見てきました。歴史や由来、皿うどんとの違いなどは知らなかった、という方も多いのでは? 長崎という外国の文化を受け入れてきた土地ならではの麺料理だったんですね。

また、ちゃんぽんは、たくさんの野菜と肉、海鮮が入ったボリューム満点で栄養バランスに優れた1皿です。「最近、野菜や肉などが不足しているな」と感じたら、長崎ちゃんぽんを作ってみてはいかがでしょうか?

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

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