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夏休みのおでかけのお供に!NEO POCKET「鉄道」充実の中身を大解剖!
担当者イチオシ!おすすめポイントは?
――作成に当たり、特にこだわった点を教えてください。
誰にでも手に取ってもらいやすい入り口にこだわりました。まずは全国の子どもたちが、地元の駅で見られる鉄道が全て載っている図鑑を目標として取りかかりました。
――このサイズで650種類もの車両が収録されているのは驚きました。「鉄道会社を代表する1両」だけではなく、「地元の駅でいつも見ている列車」も掲載されているのはうれしいですね。
保護者の方の中には「鉄道に全然興味がないのに、子どもが鉄道大好きになってしまった。でも新幹線の名前すらわからない」という方もいらっしゃると思います。
そんな方でも手に取りやすい内容で、鉄道デビューしたばかりのキッズから鉄道好きのファミリーまで、詳しく正しい情報を得られることにこだわっています。親子で一緒に実物と見比べて、鉄道への興味を深めてもらえたらと思います。
――表紙もデビューしたばかりであまり見かけないE8系が目を引きます。
表紙にはおそらく鉄道図鑑で初めてであろう、E8系つばさを採用しました。ちょっとしたチャレンジだったのですが、気に入ってもらえたらうれしいです。
――E8系は美しいパープルに映える紅花イエローのラインがキレイですね。実際にこの車両に乗って山形に行ってみたい!という子どもたちも増えるかもしれません。
とにかく掲載されている車両の数には驚かれると思います。有名な新幹線・特急だけでなく、全国各地のいわゆるローカル線や貨物列車、モノレールやケーブルカーまで網羅しています。国土交通省に届出をしている鉄軌道事業者一覧に名前がある鉄道会社は、ほぼ全部載っていると言っても問題ないと思います。
――人口の多い地域だけでなく、全国を網羅されているのも感動しました。さくいんもまさかの0から始まる「系」表示でとてもわかりやすいです。
名前がわからない列車でも調べやすいようJRや私鉄、さらには地域別からも探しやすく分類しています。子どもたちはまず列車名より先に鉄道会社の名前を覚えると思うので、特にローカル線では会社名で分類しています。
――主な路線名だけでなく、ドアの数や基本編成、座席の形状や車両の長さまで(笑)、子どもが興味を持ちそうな情報がもれなく掲載されていることに感動します。
子どもたちが初めて聞く言葉や「あれは何?」と興味を持った時に調べられるよう、鉄道用語解説も掲載しています。家族で知識を深められたら、鉄道がより身近なものになると思います。
おでかけ時に連れて行って!オススメの使い方
鉄道ファン以外も安心、こんな使い方も!
家族旅行などの大きなイベントだけではなく、むしろ近所の駅で電車を眺める時、近くへのおでかけの際などにオススメしたいです。日常生活の中で「あの列車なに?」とお子さんに聞かれても、大体の車両はこの図鑑に載っていると思います。
――ポケットサイズで軽いので、小さいお子さんでも持ち歩けますね。普段のお散歩用のバッグに忍ばせておけば、自然に鉄道に詳しくなれそうです。
最近は利便性を高めるため、相互乗り入れをしている鉄道会社も増えました。身近な駅のホームに見慣れない列車がいるけど、あれはなんだろう?と思った時にもぜひこの図鑑で調べてほしいですね。
なかなか見られないレア車両も網羅!
線路の上を走る鉄道だけではなく、路面電車やケーブルカー、ロープウェイまでも掲載されている鉄道図鑑はあまりないと思います。全国にはこんな乗り物もあるんだ、とその土地への興味のきっかけにもしてもらえたらと思います。
――撮影に苦労された鉄道や思い出に残っている鉄道はありますか?
撮影に行くのに苦労したのは青函トンネル竜飛斜坑線ですね。本州と北海道を結ぶ青函トンネル記念館の中にあるケーブルカーで、日本で唯一、高いところから低いところへ降りるためのものなんです。この写真を撮るためだけに、東京から数時間かけて現地に行ってきたので、ぜひ図鑑でじっくり見てください(笑)。
思い出に残っているのは東急電鉄7500系「TOQi(トークアイ)」に乗せてもらったことです。JRのドクターイエローと同じく、東急電鉄の軌道や架線の検測をしたり、車両回送に使ったりする事業用車両です。車窓の視界に入るのは架線だけでしたが、取材できてうれしかったですね。
担当者の「推し鉄道」も聞いてみた!
鉄道好き担当者の最近の「推し鉄道」は? 図鑑を見ながら聞いてみました。
性能がよい車両がお気に入り
個人的に好きなのは群馬県の上毛電気鉄道の800形。鉄道好きな方ならピンとくるかもしれませんが、この車両はもともと東京メトロ日比谷線で活躍していたものです。とても性能が良くて丈夫なので、上毛電気鉄道以外にも北陸や九州など全国に転用されて活躍しています。そんな活躍の軌跡もこの図鑑ならすぐに辿れるので便利ですよ。
他にも東海道山陽新幹線のN700Sや東北新幹線E5系はフォルムも美しく、性能の良さが垣間見れるところがお気に入りです。
ちょっと変わったあの電車も?
珍しいところでは京阪大津線。京都と滋賀県の大津を結ぶ京津線区間では地下鉄~地上~路面、とずっと同じ電車が走るのが特徴です。道路の真ん中を電車と車が並走する区間もあるのが面白いですね。この図鑑ではどの分類にしているのか、探してみてください。
同じく関西なら近鉄の特急車両。近鉄特急はバリエーションが豊富で、どの車両に乗れるのかな?とホームでの待ち時間はワクワクします。
関東ならJR普通列車のグリーン車が好きですね。特別感があって、よく利用しています。
鉄道好き、乗り物好きの方へのオススメは
――最後に鉄道好きの方へのオススメの楽しみ方を教えてください。
鉄道好きの方には、型式で調べられるさくいんも楽しんでいただけると思います。普段新幹線で行くところを特急で、特急で行くところを普通列車で、とあえて時間をかけながら旅をしてもらいたいですね。行きと帰りはできるだけ別のルートで移動するようにすると、たくさんの鉄道に乗ることができます。
私も実際に東京から仙台へ行くのに新幹線を使わず、常磐線の特急ひたちで約5時間かけて行ったこともありました。のんびり本を読んだり、車窓に一瞬見える海を眺めたりと、周辺の景色を楽しみながらの旅はスピード重視とは違った楽しみがあります。ぜひ鉄道旅行のお供にしてください!
気になった方はこちらからチェック!
全国の鉄道車両が集合! 全部で約650種類持ち運びに便利なコンパクトサイズの鉄道図鑑が誕生しました! おでかけや旅行のときに、ネオぽけ『鉄道』で、出会った鉄道車両をチェックしよう!
お話を聞いたのは
「小学館の図鑑NEO」編集部に在籍し、さまざまな図鑑制作に携わる。『小学館の図鑑NEO イモムシとケムシ』や『くらべる図鑑』などを担当。好きなことはバードウォッチングや虫探し。乗り物も大好き。
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文・構成/kidamaiko