南米にある「ガイアナ」はどんな国なのか、特徴や観光スポットなどをこれから説明していきます。
ガイアナ基本情報
まずはガイアナの正式な国名や首都、場所などといった基本情報を見ていきましょう。
国名
正式な国名は、「ガイアナ共和国」といいます。
首都
首都は、ジョージタウンです。
場所
ガイアナは、南米大陸の北部にある国です。隣接する国には、スリナム、ブラジル、ベネズエラがあります。
日本との時差
日本とガイアナとの時差は13時間で、日本のほうが13時間進んでいます。たとえば日本が午後1時だとすると、ガイアナは午前0時となります。
面積
ガイアナの面積は21.5万平方キロメートルです。これは、日本の本州よりもやや小さい大きさとなります。
エリア
ガイアナは10の州に分かれています。10の州は次のとおりです。
・バリマ=ワイニ州
・クユニ=マザルニ州
・デメララ=マハイカ州(ジョージタウン)
・東ベルビセ=コレンティネ州
・エセキボ諸島=西デメララ州
・マハイカ=ベルビセ州
・ポメローン=スペナーム州
・ポタロ=シパルニ州
・アッパー・デメララ=ベルビセ州
・アッパー・タクトゥ=アッパー・エセキボ州
人口
ガイアナの人口は79万人(2021年/世銀)です。これは、福井県の人口よりもやや多いくらいです。
言語・公用語
ガイアナの公用語は英語です。そのほか、ガイアナ・クレオール語などを使っています。
通貨
ガイアナの通貨単位はガイアナ・ドルです。日本円にすると、1ガイアナ・ドルは0.72円です(2024年3月3日現在)。
宗教
ガイアナの人々が信仰する宗教は、キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教などです。
歴史
ガイアナのおおまかな歴史年表は次のとおりです。
1621年 オランダ西インド会社設立とともに同社の支配下に入る
1814年 イギリスの統治下におかれる
1831年 英領ガイアナとなる
1966年 ガイアナとして独立
1970年 共和制へ移行し、「ガイアナ協同共和国」となる
天気・気候
日本と比べると、ガイアナのほうが気温が一定しています。年間を通じて23℃〜31℃程度で、降水量が多い傾向にあります。
ガイアナの治安・住みやすさ
ガイアナの治安や住みやすさを解説していきましょう。
治安は安定していない
治安はあまりよいとはいえません。外務省の危険度情報を見ると、全土で危険情報が出ています。これは、殺人や強盗などの凶悪犯罪の発生率が高いことが要因として考えられます。
住みやすさはよいとはいえない
ガイアナ全土で治安が悪いこともあり、住みやすいとはいえないでしょう。
ガイアナの見どころ・観光
ガイアナの観光名所をご紹介しましょう。
カイエチュールの滝
ガイアナの観光スポットとして有名なのが「カイエチュールの滝」です。この滝は、世界で最も高さのある1段の滝して知られています。その高さは226m、幅は約100mもあり、落下してくる水の勢いや景色は圧巻です。
このカイエチュールの滝は、ジャングルのなかの秘境にあります。見に行くためには、セスナ機に乗らなければなりません。ジョージタウンの飛行場から1時間ほどのフライトを経て、ようやく見ることができる絶景なのです。
エセキボ川
「エセキボ川」は、ガイアナに流れる最大の川です。ブラジルとガイアナの国境にあるアラカイ山脈にある水源から、森林やサバンナを横切り、大西洋に流れています。
その全長はなんと1,000キロメートル。エセキボ川の付近には大自然が広がり、滝があるスポットもあります。その壮大な景色はまさに絶景です。
セントジョージ大聖堂
首都・ジョージタウンには観光スポットがたくさんありますが、なかでも観光客に人気のスポットが「セントジョージ大聖堂」です。
ここは1892年に建てられたイギリス国教会の大聖堂。高さ43メートルもあり、世界最大級の木造教会といわれています。ヴィクトリア朝様式の白亜の外観から、歴史はもちろん美しさも感じられる建造物です。
プロムナード・ガーデンズ
「プロムナード・ガーデンズ」は、ガイアナの首都であるジョージタウンにある庭園です。ここにはトロピカルな植物があり、南国気分が高まります。
また早朝にはバードウォッチングを体験でき、併設されている動物園を楽しむことも可能です。動物園ではカワウソやバク、アナコンダ、ヒョウなどを見ることができます。
ガイアナの特徴・有名なもの
観光スポット以外の、ガイアナで特徴的なものや有名なものを紹介していきましょう。
国旗の意味
ガイアナの国旗は、「黄金の矢尻」がデザインされているのが特徴です。これは1966年の独立の際に、アメリカの国旗研究家に依頼してデザインされたもの。「黄金の矢尻」は、国の輝かしい未来を象徴しています。
また国旗には赤、黒、黄色、白、緑の5色が使われており、それぞれの色に意味があります。赤が国家建設への情熱と活力を、黒が国家建設をめざす国民の忍耐を、黄が鉱物資源を、白が川などの豊富な水資源を、緑が豊かな農業と森林を表現しています。
カレーとペッパーポットがガイアナの代表的な料理
「カレー」と聞くと、インド料理のイメージが強いでしょう。しかしガイアナでもポピュラーな食べ物です。なぜかというと、国民の40%ほどがインド系の人だからです。
カレーとロティ(薄く平べったいパン)はガイアナの定番料理となっており、インド料理のレストランもたくさんあります。
また、ガイアナ独自の料理に「ペッパーポット」があります。これはカサリープという苦いキャッサバのジュースと肉、とうがらし、スパイスを煮たシチューのような料理です。日常的にはもちろん、クリスマスや特別なイベントの日などにも食べられています。
近年油田が発見された!
数年前まで南米最貧国といわれていたガイアナ。しかし2015年に石油が発見され、国内総生産(実質GDP)が急成長しました。今では「新しいドバイ」として注目を集める国となっています。
人気スポーツはサッカーとクリケット
ガイアナで国民に人気が高いスポーツが、サッカーとクリケットです。なかでもクリケットはかなり人気で、植民地時代からイギリス文化の影響を大きく受けていることや、国民の40%ほどがインド系の人であることが影響していると考えられています。
国際試合の代表チームは多国籍の西インド諸島代表に属していて、クリケット・ワールドカップでは2回優勝しています。
スペイン語圏ではない
南米の多くの国の公用語は、スペイン語であることがほとんどです。しかしガイアナはスペイン語ではなく、英語が公用語となっているのが特徴的です。
南米でスペイン語圏ではない国は、ガイアナのほかにスリナム(オランダ語)、ブラジル(ポルトガル語)、仏領ギアナ(フランス語)などがあります。
世界一の滝や大聖堂などがある魅力的な国「ガイアナ」
ガイアナは壮大な自然、豊かな文化、そして独自の歴史を持つ国です。世界最大級の一段滝であるカイエチュールの滝や壮大なエセキボ川、歴史的なセントジョージ大聖堂など、訪れる人々を魅了するスポットがたくさんあります。またカレーやペッパーポットなどの伝統料理から、クリケットやサッカーといったスポーツも楽しめます。
とても遠い国ですが、さまざまな魅力に満ちたガイアナに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部