デンマークは北欧の国で、九州くらいの面積に596 万人の人々が暮らしています。デンマークはいったいどんな国なのでしょうか? 順番に見ていきましょう。
デンマーク基本情報
まずは、デンマークの首都、面積、人口、通貨などの基本情報から見てみましょう。
国名
デンマーク王国
首都
コペンハーゲン
場所
デンマークがあるのはヨーロッパ北部です。北海とバルト海の2つの海が出会う半島であるユトランド半島の半分を占めています。
北はノルウェー、東はスウェーデン、南はドイツと隣接しています。
日本との時差
7時間
日本のほうがデンマークより7時間進んでいます。
面積
43,000㎢
日本の九州の面積とほぼ同じです。
エリア
デンマークは首都地域、シェラン地域、南デンマーク地域、中央ユトランド地域、北ユトランド地域の5つの地域から構成されています。
人口
596万人
東京都の人口が約1400万人ですから、デンマークの人口は東京都の人口の約42%です。千葉県(人口約628万人)や兵庫県(人口約535万人)と近いといえます。
言語・公用語
デンマーク語
通貨
デンマーク・クローネ
1デンマーク・クローネ=21.65円(2024年12月13日現在)
宗教
福音ルーテル派(国教)
歴史
古くは、ゲルマン民族移動の時代にノルマン人の一派のデーン人が住みつき、彼らはその後8~11世紀のヴァイキングの時代に、ユトランド半島を基盤にして周辺諸国を侵略したり、貿易を行ったりしていました。11世紀初頭にはカヌート王がデンマークとイングランドを支配し、北海帝国を築いた時代もあります。
デンマークの歴史は、1397年にカルマル同盟が結ばれたことから重要な転機を迎えます。カルマル同盟とは、デンマークとスウェーデン、ノルウェーの北欧三か国による連合国家。デンマークはその一つとして、北欧最大の勢力を持つ国でした。
その後ホルシュタイン戦争で敗北すると、ユトランド半島の南部を失います。第二次世界大戦ではドイツ軍に占領されましたが、大戦が終わるとドイツから解放されることとなりました。
デンマークの国旗は、赤い背景に白い十字がデザインされています。これは世界最古の国旗といわれていて、13世紀にデンマーク王がエストニア人と戦っているときに、この旗が舞い降りて勝利できたといわれています。
天気・気候
デンマークは北欧にあり、1年を通して比較的低い気温が特徴です。ノルウェー、フィンランドなどの国々と同じように、冬になると日照時間がとても短くなります。逆に夏は白夜と呼ばれる、真夜中まで明るく太陽が出ている日が続きます。
デンマークの治安・住みやすさ
デンマークの治安や住みやすさはどうでしょうか?
治安は良好
デンマークの治安は良好です。外務省「海外安全ホームページ」では、デンマーク全土にわたり危険情報は発令されていません。
しかし強盗、窃盗、詐欺といった犯罪件数は多く、コペンハーゲンの繁華街や飲食店、空港などで、旅行者がスリや置き引きなどの被害に遭うことが多く報告されています。
そのため多額の現金は持ち歩かず、不用意に体から離さず、宝石などの貴金属はできるだけ身に着けないほうが安全です。一瞬のスキを狙って財布などの貴重品が盗られるため、いつも気を緩めずにいることが大切です。
住みやすさも良好
デンマークは北欧の国ではいちばん暖かく、とても過ごしやすい気候の場所です。さらに自然災害が少なく、治安が良く、国民の幸福度が世界的にとても高いことで知られています。
人々が無料で利用できる公共の医療制度が充実していて、子どもの学費も無料と、世界的な福祉国家です。そのため、住みやすさは世界で見てもトップクラスといえるでしょう。
デンマークの見どころ・観光
デンマークを旅行するなら、ぜひ訪れたい観光スポットを見てみましょう。
ニューハウン
首都コペンハーゲンにあり、運河に沿って古い木造の家が軒を連ねている「ニューハウン」。家の外壁がカラフルで、窓や屋根の形もかわいらしく、まるでおとぎの国に迷い込んだようです。おしゃれなカフェやレストラン、アンティークショップなども数多くあります。
市庁舎前広場
コペンハーゲンの市庁舎前広場は、多くの観光客が行き交う観光の定番スポット。重厚なレンガ造りの建物は宮殿のような美しさで、ぜひ写真を撮っておきたい場所です。
すぐ近くには、世界最古のテーマパーク「チボリ公園」があるほか、アンデルセン像などの観光スポットが数多く集まっています。
クロンボー城
クロンボ―城は、バルト海に面したヘルシオアにある城。シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の舞台となった場所で、世界遺産に登録されています。
海の向こうにあるスウェーデンとはわずか数キロほどしか離れておらず、フェリーが運航しています。
アンデルセン博物館
「マッチ売りの少女」「人魚姫」「みにくいアヒルの子」などの童話で知られる作家アンデルセンは、デンマーク出身です。そんなアンデルセンのための博物館が、中部の町オーデンセにあります。
ここは、日本の建築家の隈研吾氏が設計した場所。木を多用したデザインで、森の中にいるような開放的な雰囲気のなか、アンデルセン童話の世界に引き込まれていきます。
レゴ本社「レゴハウス」と「レゴランド」
デンマークは、ブロックの玩具レゴの発祥地です。デンマークのビルン市にあるレゴ本社には「レゴハウス」があり、観光客にも人気のスポットとなっています。
ここは、訪れた人の創造性を刺激する体験型ミュージアム。レゴでできた巨大な恐竜が展示されていたり、レゴの歴史がわかるコーナーがあったりします。もちろんレゴを購入できる場所があるほか、レストランではレゴでできたロボットがサーブしてくれます。
また「レゴランド」はレゴをテーマにしたテーマパークで、レゴ好きはもちろん、そうでない人も満喫できるスポットです。
デンマークの特徴・有名なもの
家具
デンマークはデザイン大国と呼ばれるように、クオリティやデザイン性の高い家具が多く作られています。冬は日照時間が短く寒くなるため、自宅で過ごす時間が長くなります。そのため心地いい家づくりにこだわる人々が多いことが理由のひとつとされています。
アルネ・ヤコブセン、オーレ・ヴァンシャー、フィン・ユール、ボーエ・モーエンセン、ヴェルナー・パントンなどの家具デザイナーが、デンマークで誕生しています。
ヒュッゲ(居心地のいい時間や空間)
「ヒュッゲ」とは、デンマーク語で居心地のいい空間や幸福感といった意味の言葉です。日常の小さなことに幸せを感じられることは、デンマーク人の心の持ち方そのもので、そんなライフスタイルが欧米などで注目されています。
私たちの生活では、人間関係や仕事のことなど、何かとストレスを感じるものです。それでも幸せと感じられる人がデンマークには多いのは、そんな心の持ちようがあるのかもしれません。
世界幸福度ランキング上位のデンマーク
デンマークは、世界幸福度ランキングでいつも上位に並ぶ国です。税率は高いですが、学費や医療費がすべて無料の福祉国家で、人々の満足度も高く推移しています。
こぢんまりとした国ですが、治安面でも気候の面でもとても暮らしやすく、一度は訪れてみたいと思う方も多いでしょう。ぜひ機会があれば、実際にデンマークの地に降り立ってみてください。
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文・構成/HugKum編集部