栗拾いにおすすめの時期は?
まずは、栗の旬の時期と、栗拾いにおすすめの時期について見ていきましょう。
栗の旬はいつ?
栗の収穫が行われる時期は、地域によって差があります。早い品種なら8月下旬から9月上旬にはじまり、9月から10月に旬を迎えます。地域によっては、11月上旬くらいまで栗が出回るところもあります。
おすすめは9月~10月
栗拾いにおすすめの時期は、旬を迎える9月上旬~10月中旬ごろです。栗自体は各地で栽培されていますが、おもな栗の産地は、茨城県、熊本県、愛媛県、岐阜県です。栗拾いができる農園のほとんどは関東以西にあります。
栗拾いの品種をチェック
栗にはさまざまな品種がありますが、栗拾いができる農園などで多く植えられている品種には、筑波・丹沢・銀寄・ポロタンなどがあります。ここでは、栗の品種別に特徴を紹介します。
筑波(つくば)
筑波は、岸根(がんね)と芳養玉(はやたま)を交配させてできた品種です。一度に多くの量を生産でき、悪天候や病気にも強く育てやすいという特性があることから、日本でもっとも多く栽培されています。
筑波の実は全体的に赤褐色で光沢があり、先端が少しとがっていて、その周辺が白く粉っぽいのが特徴です。1粒の重さは28〜30g前後あり、ほかの栗に比べて大きめです。
殻を割った中身の果肉は、淡い黄色で栗の強い香りがあります。ホロホロとした食感と、甘みが感じられるのが魅力です。渋皮煮や栗ご飯、スイーツなど、どんな料理にも向いています。
丹沢(たんざわ)
丹沢は、乙宗(おとむね)と大正早生(たいしょうわせ)の交配により誕生した品種です。ほかの栗と比べて収穫時期が早いのが特徴で、8月下旬ごろから収穫がはじまり、9月に旬を迎えます。国内の生産量も多い品種です。
丹沢の実は、淡い褐色でしま模様が入り、おにぎりのような三角形をしています。ほかの栗とくらべるとツヤはあまりなく、大きさもやや大きいくらいです。
果肉は淡い黄色で、粘り気が少なく、ホロホロとした食感と淡白な味わいです。控えめな香りで、栗のペーストや渋皮煮に向いています。比較的皮がむきやすいのも特徴といえます。
銀寄(ぎんよせ)
銀寄は江戸時代中期に大阪で生まれた品種で、日本でもっとも古い品種の栗です。
銀寄の実は暗褐色で美しい光沢があり、どっしりとしたやや横長の形をしています。1粒の重さは20〜25g前後で、ほかの栗に比べて大きめです。
果肉は淡い黄色をしており、香りと甘みがよく、ほくほくとした食感が特徴です。冷めても硬くならないことから、ゆで栗や渋皮煮に適しています。
ポロタン
ポロタンは2007年(平成19年)に550-40と丹沢を交雑して作られた品種で、比較的新しい栗です。味はよいのに渋皮がむきにくいというニホングリの欠点を克服すべく、簡単に皮がむける栗として開発されました。「ポロタン」という名前は、丹沢の子であること、渋皮がポロンとむけること、広く愛されてほしいなどの思いからつけられたのだそうです。
ポロタンの実は赤褐色で、ふっくらとした三角形をしています。1粒の重さは30g前後で、ほかの栗に比べて特大です。
果肉は黄色をしており、香りや甘みもあって、ややほろっとした食感があります。皮がむきやすく、色がきれいで甘さもあるため、焼き栗やゆで栗はもちろん、甘露煮や栗のペーストなど、どんな料理にも活用できるのが魅力です。
参考:茨城をたべよう いばらき食と農のポータルサイト|茨城県営業戦略部販売戦略課
栗拾いに行く際の準備
栗拾いに行く前に、準備しておくことを説明します。
予約方式や受付時間を確認
栗拾いができる農園では、多くの場合で前日までの予約が必要となっています。農園のホームページなどを確認してから予約しましょう。また、当日の受付時間なども確認しておいてください。
適した服装や持ち物
栗拾いに行くときの服装は、長袖、長ズボン、歩きやすいスニーカー、帽子がおすすめです。長袖、長ズボンを着用することで、栗の落下によるケガ、日焼け、虫刺されを防ぐことができます。またスニーカーや帽子によって、足や頭を栗のいがから守れます。
持ち物としては、軍手、トング、バケツを用意するとよいでしょう。これらの道具は多くの場合農園で用意されていますが、事前に確認しておくことをおすすめします。
そのほかあると便利なものに、日焼け止めや虫よけスプレーなどがあります。秋であっても紫外線は強く、蚊などの虫もいるため、準備しておくと安心です。
栗拾いの注意点
栗拾いに行く前日と当日の注意点を解説しましょう。
前日に営業状況を確認する
栗拾いに行く日の前日に、農園の営業状況を確認しましょう。栗の生育状況や天候不良によって、営業できない場合もあります。農園のホームページにある翌日の営業状況を見たり、電話したりして確認しましょう。
農園の人の話をよく聞く
それぞれの栗農園では、栗拾いができるエリアや拾った栗の料金、拾ってカゴに入れた栗の扱いなどのルールを定めています。農園の人の話をよく聞いて、ルールに従い栗拾いをしましょう。
マナーを守る
栗は落ちているものを拾うのが、栗拾いの絶対マナーです。栗の実を落とそうと無理に木をゆすったり、枝を折ったり、木をけったりするのはマナー違反です。また農園器具や備品を持ち帰る、ルールを守らないなどの迷惑行為はやめましょう。
栗拾いのコツ
最後に、栗拾いのコツをご紹介します。おいしい栗を拾いましょう!
地面に落ちた栗を拾う
栗拾いの最大のコツは、地面に落ちた栗を拾うことです。木になっている栗のほうが新鮮で熟れているように見えるかもしれませんが、栗は熟してくると自然と地面に落ちるようになっています。そのため木をゆすって落としたり、木からもいだりした栗は熟していないのです。必ず地面に落ちた栗を拾うようにしてください。
表面につやがある栗を選ぶ
おいしい栗の特徴は、外側の皮がツヤツヤしていてハリがあり、パンパンに詰まってずっしり重いものです。また、外側の皮が濃い茶色のものもいい栗といえます。できるだけこういったものを選ぶようにしましょう。
指で押してみて、中に空洞があると感じるカスカスしたもの、表面が白っぽいもの、黒っぽい部分があるものなどはあまりおいしい栗ではありませんから避けましょう。
収穫後は早く処理する
栗を収穫したら、できるだけ早く処理をします。処理する理由は、虫止めのためです。栗のなかには、かなり高い確率で虫がいることがあります。虫が栗のなかにいたままだと、栗を食べつくしたり、ほかの栗に移動して栗を食べてしまいます。それを防ぐために処理を行います。
栗の処理の仕方は、水で外側の汚れを洗い、大きめの鍋で沸かした湯に栗を入れて、湯の温度を80℃に保ちながら約1分間煮ます。煮終えたらざるにあけてお湯をきり、陰干しします。栗の表面が乾くまで干すことで、虫を死滅させることができます。
栗は0℃に近い温度で寝かせると、でんぷんの糖化により甘みが増すため、冷蔵保存するのがおすすめです。冷蔵保存する場合は、栗を新聞紙で包み、ポリ袋に入れて口をしっかり閉じます。冷蔵庫のチルド室で保存し、3〜4日以内に食べるようにしましょう。長期保存するなら冷凍庫で保存することも可能です。
秋は親子で栗拾いを楽しもう
栗拾いは、大人も子どもも楽しめる、秋を満喫できる体験です。また、家に帰って栗を味わうこともできます。この秋は、親子で栗拾いに出かけてみませんか。
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構成・文/HugKum編集部