「四六時中」とは?
まずは、「四六時中」の読み方と意味を押さえておきましょう。
読み方と意味
この言葉は、「四六時中」と書いて「しろくじちゅう」と読みます。「二四時間中」「一日中」という意味を持つ言葉です。
語源・由来は九九!「二六時中」から「四六時中」へ
「四六時中」の語源・由来は、九九であることをご存じでしたか。
江戸時代ごろまで、日本では一日の時刻を「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の「12刻」で数えていました。そのため、「12= 2×6」=「二六時中」が「一日」「終日」という意味で用いられるようになったと言われます。
その後、1873年に西洋で一般的だった太陽暦が導入されたと同時に、時刻が24時間で数えられるようになると、「二六時中」が、「24=4×6」という脈絡で「四六時中」になりました。
使い方を例文でチェック!
では、「四六時中」は実際の会話や文章ではどのように使うことができるのでしょうか。ここでは、例文を通して「四六時中」の使い方をチェックしていきます。
1:受験生だった頃、彼は【四六時中】英単語帳を眺めていた。
「常に」「いつも」といった意味で使われる「四六時中」。同じ意味でも、この例文のように「四六時中」を用いると、より強調された印象を受けますね。
2:ドラマの続きが気になって、今日は【四六時中】そのことばかり考えていた。
なにかのことで頭がいっぱいで、一日中そのことばかり考えてしまうことってありますよね。そんなときも、少々誇張的なニュアンスで「四六時中」を使うことができます。
類語や言い換え表現は?
「四六時中」は類語と呼べる表現が多い言葉です。言い換えにも使える表現をご紹介します。
1:明けても暮れても(あけてもくれても)
「四六時中」の類語のひとつとして、まずは「明けても暮れても」が挙げられます。日が明けて、それが暮れても、毎日のように同じことを続ける様子を表す言葉です。
ポジティブな意味合いよりも、「飽きもせず」と続けてネガティブなニュアンスで使われる傾向にあります。
2:年がら年中(ねんがらねんじゅう)
「年がら年中」もまた、「四六時中」の類語のひとつと言えます。「一年中、ずっと同じことを続ける」という意味を持つ言葉です。
「年がら年中の『がら』って何?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね。もともとは「年が年中」という言葉でしたが、発音しづらかったことから「年がら年中」へ変化したと考えられています。
3:常住坐臥(じょうじゅうざが)
「常住坐臥(じょうじゅうざが)」は、「普段」「常々」という意味で使われる言葉です。
「坐臥」は「座っているときや横になっているとき」の意なので、厳密には「座っているときも寝ているときも、いつでも」ということを言い表しています。「四六時中」と違って、あまり親しみのない言葉ですが、ぜひあわせて覚えておきましょう。
対義語は?
では、「四六時中」とは反対の意味を伝えたい時は、どのような言葉を使えば良いのでしょうか。反対の意味にあたる言葉を探してみました。
1:一時的(いちじてき)
「一時的」は、文字通りに「その時かぎり」「少しの間だけ」のことを意味します。確定するまでの間の一時的な対処を意味します。「24時間ずっと続けること」を表す「四六時中」とは、反対の意味にあたる言葉といえます。
2:その場しのぎ(そのばしのぎ)
「後先を考えず、その場を取り繕うこと」を指す「その場しのぎ」という言葉。「24時間ずっと」という意味を持つ「四六時中」とは異なり、「その場」だけの対処を指します。行き当たりばったりなニュアンスを持ち、「四六時中」とは反対の意味を持つ言葉と捉えることができます。
英語表現は?
最後に、「四六時中」に近い英語表現も押さえておきましょう。
1:day and night.
“day and night”とは、「朝も夜も」と直訳できる英語表現です。「朝も夜も」=「1日中」と言えるので、「四六時中」と同じ意味を持つ英語表現として使うことができます。
2:all the time
「その間中ずっと」「いつも」といった意味を持ち、「四六時中」とも訳される“all the time”という英語表現。“He plays games all the time.(彼は四六時中ゲームをしている)”といったように使うことが可能です。
「いつも」「ずっと」を強調するニュアンスのある表現
今回は、「四六時中」の意味から語源、使い方、関連語までをご紹介してきました。先述したとおり、「いつも」「ずっと」と同様の意味を持つ言葉ですが、より強調するようなニュアンスのある言葉でもあります。表現のバリエーションのひとつに、ぜひ加えてみてくださいね。
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文・構成/羽吹理美