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日本最大級の規模を誇る京都鉄道博物館
国内最大級の敷地面積を持つ京都鉄道博物館。貴重な車両を53種も保存・展示しています。
すぐ近くの京都水族館や京都タワーとのセット券などもあり、連日大勢の人が訪れています。 今回は当日券をエントランスホールにある券売機で購入。事前購入できるデジタルチケットなどもありますよ!
本館までたどり着けない?3つの車両がお出迎え「プロムナード」
中に入ると本館へつながる屋外スペースのひとつ、「プロムナード」があります。
駅のプラットホームをイメージしたスペースで、全長約100m!蒸気機関車、初代新幹線、戦後初の長距離電車といった、スター車両たちが大迫力でお出迎えしてくれます。
さらには「走るホテル」と称されたブルートレインの食堂車などが奥に控えていて、目移りしてしまうこと間違いなし。横には売店があり、食堂車の中でお弁当を食べることができるという心にくい仕様です。
高度経済成長期の代表的な通勤形電車の車両に入れるなど、ここだけで12種類の列車が並んでいます。ついあちこち覗いてしまい、なかなか本館にたどり着けません……!
大人も子どもも夢中になる、体験型の展示がいっぱい
ようやく入口に到着、中に入ると、吹き抜けの広々とした空間には年代も地域もさまざまな車両がずらりと並び、壮観!
国の重要文化財に指定されている、初の国産型「量産型蒸気機関車」など、貴重な展示が随所にあります。筆者が訪れたのは平日にも関わらず、お子さんや鉄道ファンがあちこち目を輝かせて館内を回っていました。校外学習で来ている団体さんも沢山見かけました。
展示されている車両の運転席に入れたり、蒸気機関車で石炭を入れる「機関室」が覗けたり、走る仕組みが体験型の展示であったりと、あちこちで歓声があがっていました。
各種の運転席が体験できるブースもあり、まだ座席に乗れないような小さなお子さんも、抱っこされながらにこにこ体験していました。
列車のディテールを間近に見ることができるのも大きな魅力。時速200キロで走る新幹線の車両をじっくり眺める機会なんてそうありません。
なんと、中には踏切まであります!
ひとりで渡る練習をしているお子さんもいました!
紆余曲折を経て今も走る鉄道たち
もちろん車両の魅力を感じるだけではありません。鉄道の歴史、鉄道のしくみや特長、といった、先人の歩みも学べます。
電車の黎明期から現在に至るまで、鉄道にはさまざまな出来事がありました。蒸気機関車の仕組みや今は姿を消した特急のヘッドマーク、戦前・戦後の車掌さんの制服など、大人が見ても興味深い展示がたくさんあります。
昭和の駅舎なども体験でき、ジブリ映画で見るようなレトロな雰囲気がたまりません。
親子三代で来ている方々の、おじい様が「これに乗ったなあ……」とつぶやいているのも聞こえました。
2階も見逃せない!ひとやすみスペースもあり
そして 2階に上がると、「生活と鉄道」のコーナー、企画展示、大人気の運転シミュレータと、大型鉄道ジオラマの展示があります。キッズパークや休憩所、レストランもあるので、一休みできるのもありがたいポイント。
鉄道ジオラマは座席に座ってみることができます。開始時間に遅れると入れないので、早めに席を取っておくのがおすすめです!
運転シミュレータは、運転士が実際に訓練で使用するシミュレータを使うお仕事体験。まるで訓練さながら!事前予約制で、館内では予約できません。体験したい方はご予約を忘れずに!
2階への階段をあがったところエレベーターからの導線など、展示に入るにあたって新旧さまざまな改札を通ることができるのもすてきな仕掛けです。ついぐるぐるといろいろなところから入ってしまいました。
切符の購入体験もできます。お子さんが電車の魅力を感じられるように、また成長に従って電車が生活の一部になるような工夫が随所に散りばめられています!
3階には晴れた日には絶景が広がるスカイデッキがあります。貨物コンテナと線路、京都の雄大な山々、五重の塔や京都タワーなど、ここだけの眺めが楽しめますよ。
国の有形文化財「扇形車庫」は必見!
現存する日本最古の鉄筋コンクリート造りの「扇形車庫」は見逃せません!国の重要指定文化財でもあります。前にあるのは「転車台」。蒸気機関車が回転しながら向きを変えるためのものです。
鉄道博物館の前身は「梅小路蒸気機関車館」。そのころから人気の場所です。圧巻の蒸気機関車の数は実に20両。菊の御紋入りなど、明治~昭和に活躍したさまざまな蒸気機関車が一堂に会します。
何が見れるかはお楽しみ♪毎日運行する「SLスチーム号」
本物の蒸気機関車が牽引する客車に乗車できる「SLスチーム号」。毎日欠かさずに蒸気機関車を運行しています。これは日本でも数少ない取り組みなんだとか。こちらは別料金で、ひとり300円必要です。
午後の回に乗ってみると、ほぼ満員。シュポーッという蒸気機関車ならではの音と共に、ゆっくりと発車するSLスチーム号。これがとっても楽しかったです!
実際の線路と並走しますので、「N700系」の新幹線が走り抜けていったり、コンテナを運ぶなが~い貨物列車が来たり、特急電車が走って行ったり……と、短い時間でもさまざまな電車が間近で見られました。
さらに、逆側には公園が広がっているので青楓やアジサイなど、みずみずしい緑が目を楽しませてくれます。インド人らしき謎のおじさんがベンチで休憩しているのも見かけました(笑)桜や紅葉の季節もさぞきれいなことでしょう。
京都指定有形文化財「二条駅舎」がミュージアムショップに
最後に控えるのは「旧二条駅舎」。実はここは、明治37年に建設され、現役時代は日本最古級の木造駅舎と呼ばれた駅舎を移築したもの。平成8年に京都市指定有形文化財に指定されています。ミュージアムショップがあり、チケットなしでも入ることができます。
駅舎の中には展示に加え、ミュージアムショップがあります。駅改札風の出口を通り、ここだけのオリジナルグッズなど、鉄道関連商品だらけ!お菓子から文房具、アパレル商品まで鉄道ファンにはたまらないラインナップです。
京都鉄道博物館には発見がいっぱい
紹介しきれないほど、展示が盛りだくさんの京都鉄道博物館。きっとお気に入りの展示が見つかるはずです。
これからの季節、水分補給はお忘れなく!
所在地: 京都市下京区観喜寺町
開館時間 :10:00~17:00 (入館は16:30まで)
入館料金 一般1,500円 大学生・高校生1,300円
中学生・小学生500円 幼児(3歳以上)200円
休館日 毎週水曜日・年末年始(12/30〜1/1)ほか
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取材・文/宇野なおみ