食パンを冷凍保存するメリット
食パンは水分が多いため常温で保存すると、カビが生えてきます。だからといって、食パンの冷蔵保存はNG。
冷蔵庫内は乾燥しているためパンの水分が抜けやすく、食パンを冷蔵庫に入れるとパサパサになり固くなってしまいます。
また、冷蔵庫にパンを入れると小麦粉に含まれている「デンプン」も劣化してしまうのです。デンプンは0~4度くらいの温度で急激に劣化すると言われており、パンの風味も損なってしまいます。
しかし、0度以下になると、デンプンの劣化の速度は緩やかに。したがって、食パンを冷凍保存すると、おいしい状態のままキープできるのです。食べ切れなかった食パンは、冷凍保存するとよいでしょう。
食パンの正しい冷凍の仕方
では、食パンの上手な冷凍方法をご紹介しましょう。
食パンをそのまま冷凍してもいい?
食パンは、1斤丸ごと冷凍するのではなく、カットしてから冷凍します。
食パンを冷凍するにはアルミホイルが◎
食パンは、買ってきたときの袋のまま冷凍するのはNG。
食パンは、1枚ごと(2枚の場合はきっちり重ねて)包みます。おすすめはラップより、アルミホイル。アルミホイルは水分や臭いを通さないことに加え、熱伝導が良いからです。つまりラップに包んで冷凍する場合より、短時間でパンを凍らせることができるわけです!
アルミホイルは、食パンを包める十分な大きさにカットしてから、隙間ができないようにぴっちりと包みます。そして冷凍庫へ。この際、冷凍用の保存袋などに入れる必要もありません。
先ほども述べたように、パンは温度が下がることによってデンプンが劣化します。一気に凍らせることによって、劣化のダメージを少なくし、おいしい状態をキープさせましょう。
保存袋などに入れて冷凍してしまうと、かえって凍るのに時間がかかってしまいます。もし、保存袋に入れる場合はパンが完全に凍ってからにしましょう。
食パンの冷凍保存容器のおすすめ
アルミホイルでは、食パンがつぶれてしまうかも、と心配する方には専用の保存容器があります。
スケーター 食パン 冷凍 保存ケース
冷凍庫での食パンの押しつぶれを防ぎながら、おいしさをキープできます。フタと底面の突起加工と仕切りでパン同士もくっつきにくい設計に。冷凍庫内で立て置き収納ができるのも魅力です。食パン8枚切は3枚、5・6枚切は2枚、ロールパンも約4個収納可能。
冷凍保存期限はどれくらい?
アルミホイルでしっかりと包んで冷凍した食パンは、1カ月ほど保存できます。
離乳食に冷凍食パンを使う場合の期限
離乳食用に食パンを冷凍する場合は、あらかじめ、パンのみみを取り除いておくと便利です。1回に使う分ずつに小分けして冷凍しましょう。離乳食の時期に合わせて、角切りやスティック状にカットしておくのもよいですね。パンがゆに使う場合は、凍ったまますり下ろせばOK。離乳食に使う場合は1~2週間を目安に使い切るのがよいでしょう。
冷凍食パンを上手に解凍するコツ
冷凍した食パンは、いろんな方法で解凍できます。しかし、上手に解凍しないとせっかくのパンも台無し。ここからは、解凍の仕方をご紹介します。
自然解凍の仕方
一番簡単なのは、自然解凍。食べる1~2時間前に、冷凍庫から出して常温で解凍します。そうすれば、元通りのふんわりした状態に戻ります。
朝に食べるのなら、前日の夜に冷蔵庫に入れてゆっくり解凍すると良いでしょう。
そのままトーストも!
冷凍した食パンは、そのままオーブントースターで焼くのもおすすめ。あらかじめ、トースターを熱しておき、高温で一気に焼き上げます。そうすることで、カリッともちっと焼き上がります。低温で焼くと水分が逃げ出してしまうので、高温で焼くのがポイントです。
時間がないときは電子レンジへ!
早く解凍したいときなどは、電子レンジを使いましょう。
冷凍したパンは、包んでいたアルミホイルやラップをはがし、皿などにのせます。そして、電子レンジで20秒~30秒。ふわふわに仕上がります。もし、時間が足りなかったら、10秒ずつ様子を見ながら追加加熱を。
厚めにスライスした食パンをトースターで焼く場合も、焼きムラを防ぐためにいったんレンジで解凍してから焼くと、おいしく焼き上がりますよ。
冷凍食パン×フライパン 焼き方のコツ
冷凍した食パンは、フライパンでも焼くことができます。凍ったままの食パンをフライパンにのせて、弱火から中火で加熱します。この際、油などは必要ありません。何度かひっくり返しながら、焼きましょう。このときふたをして焼くと、中はしっとり、ふんわりと焼き上がります。
文/斉藤和美(フードコーディネーター)
冷凍食パンで楽しみたいフレンチトーストレシピ
冷凍した食パンは、すぐに解凍もできます。トーストもよし、フレンチトーストにして楽しんでもよし!
【1】きなこと豆乳のひと口フレンチトースト
豆由来のたんぱく質もたっぷり!きなこの風味がよく、甘さ控えめなのに十分なおいしさが口に広がります。
◆材料
(子ども1人分)
食パン(8枚切り) 1枚
【A】
溶き卵 1/2個分
無調整豆乳 大さじ2
きなこ 小さじ2
砂糖 小さじ1/2
バター 小さじ1
◆作り方
【1】食パンはひと口サイズに切る。ボウルに【A】を入れて混ぜ、食パンを両面とも浸す。
【2】フライパンにバターを熱し、【1】を両面とも焼く。
教えてくれたのは
松尾みゆきさん
管理栄養士・料理研究家・フードコーディネーターとして、テレビや雑誌、書籍等、幅広く活躍。自身も母として「食育」を実践している。
『めばえ』2016年5月号
【2】にんじんのパンキッシュ
フレンチトースト風のふわふわ仕上がり。オーブンで焼くだけなので栄養バッチリの簡単料理!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
にんじん 1/2本(100g)
ソーセージ 6本
食パン(6枚切り) 1と1/2枚
卵 2個
牛乳 1と1/2カップ
粉チーズ 大さじ1
塩・こしょう 各適量
◆作り方
【1】にんじんは皮をむいてすりおろしてボウルに入れ、卵を割り入れてほぐす。牛乳を加えてよく混ぜ、塩、こしょうで調味する。
【2】食パンは角切り、ソーセージは斜め切りにして、耐熱容器に入れる。
【3】【2】に【1】をまんべんなく流し入れて、5分ほどおき、180℃のオーブンで15分を目安に焼く。粉チーズをふる。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。
文・構成/HugKum編集部